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国際研究チーム、重力波を初観測 106

ストーリー by hylom
100年の時を超えて実証 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

米カリフォルニア工科大や米マサチューセッツ工科大などの研究チームが、重力波を世界で初めて観測したと発表した(NHK読売新聞朝日新聞)。

地球上の施設サイズでの分解能で、ブラックホールの合体時の波が観測できたというのは驚きである。

重力波の存在はアインシュタインが一般相対性理論で存在を予言していたもの。昨年9月14日に米国の観測装置LIGOが検出したもので、13億年前に発生した「質量が太陽の29倍と36倍のブラックホールがに合体した際のエネルギー」によって生まれた重力波が地球に届いたものとみられるという。

まだ観測データの一部しか解析は終わっておらず、残りのデータ解析も現在進められているとのこと。

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  • ちょうど良いタイミングですね

    アインシュタインからの最後の宿題に挑む:重力波望遠鏡KAGRA
    国立天文台/藤本 眞克

    http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?date=20160220 [kahaku.go.jp]

  • 四国新聞 (スコア:5, おもしろおかしい)

    by Yuhki (17870) on 2016年02月12日 20時54分 (#2963533) 日記

    重力波?そんなことよりおうどんたべたい

    https://twitter.com/MoonWave38Hz/status/697903880324063233 [twitter.com]

  • 国立天文台TAMA300で検出できる信号だったのか計算してみました。

    LIGO-ハンフォード(上)とリビングストン(中)で記録された信号のグラフ [astroarts.co.jp]と、
    日本の国立天文台のTAMA300の感度 [nao.ac.jp]を比べると、結構惜しいところで拮抗しているようにも見えます。

    しかし、今回、LIGOで検出したのは、20msec~5msecあたり1周期ですから
    50Hz~200Hzで10^-21の信号レベルでした。

    1kHz帯域ではたしかにTAMA300も10^-21レベルですが、
    100Hz帯域ではTAMA300は10^-19のノイズレベルですので、
    LIGOが検出した信号に対し、TAMA300は100倍程度ノイズを持っていることになるのですね。
    これではTAMA300では検出はできなかったようです。

    LIGO-Virgoの重力波発見に関するKAGRAグループからのコメント [u-tokyo.ac.jp]
    >KAGRAは地下に設置されて低温ミラーを装着しているため100Hz 以下の帯域で感度が高く、
    >その周波数帯にある重力波源の探査に適していますが、そこはまさに今回LIGOで
    >観測されたブラックホール連星の合体イベントがたくさんあると予想されているところです。
    >まず、KAGRAはそこを目指していきます。

    とのことですので、KAGRAもこちらを目指すべく作るようですね。

  • by Anonymous Coward on 2016年02月12日 19時45分 (#2963501)

    今回のLIGO(Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory)にせよ日本の大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」にせよ「望遠鏡」なんですよね。
    光や電波やX線といった電磁波ではなく重力波で宇宙を観測できるようになったというのが画期的なところで、重力波天文学の夜明けといったところでしょう。

    • by Anonymous Coward on 2016年02月12日 19時53分 (#2963507)

      ブラックホールを直接見ることができるってニュースで言ってた。
      光すら出てこれない天体を観測できるってすごいね。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2016年02月14日 1時06分 (#2964228)

      LIGO の重力波と言えばシュッツ先生、
      Bernard F. Schutz https://en.wikipedia.org/wiki/Bernard_F._Schutz [wikipedia.org]
      あの教科書を思い出します。
      http://www.amazon.co.jp/%E7%AC%AC2%E7%89%88-%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%8... [amazon.co.jp]

      文系クラスから憧れだけで物理学科に進み、大方の予想通り落ちこぼれた私を
      この教科書(当時初版・上下巻)が少しだけ救ってくれました。

      PC9801 やめて中古の Mac を買うことにしたり、Mathematica をワープロ代わりにしたり、
      グループで "Gravitation" (MTW ね) に挑戦してセンスのあるヤツとの差に絶望したり、
      二間瀬先生や Thorne 御大の講演聴きにいったり(そしてよく分かんなかったり)と、
      アレゲな人生のきっかけになった教科書なんです。

      # とてつもなくオフトピなので AC

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      夜明けと言っても、観測装置は大掛かりだわ、観測できるような事象はそうそう
      起こるものではないわで、長年かかってやっと初めて捉えられたということなのに、
      今後も学問分野として成り立つほど観測データが集められるのだろうか。

      • by simon (1336) on 2016年02月13日 2時58分 (#2963692)

