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バイオテック

2016年のノーベル生理学・医学賞、オートファジーのメカニズムを解明した東京工業大学の大隅良典氏が受賞 42

ストーリー by hylom
そして話題になる東工大の出張規程 部門より
headless 曰く、

2016年のノーベル生理学・医学賞は、東京工業大学の大隅良典氏が受賞した。授賞理由はオートファジーのメカニズムに関する発見(プレスリリース)。

「自食」とも訳されるオートファジーは、細胞がそれ自体の内容を分解し、再利用する仕組み。細胞がその内容を膜で包んで小胞を作り、リソゾームに送って分解する様子は1960年代に初めて観察され、オートファジーとして知られるようになった。研究の困難さにより、この現象の詳細は知られていなかったが、1990年代に大隅氏が酵母を使用した実験を繰り返してオートファジーにかかわる重要な遺伝子を発見した。大隅氏はさらに研究を進めて酵母におけるオートファジーのメカニズムを解明し、ヒトの細胞でも同様の洗練されたメカニズムが適用できることを示した。

大隅氏の発見は、飢餓への適応や感染への反応といった、さまざまな生理的プロセスにおけるオートファジーの基本的な重要性への理解を深める道を開いた。オートファジーの遺伝子が変異することで疾病が引き起こされ、がんや神経性疾患などにもオートファジーのプロセスが関わっているとのこと。

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  • おめでとうございます (スコア:5, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2016年10月04日 11時20分 (#3090971)

    20年前の科学への研究助成金がいま実を結びましたね。
    で、今の科学への予算ってどうなんですか。20年前と比べてどれだけ減ってるんですか?
    日本の誇りとか言って喜んでる場合じゃないでしょ?

    • by srad1234 (47392) on 2016年10月04日 12時55分 (#3091042)

      >20年前の科学への研究助成金がいま実を結びましたね。
      >で、今の科学への予算ってどうなんですか。

      大隅氏ご本人が科研費についての意見を去年発表しています。

      「科研費について思うこと」(大隅良典) [jsps.go.jp]

      ・以前は講座費という形で研究費があったので、科研費がなくとも最低限の研究を進めることができた。
      ・しかし、昨今の国立大学法人等に対する運営費交付金の削減と、予算の競争的資金化によって、大学や研究所の経常的な活動のための資金が極端に乏しくなってしまった。
      ・科研費等の競争的資金なしには研究を進めることは困難である。すなわち、補助金が補助金ではなくなり、「研究費」そのものになっている。
      ・はやりで研究費を獲得しやすい分野の研究者を採用する傾向が強まり、大学における研究のあるべき姿が見失われそうになっているように思える。
      ・新しい未知の課題に挑戦することが難しいという雰囲気をますます助長している。結果的に、次代の研究者はますます保守的になって新しいものを生み出せなくなってしまうのではないだろうか。
      ・以前学部や学科に配分されていた設備更新費などが撤廃され、大きな大学以外では機器類の更新が進まないというのが現状である。
      ・現在の科研費、とりわけ基盤研究の絶対額が不足しており、採択率がまだ圧倒的に低い。
      ・直ぐに企業化できることが役に立つと同義語の様に扱われる風潮があるが、何が将来本当に人類の役に立つかは長い歴史によって初めて検証されるものだという認識が、研究者の側にも求められていると思う。

      ノーベル賞の受賞によって、このような意見が影響力を持つようになると良いなぁ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2016年10月04日 13時38分 (#3091078)

      内閣府が出している資料によると、20年前は載ってないけれど15年前くらいからは載っています。

      15年前というと森内閣の頃で、科学技術振興関係予算は4.5兆円でした。
      資料にあるこの年から科学技術予算は減り続けて小泉内閣の平成17年度に4兆円ちょっとに。

      低支持率に喘ぐ麻生内閣が総選挙前に人気取りのために予算を乱発した平成21年の5兆円は異常値として除外すると、民主党政権の鳩山・管・野田内閣で科学技術振興関係予算は増え続けて、野田内閣の時にはとうとう15年間でピークの5.3兆円弱に。
      事業仕分けのイメージで、民主党政権では予算が削られているような勘違いをしがちですが、実は自民党政権下で減り続ける科学技術振興予算は民主党政権になったころには増額されていました。

      そして安倍内閣が誕生した後に作られた平成25年以降は確実に予算が減り続け、平成28年度概算要求では3.9兆円半ばに。
      第一次安倍内閣を含む、過去の自民党政権と比べても減少が極端です。

      ノーベル賞受賞で浮かれている日本の現実はそういう状態です。
      過去の貯金が底をついて、こういう科学の賞を全く得られなくなる科学技術後進国に陥るのもそう遠くはないでしょう。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2016年10月04日 14時38分 (#3091131)

        麻生内閣を人気取りと言っているのに、民主党政権はそうじゃないかのように言ったのはなんで?
        で内閣府の資料ってのはこれ?
        平成28年度科学技術関係予算概算要求について - sanko1_1.pdf [cao.go.jp]
        グラフ見ると5ヵ年計画で第*期ごとで予算規模決めてるみたいだけど、平成23〜27年の第4期は民主党政権も入ってるよね。計画の初めに予算使い過ぎたから、後半の安倍政権で縮小せざるをえなかったとも考えられるんじゃない?

        > 平成28年度概算要求では3.9兆円半ばに
        過去のデータと概算要求を比較の仕方が分からないけど、3.9兆円ってのは補正予算とか地方公共団体分が入ってないよね?グラフの色で同じ部分だけ比較すると3.9兆円ってのは平成13年度以降では最大規模に見えるけど。

        ちょっとそっちの数値の取り扱いに疑問があるんだけど…。現状分析、それで大丈夫?

