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サイエンス

「金属水素」、ハーバード大学がついに作製成功 68

ストーリー by hylom
エネルギー革命を起こせるか 部門より
acountname 曰く、

ハーバード大学の研究者らが、金属水素の作製に成功したと発表した(Science誌掲載論文ハーバード大学の発表Phys.orgGIGAZINE)。

水素は周期表の上ではアルカリ金属が含まれる第1族に属しており、高圧をかけると金属化するだろうという予想は昔からされていたものの、これまで誰も作製に成功していなかった。今回ハーバード大学のD. Cabot教授らのチームは495GPaという超高圧をダイヤモンドアンビルセル(高圧力を印加する装置)間に掛けることで気体分子状水素を圧縮し、原子状の金属化水素を生成した。アンビルセルの作り方もかなり工夫されており、高圧の水素がダイヤに浸み込んで脆弱にならないようにアルミを挟むなど手間を掛けている。

超高温・高圧で作ったダイヤモンドが常温でもその性質を保つように、金属水素もまた、常温で安定である可能性が高い。また常温超伝導体である可能性も示唆されている。金属水素を燃料として扱うなら、たとえばこれまでのロケットの燃焼時間が450秒だったものを一気に1700秒に引き上げられ、惑星間探査が格段に楽になる可能性がある。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • https://srad.jp/~phason/journal/542162/ [srad.jp]

    もうちょっと大きかった、ということかな?

    --
    M-FalconSky (暑いか寒い)
  • by SteppingWind (2654) on 2017年01月28日 22時57分 (#3151895)

    従来の液体水素の450秒を1700秒に, っていうのはまあ間違ってはいないんですけど, ロケット工学的には比推力 [wikipedia.org]と言ったほうが良いでしょう.

    450秒というのは液水液酸ロケットの場合の値で, この値は化学反応ロケットの場合は燃料/推進剤の単位重量あたりの発生エネルギが大きいほど大きくなるのですが, 通常の酸素燃焼の3倍以上の反応エネルギを絞り出すのか, あるいはリチウムあたりと反応させて軽量な推進剤で噴射速度を稼ぐのか, そのあたりの仕組みはちょっと分からないですね.

    • by Anonymous Coward on 2017年01月30日 22時18分 (#3152784)

      450秒というのは液水液酸ロケットの場合の値で, この値は化学反応ロケットの場合は燃料/推進剤の単位重量あたりの発生エネルギが大きいほど大きくなるのですが, 通常の酸素燃焼の3倍以上の反応エネルギを絞り出すのか, あるいはリチウムあたりと反応させて軽量な推進剤で噴射速度を稼ぐのか, そのあたりの仕組みはちょっと分からないですね.

      私もどんな仕組みなのか興味ありますね。仕組みは分かりませんが、高比推力の理由がどうやら燃料が金属水素のみのところにあるようです。

      通常の水素と酸素の燃料の場合、完全に反応させると大体16MJ/kgのエネルギーが発生しますが、比推力を上げる為に水素過多(つまり未燃焼の水素がある)にするので、およそ10MJ/kgだそうです。(比推力は温度の平方根に比例し平均分子量の平方根に反比例するので、エネルギーを下げる→温度が下がるのと分子量を小さくするのとを(他にもタンクの重さとか色々)トレードオフして混合比を考慮します。)

      水素の金属状態である準安定状態から通常の水素分子になると216MJ/kg(でかい!)のエネルギーが発生するそうです。(どうやって反応させるのかは分かりませんが…どうやるんでしょうね…)燃焼室の耐熱を無視すれば、高温かつ低平均分子量(ほぼ100%水素。また、高温により一部の分子が解離状態になるので更に軽くなる。)から高比推力が期待できます。どうやら燃焼室が100気圧、7000K(水素分子の半分程度が解離状態)のときで1700secになるそうな。

      燃焼室の耐熱を考慮して今までのロケットエンジンと同じ程度の温度にしたとしても、1000secを少し超えるくらいのエンジンができるそうな(そりゃ水素だけで分子量が小さいから当たり前だけど)。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        反応というか加熱して昇華させてやればいいだけでは
        発想としては液体水素を加熱して噴射する太陽熱推進や熱核推進の同類で比推力が約2倍と

      • by Anonymous Coward

        金属水素→気体水素は相変化であって化学反応ではないでしょう。よくわかりませんけど、変化させるには減圧するだけで十分じゃないですかね。

        • by Anonymous Coward on 2017年01月31日 9時32分 (#3152964)

          3態+プラズマみたいな考え方だとそうなんだけど、ここで言ってるのはむしろ同素体ですね。水素分子やヘリウムは絶対零度ギリギリまで冷やしても液体までしかいかない。炭素原子を冷やしても黒鉛になるだけで、ダイヤモンドにはならない。

          だから、金属水素が「安定的」なら化学反応は必須だと思いますよ。そのための酸素で、活性化エネルギーを燃焼で稼いで、あとは自発的にって話でしょう。

          親コメント
  • https://www.scientificamerican.com/article/doubts-cloud-claims-of-meta... [scientificamerican.com]

    要するに、信じられん、もっと精密に測定し直すべきだ! と。

  • by acountname (43053) on 2017年01月31日 10時11分 (#3152995) 日記

    アルミナと書くつもりだったのにアルミにしてた
    ごめんなさい

  • by Anonymous Coward on 2017年01月28日 21時20分 (#3151866)

    水素社会きちゃう?