        地上じゃなくて宇宙に観測装置を上げちまおうという「レーザー干渉計宇宙アンテナ (Laser Interferometer Space Antenna; LISA)」を欧州宇宙機関が計画中で、人工惑星軌道に三機が投入される予定(機器の検証試験用のLISA パスファインダーが昨年打ち上げられました)。

        今回のLIGOの基線長は4kmですが、LISAの場合は500万kmという超長基線の観測が出来るので感度もよく、重力波の周波数も低いものまで観測可能だとか。

        問題は資金があんまないことで、計画では2034年ころに観測開始なんだそうです。
        今回の発見がこの計画の追い風になるといいですね。

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      • by manmos (29892) on 2016年02月15日 10時27分 (#2964652) 日記

        いや、事象自体は常に起こってますよ。超新星爆発とかとは違いますから。
        超重量の物体がお互いに回っていれば重力波は発生します。とりあえず、一組見つかっていたワケで、その次のペアを見つけることも可能かと思われます。

        #まあ、そのペアが合体してしまったらなくなりますが、それはそれで合体の観測が出来ればもっとすごい。

        まあ、デカいですから動かすわけにいきませんから、地球がその方向に向いたときに観測できる可能性を期待したい。

        ただ、当然、事象の地平線の向こう側に入っちゃった回転から発生する重力はは見られません。

        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2016年02月12日 22時13分 (#2963580)

        確定するまではアレだけど、観測に成功したってことはその測定原理でOKだったと認められたことになる。測定できるかできないか分からないモノにはそんなにお金かけるわけにはいかないけど(それでも結構予算出してるはずだけどね)、「できる」ってわかった以上装置の性能向上や小型化などの道が開けることになるかと。重力波の測定自体にどれだけ需要があるかは分からないけど、関連分野や測定装置なんかはどんどん発展してくと思うよ。

        # 乗るしかない、このビックウェーブに!的な

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        その昔のニュートリノみたいな感じだろ。
        まず理論で予測され、実際に観測されて現在ではニュートリノ天文学が成立している。

    • by Anonymous Coward

      >「望遠鏡」なんですよね。
      実際、鏡を使ってるんじゃなかったけ、ちょっと向きが普通とは違うかもしれないけど。

  • by wolf03 (39616) on 2016年02月12日 20時39分 (#2963524) 日記
    ハンマーへの第一歩?
    • by LoadFF (27414) on 2016年02月13日 15時37分 (#2963954)

      重力波で衝撃波を発生させるのだから、位相速度が光速度を超えないと駄目では?
      (それ以前に、重力波を発生させる質量源が要るわけで…)

      --
      如何なる内容であろうとACでの書き込みは一切無視します。
      親コメント
  • ブルーバックスのサイトに重力波に関する簡単な説明載ってたので、参考用に貼っておきますね。
    ついに初観測!重力波とは何か? [kodansha.co.jp]
    2011年にブルーバックスから出たゼロからわかるブラックホール [kodansha.co.jp]という本からの抜粋だそうです。
    重力波とは何か?どうやって測定するのか?ってのが簡単に紹介されてます。

    あと同じブルーバックスのサイトにニュース記事として「国内の重力波研究の第一人者である安東正樹さん」の話も紹介されてます。
    日本最先端の研究者に聞いた「ほかでは読めない重力波」 [kodansha.co.jp]
    研究者の視点から今回の発表について触れています。またどういう根拠から重力波が検出されたと考えられるのかってのにも触れてます。

  • by Anonymous Coward on 2016年02月12日 18時35分 (#2963476)

    本当にラッキーな偶然なのか、はたまた観測可能な重力波を生じるような天文学的現象の発生確率は想定よりもはるかに大きかったのか?

    • by ciina (26410) on 2016年02月12日 19時27分 (#2963496) 日記

      未だ建設中の設備が出来上がっても数十年~1000年は検出されないかもしれないとか聞いてましたからねぇ。
      もしかしたら1969年のジョセフ・ウェーバーの検出は間違っていなかったとか言われる事もあるのでしょうか。

      親コメント
      • by SanPierre (37035) on 2016年02月13日 11時01分 (#2963821) 日記
        関連リンクに入っていませんが
        21年後に巨大ブラックホール衝突が発生する可能性 [science.srad.jp]
        のストーリーの時の元記事 [nikkeibp.co.jp]が今見ると面白いです。

