「水と二酸化炭素から炭化水素燃料を効率的に生成する方法」が発表される 46
ストーリー by hylom
真偽の程は 部門より
真偽の程は 部門より
京都大学名誉教授/立命館大学総合理工学院・生命科学部 生物工学科教授の今中忠行教授らの研究グループが、「水と二酸化炭素から炭化水素燃料を効率的に生成する方法」を開発したと発表した(朝日放送・関西ニュースのGoogleキャッシュ、Togetterまとめ、論文)。
論文概要には、「普通の気温と圧力」で「石油」を作ると書かれている。また、朝日放送では「水と石油を混ぜ合せた物質に炭酸ガスを含ませる手法により、水分が減少し、石油の分量が増えた」とも書かれている。
証拠 (スコア:3, 興味深い)
論文読んでないけど、Togetterを見ると、
「合成された証拠が「体積が増えた」しかない。合成式も書かれているが、それが実際に起こっているという証拠は何一つ提示されていない。」
というツッコミがされてます。
タイトルの時点でまず怪しいのに、内容もいきなりダメな感じ。
Re:証拠 (スコア:3, 参考になる)
さらっと読んできた。ChemLettだったんですね。
後にフルペーパーで出して詳細に書かれるでしょう。
合成された証拠、かどうかは分かりませんが体積以外にも沢山の指標での変化を調べています。
でも、誤差関連書いてないし実験一回しかやってないのかと疑ってしまう。(見落としてたらすまん)
abstractには体積と書いてあったので体積しか見てなかったという誤解を生じていますね。
成分分析?にはクロマトをしているみたいですが、この結果が
事実上情報としては画像だけしか無い(あるにはあるが)
専門家じゃないから分からないがスペクトル解析くらいできへんのかね?
Re:証拠 (スコア:1)
オイルの組成が炭素鎖長の異なる飽和炭化水素の混合物なので、論文にあるガスクロマトと
Tableに載せているような温度変化の部分くらいしか比べようはないかと。
まぁ、差は見られなかったと述べていますが。
Re: (スコア:0)
国内誌しかもletter(chemical letter)への投稿と言っても、
ガスクロマトグラフィーのデータだけってのは確かに分からない
上にあるように、何らかのスペクトルを測定しても時間はほとんどかからないのに
(どの手法が有効なのかまでは分からないので、私のこの意見はいい加減かもしれない)
前後で分子量分布が変わらないって結果もちょっと怖い
(新しくアルカン鎖ができてたなら、直感的には変わってそう)
ただし、夢のある話なので応援はしたい 間違いなく新しくアルカン鎖が増えてるって
証拠が見つかる様に期待しています
(しっかりした続報があれば喜んでお祝いしたいし、なければ何かの勘違いがあったんだろう)
Re:証拠 (スコア:1)
Figure 4.みるとポリ容器っぽいのが4つ見えるよね
n=1ってことは無いんだろうけど・・・n=2だったらどうしようか・・・
それ以前に"kerosene or light oil"って灯油と軽油それぞれやったのかと思ったら"kerosene or light oil(2.5 L)"とか書いてあってこれが単独の物質なんよね?
各種JIS分析値は書いてあるけどどんな製品かとか一切無くてこれで追試できんの・・・?
活性水関連の化学式のとこは"may"が連発されてて根拠ないわ
そもそも"nano-bubble"って直接測定できないから「ナノメーターサイズの泡」なのかどうかも本当は分かってなくてISO規格提案ではより広く解釈しうる"ultra fine bubble"にしようってことになったはずだけどためらいなくナノバブルと言っちゃうのはどうなのとか
工学部化学系卒として嫌な予感しかしない
Re:証拠 (スコア:2, 興味深い)
アブストラクトを見ると、触媒反応で油分が5%~10%増えたとあるから、体積が増えたのが立派な証拠
触媒にTiO2使って、紫外線照射までして(結構なエネルギー使って)5%~10%増だから、トンデモ研究の部類では無い
Re:証拠 (スコア:3, 興味深い)
常温常圧非触媒で副生成物のないフィッシャー・トロプシュ法とかそんだけで革命レベルだと思うんだよ
(TiO2は光触媒で油の合成(とされる)反応には関わらない、「活性水」とCO2および油の反応は非触媒)
そんなすごい反応がモノタロウで600円ちょっとで買えそうなポリプロピレン手付ビーカーっぽい容器で起きているとする写真が載ってて
ちょっとこう・・・もう少し条件変えてみてからでもよかったのでは・・・とこちらが不安になるんだよ
Re:証拠 (スコア:1)
Re:証拠 (スコア:1)
Re: (スコア:0)
方法それじたいは証拠ではない。
内容はともかくとして 体積が増えたのが立派な証拠 だけに反論しておく、
水を氷にして体積が増えれば、水が増えたとでもいうつもりかね?
物質量が増えることと体積が増えることは必ずしも対応するわけではないのだよ?