        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2016年10月04日 16時09分 (#3091198)

          > 麻生内閣を人気取りと言っているのに、民主党政権はそうじゃないかのように言ったのはなんで?

          それは、民主政権下の場合、支持率に関係なく予算額は継続して増額していたからです。

          麻生政権末期の時は科学技術関係予算に限らず、総選挙前にだけ国債を乱発して全体の予算を増額していたのは良く知られている事実ですよね。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            ではここで歴代内閣支持率を振り返ってみましょう。
            図録▽歴代内閣の内閣支持率推移 [ttcn.ne.jp]
            ソースが一つだけというのもなんなのでその他にも。
            政治意識月例調査 - 2010年 | NHK放送文化研究所 [nhk.or.jp]
            [Part1]安倍政権が払う「細心の注意」 -- 政治と世論 -- 朝日新聞GLOBE [asahi.com]

            麻生政権も民主党政権(鳩山、管、野田)もどちらも支持率は急落して、政権末期には20%前後になっています。これで民主党政権下では支持率に関係なく、というのは無理があるでしょう。内閣はともかく民主党政権延命のためだったという可能

            • by Anonymous Coward

              ははあ。なるほど。

              安倍政権はやっている政策は酷いものばかりなのに支持率が高いのは変だと思っていましたが、逆に支持率が高いから酷い政策をやってるわけですね。
              これ以上安倍総理が国民のお金を世界中にばらまいて廻るのを止めさせ、その分科学技術振興予算増額してもらい、教育コスト負担軽減を実現するために支持率を落とさないといけないね。

              • by Anonymous Coward

                ちょっとなに言ってる理解できないけど、政策が酷いと思ってる人は不支持に回るし、政策を評価してる人は支持に回るでしょう。まぁ政策だけが支持率につながるわけでもないけど。

        • by Anonymous Coward

          > 麻生内閣を人気取りと言っているのに、民主党政権はそうじゃないかのように言ったのはなんで?
           
          いい指摘だ。

    • by Anonymous Coward

      20年前にはこんな感じだったんだけどね
      http://www.iwanami.co.jp/kagaku/KaKa9706.html [iwanami.co.jp]

  • by NOBAX (21937) on 2016年10月04日 11時24分 (#3090972)
    当たり
    週刊現代 [ismedia.jp]
    メルトレ [merutore.com]

    はずれ
    日本科学未来館 [blogos.com]
    トムソン・ロイター [thomsonreuters.jp]
    日本人のノーベル賞 [nobeljapan.com]
  • by simon (1336) on 2016年10月05日 4時07分 (#3091550)

    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717251000.html [nhk.or.jp]
    『首相「受賞は日本人の誇り」 独創的な研究支援する考え』

    まあ首相がナニを誇りに思うのも勝手ですが

    鶴保科学技術担当大臣は、会見で、「今後、優れた人材の育成や確保、基礎研究の推進に向けた大学などの改革、さらには研究成果の社会への展開の促進などについて、関係府省をリードして進めていきたい。どのような研究や環境が最もノーベル賞に結びついているか検証し、問題点を洗い出す。過去の論文の引用本数などを踏まえて検証したい」と述べました。

    ですって。
    大隅教授の言ってることとまるで逆じゃないですか。「どのような研究がノーベル賞に結びついているか」なんてことを考えてノーベル賞取れるわけないじゃないですか。

    「人類の知的財産が増すことは、人類の未来の可能性を増す」と基礎研究の大切さを提唱してるのが大隅教授なのにね。

    • by Anonymous Coward

      > 大隅教授の言ってることとまるで逆じゃないですか。
      具体的に、大隅教授の発言のどの部分と逆だと思いました?

      • by Anonymous Coward

        真逆ってわけじゃないケド、基礎研究の目的はノーベル賞ではない以上、
        この大臣が同じ意見を述べているってわけじゃないだろ

        むしろ反対方向っていうのはあってると思うよ。
        評価軸が実用か(さらに雲をつかむような)ノーベル賞かって違いなだけで

    • by Anonymous Coward

      今後のノーベル賞獲得に向けて

      なんて誰も言ってないぞ?

  • by Anonymous Coward on 2016年10月04日 11時15分 (#3090965)

    いつもながら受賞者の人柄を伝える報道が多いが、この研究のどこに受賞に至った科学的意義と社会的影響力の大きさがあるのかちゃんと伝えて欲しい

  • by Anonymous Coward on 2016年10月04日 12時22分 (#3091011)

    再放送はまだかな?
    去年の今頃オートファジー特集やってましたよね

    • by Anonymous Coward on 2016年10月04日 12時36分 (#3091025)

      ノーベル賞受賞者が出ることを見越してか、
      次回はマインドフルネスの再放送なので、オートファジー特集の再放送を割り込ませる可能性は十分に有ると思います。

      親コメント
  • by acountname (43053) on 2016年10月04日 13時39分 (#3091080) 日記

    Wikipediaによればautoが自分で、自発的に、という意味でphagyが食べることを意味するらしい。
    ときに食細胞はマクロファージ、バクテリアに食いつくやつはバクテリオファージと記述される。この場合は phage らしいが。

    さて、どの発音で読む?
      オートファジー
      オートファージ
      オートファージー

  • by Anonymous Coward on 2016年10月04日 11時53分 (#3090987)

    よくもこんな複雑なシーケンスを実行するものだと感心する 下手すると自分自身が消えていくかもしれないのに
    この仕組むはどうやって獲得したのだろうか? 偶然混入した細胞がたまたまうまく生き延びたのだろうか

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※ただしPHPを除く -- あるAdmin

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