    • by bigface (47795) on 2017年01月28日 21時43分 (#3151873) 日記
      燃料電池車に使うには高価すぎる?
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        炭の代わりにダイヤモンドを燃やそうって類の話ですから。
        木星から採取でもできないかぎり、厳しいでしょうね。

        • by bigface (47795) on 2017年01月28日 22時27分 (#3151886) 日記
          人工ダイヤモンドくらい安価になるか、燃料電池車がデロリアンくらいに進化したらいけるかな?
          ジュース入りの缶を燃料タンクに放り込むシーンがあった気がする。
          親コメント
          • by Anonymous Coward on 2017年01月30日 21時21分 (#3152741)

            ダイリチウム結晶が入手できないと難しいのでは。
            #バサードコレクタはともかく、ワープコアもまだじゃないか。

            親コメント
          • by Anonymous Coward

            あれ燃料電池でしたっけ?極めて安定した物質でも問題なく核分裂か核融合させられる装置とか言ってた気がしますが。どっちだったかは忘れました。

            • by Anonymous Coward

              Mr. Fusion
              日本語にしたら、融合君だなっ!と
              ひとりごちていたK君元気かな

              • by Anonymous Coward
                なんだか勇気で補えそうな気がする
          • by Anonymous Coward

            ダイヤモンドを蒸気機関車にくべて走る話は
            なんだっけかな

        • by Anonymous Coward

          木星の中心部から採取できるような技術があるなら余裕で地上で作れると思うんですが

          • by Anonymous Coward

            作れることは作れるだろうが、天然モノを採取するのとどっちが高くつくのかが問題。
            まあ、さすがに木星まで行って運んで帰ってくるコストより高くつくとは考えづらいが。

            • by Anonymous Coward

              1mg生成すればいいなら地上で作ればいいですが、燃料電池車に使うとなると既存の水素分子とのコスト競争があるわけで。
              それを達成するにはどちらが近道か、簡単には判断できないと思います。

            • by Anonymous Coward

              必要な採取容器が必要な圧力に耐えられるのなら、その空バケツを遥々持って行かんでも、中身も地上で作ってその容器に詰めればよろしいのだ。

          • by Anonymous Coward

            難しいことの例えとして、木星からの採取を挙げてるだけですので。
            炭の代わりにダイヤモンドを燃やすが如く、水素分子の代わりに金属水素を燃料に使うには、
            そのぐらいの事を成し遂げられるような文明でないと無理だと思いますよ。

          • by Anonymous Coward

            いっその事木星に移住して、金属水素社会を築いてはどうだろうか

        • by Anonymous Coward

          きっと、種金属水素を水素にさらすとどんどんくっついて大きく育つんだ。

      • by Anonymous Coward

        500GPaなんて超高圧はダイアモンドアンビルの先端の微小空間でしか発生させることができないので、量産とか到底無理な話。

    • by Anonymous Coward

      ギガパスカル金属水素石けんならできるかも

    • by Anonymous Coward

      周期表で真下に位置するリチウムは電池として使われてることですし、
      水素も金属化できれば、さらに軽く高容量な電池としての用途があり得るかも。

    • by Anonymous Coward

      > 水素社会きちゃう?

      きちゃいます。
      さあさ皆さん、とっとと水素水買いましょう(by 伊藤園)

  • by AnamesonCraft (46460) on 2017年01月31日 0時07分 (#3152836) 日記

    うろ覚えで悪いんだけど、金属水素って引張強度がめちゃくちゃでかいんで軌道エレベータを地球上はおろか木星にだって作れるらしいのな。

    まあ……。10万キロとか百万キロとかの金属水素のなっがいケーブルを作る方法はさっぱりわからない(人類が使い慣れた鉄ですらヤバい)けど、軌道エレベータを確実に作れる材料を少量とは言え作る事ができたってのは、全く作れなかったこれまでより大きな飛躍かと。

    • by Anonymous Coward


      超電導とか
      超流動とか
      強力な爆薬になるとか
      そういう説はよく聞くけど…
      物性もアルカリ金属に近いと思うんだけど…

      • by Anonymous Coward

        少なくとも普通のアルカリ金属のように水と激しく反応することはなかろう。
        水とはすでに水素と反応してしまった酸素だからなw

        • by Anonymous Coward

          水素含有量の高い水素水を作る唯一の方法だったりして

      • by Anonymous Coward

        K殻が最外殻電子であることを考えると、アルカリ金属であると同時にハロゲンでもあるんじゃないですか。沃素なんかは常温常圧で液体ですが、固化すると金属光沢出ますし。

  • by Anonymous Coward on 2017年01月31日 1時02分 (#3152862)

    出来た金属水素の体積がどれくらいで、1気圧に戻すとどれくらいの体積の水素ガスになるんだろう?

    圧力を掛ければいくらでも縮む気体をアンビルセルで圧縮するのって難しいと思うけど
    液体水素からでも始めたんだろうか

  • by Anonymous Coward on 2017年01月30日 20時49分 (#3152719)

    金属炭素かな?

  • by Anonymous Coward on 2017年01月30日 21時11分 (#3152730)

    核融合のペレットに使えますか?

  • by Anonymous Coward on 2017年01月30日 21時52分 (#3152764)

    このカップに水をくめば水素が溶出して(ry
    #普通にこっち系の話だと思って開いた

  • by Anonymous Coward on 2017年01月30日 22時15分 (#3152780)

    水素水はもう古いのですね、明日からは...

    水素金属を丁寧に含有した、ネックレス、ブレスレット、etc...
    であなたの健康は増進します!

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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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