        ブラックホールの質量は合わせて恒星100億個分にもなり、お互い非常に近い距離で軌道運動していて、あと20年ほどで衝突するかもしれないという。

        恒星100億個というと今回のより8~9桁大きいビッグウェーブが来ちゃうんですかね?とか

        そんなにすぐに衝突するわけがないと考える天体物理学者もいる。先の『Nature』の論文の筆頭著者であるカリフォルニア工科大学の理論家マシュー・グレアム氏は、「彼らと同じ方法で分析すれば、私たちのクエーサーではわずか5年後にブラックホールの衝突が起こることになります。

        5年もかからなかったということはクエーサーとかで兆候をつかめない程度のブラックホール衝突重力波はもしかしたらかなり頻繁に訪れているのかも?とか。

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      • by Anonymous Coward on 2016年02月13日 14時47分 (#2963936)

        後から出てきた報道によると、改修の結果 検出頻度は以前よりずっと高く見込まれてたようですね(「1年に10回は観測できるほど精度が飛躍的に向上した」)
        http://www.asahi.com/articles/ASJ2D5H4JJ2DULBJ018.html [asahi.com]

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    • by Anonymous Coward

      実はいろんなもので反射したり屈折した波がそこら中にあったりして

      # 今回の発表で重力波の存在は確定?
      # それともアメリカのチームが見つけたぜと言っているだけ?

      • 日本やEUの設備が今年くらいから幾つか立ち上がるので、それの追試結果待ちじゃないですかねー。
        検出できる程度の重力波が地球まで来る機会は、言われてたよりも多いのかも知れませんし。
        超新星爆発とかに絞っても、年に数回程度は観測されてるような気もしますし、この手の現象以外でも重力波が検出できるイベントは少なくはないでしょうから。

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  • by Anonymous Coward on 2016年02月12日 19時52分 (#2963506)

    オボちゃんみたいな結末にならなきゃいいが

    • by Anonymous Coward on 2016年02月12日 22時02分 (#2963570)

      重力波の歴史は疑わしい発見報告の歴史でもあるのです

      親コメント
    • 天文学は、どんなにでかい設備が必要だとは言っても、バイオテクノロジーほど広い範囲で大きな金が動くものでもないし、怪しい世界の山師たちが群がるにはちと枯れてる分野ですからね。

      STAP細胞の顛末には、バイオベンチャーの株価操作という話が絡んでる [ismedia.jp]ので…小保方氏が、先に出た「告発本」で若山教授を名指しで批判していたのは、その辺りが絡んでるのでしょうし。

      # 小保方氏はやらかした張本人なのか、ただの広告塔で怪しい金儲けに
      # 動員されただけなのか。と言うのは、当時から思ってはいましたが。

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    • by Anonymous Coward

      あっちは捏造だったからなあ…。今回は誤報なら誤報でちゃんと訂正するんじゃね?
      それ以前に他の重力波望遠鏡が完成を待たないと追試が出来ないか…。

      • by Anonymous Coward

        仮に誤報だった場合、同等にトップ扱いするんだろうか
        …そんな訳無いんだろうな

        • by Anonymous Coward on 2016年02月13日 2時22分 (#2963684)

          誤報の予防というのとは少し違うけど、こんなチェックもしているんだと:

          http://planck.exblog.jp/16099800/ [exblog.jp]
          >ところが総会で、この事象がデータの中に人為的に差し込まれたものであることが明らかにされました。データ解析の方法がうまく働いているかを確かめる「二重盲検法」だったわけです。おとり捜査のようなものです。

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    • by Anonymous Coward

      まあ、このニュースは、「私の計算が確かならこの装置で検出できるはず」というのが確かにできたっぽい、という、
      極論すると、当たり前と思われていた事を当たり前に確認しただけの話なので、誤報でも、最悪、捏造でも直ちに影響はない。

      むしろ逆に、どんなに頑張って「より高性能な、理論上、余裕で検出できる精度の装置」を作っても検出できないまま、
      という事態に陥ると、理論が間違ってるか、人類の製造能力が人類が思ってるほど高度ではないということになってしまって、大問題。

      物理史の教科書に誰の名前が載るかの競争をしている人以外にとっては、
      人類の科学知識と技術は順調に発展してるようで良かったね、という、そのぐらいの話。

  • by Anonymous Coward on 2016年02月12日 23時37分 (#2963629)

    宇宙の謎をさらに解明できる、よりもっと実用的なメリットとかないんでしょうか?
    ど素人の自分としては、重力をコントロールできるようになるの?という質問しか思い浮かばないんですが。

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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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