新石器時代以降の食物の変化が音声言語を変化させたという研究結果 34
出歯 部門より
自然言語の音声には「a」や「m」といった幅広い言語で共通してみられるものもあれば、南部アフリカ言語の一部でみられる吸着音のように出現頻度の低いものもある。このような違いは生物学的な制約による発音のしやすさや聞き取りやすさ、習得しやすさが影響し、人種レベルで異なるとみられている。
言語学者のチャールズ・ホケットは1985年、人類が柔らかいものを食べるようになって上の歯が下の歯に覆いかぶさるような咬み合わせに変化したことで、上の歯と下唇を付けて発音する「f」や「v」のような唇歯音が出現したという説を提唱した。今回の研究では古人類学と音声科学、歴史的言語学に進化生物学の手法を組み合わせ、この説を支持する証拠を提示している。