Re:証拠 (スコア:1)
同じく読んでないけど、
体積が増えただけでアクセプトされるはずは無いと思うのだが、
別の根拠書いてるのでは
それともザル査読だったのか。
Re: (スコア:0)
STAP細胞だってNatureにアクセプトされたんだし査読に夢見過ぎでは
Re:証拠 (スコア:1)
発表での「水分が減少した」って聞いた時点で、小学校の理科研究かよと思った。
定量的に分析してないのか??
まるで、ドレッシングを振ったら酢が減りました! 油が増えた証拠です!
とでも言われてるみたいな気分がした…。
紫外線当てて微細な酸素泡を使ってる所から何か新しい現象起きてるのかな、という気はしたけれども、生成物の科学的分析ができていない時点で何の意味も無いんじゃねーのと。
ホントに科学者なのかな…。
おぼさま (スコア:2)
真っ先に思い出した。
石油はありまーす。
この結果自体は…ありうる話なんだけど (スコア:2)
これって要するに、石油成分に含まれる物質と水と炭酸ガスを使って、
油層に転移することができ、1割、石油の量を増やすことができる技術
というだけで、無限に石油を増やせる技術ではないと思うんだけど
確か既存の技術で、石油から分留したガスを水や炭酸ガスと反応させて
一酸化炭素と天然ガスを回収できるってのを昔見た気がするので、それの延長じゃないかなと思った。
ひとつ気になったのは
>研究チームの説明によるとまず、水の中にナノバブルと呼ばれる、非常に細かい泡状の酸素を送り込み、そこに紫外線を当てます。すると、一酸化炭素と水素が発生し化学反応が起こりやすい状態になります。
H2O + O2 + 紫外線 → H2 + CO !
で炭素が何もない所から湧いてる点をだれもつっこまないこと
http://thyrving.livedoor.biz/archives/4947385.html [livedoor.biz]
Re: (スコア:0)
実際に元論文にあるのは
reaction 1) 2CO2 ←→ 2CO + O2
reaction 2) CO + H2O ←→ CO2 + H2
とその総体
reaction 3) CO2 + H2O ←→ CO + H2 + O2
だけよ
で、これって reactive oxygen species があるだけで起こるの? そもそも常温でのこれらのGibbs自由エネルギー変化ってどうなってましたっけ? というのは別のお話
こいつをみてくれ、こいつをどう思う? (スコア:1)
すごく、胡散臭いです……
どんな触媒効果があったにせよ、常温常圧で水と二酸化炭素がより不安定な状態への化学変化を起こすとは考えにくいです。
どちらもあまりにも化学的に安定しすぎてる。
各国団体がこぞって追試するでしょうから、それを待ってからで。
Re:こいつをみてくれ、こいつをどう思う? (スコア:1)
最初にこれ聞いた時は、
「違うよ、高分子炭化水素を分解して低分子炭化水素を多く作る反応だよ」という説明した人がいてそれはそれで納得したけど、
つまるところそういう反応が起きてるなら簡単に成分分析できるのにそれをしてないことが問題で。
体積増えたて。
Re:こいつをみてくれ、こいつをどう思う? (スコア:2, 参考になる)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%A2%E3%... [wikipedia.org]
今中先生はこれの発見者で、そういう反応がこの世に存在することは認知されてるんじゃないかな
ところで俺のコーヒーは一杯10円なんだがよ、wikipediaには1000年分寄付したことになるから今後一切しない
Re:こいつをみてくれ、こいつをどう思う? (スコア:1)
オレモオナジス・ダカラネホントス
# 新手のオレオレさ…
Re: (スコア:0)
>高分子炭化水素を分解して低分子炭化水素を多く作る反応だよ
それって、燃料をして使用する時の総熱量って変わってくるの?
Re: (スコア:0)
なんか、紫外線を当てたとか書いてあったから、あるとしたら「低コストな人工光合成方法を発見」なのかなと。
でもまあ、もしそういう穏当な発見でも、記者に適当に記事を書かせると「永久機関を発見したと称するまたもやおっさん登場」としか
読めない記事にされちゃうのはよくよく分かってるはずで、まともな研究だったら、その辺、慎重に発表するんじゃないかなぁ、と疑いたくなる。
Re: (スコア:0)
でもこのおっさんもとい教授は、
菌類で石油合成(光合成じゃないけど)することを研究してる人なのですよ。本業はバイオ。
その上で、菌類とか藻類と言ったワードを出さずに、
「水と二酸化炭素から炭化水素燃料を効率的に生成する方法」
をどういう経緯で出したのかがわからないんだよね。
Re: (スコア:0)
細菌内で常温で「水と二酸化炭素から炭化水素」が生成されているので、そのメカニズムを調べたってことでは?
「燃料を効率的に生成」はまだまだ先の話でしょ。
Re: (スコア:0)
そういう話であれば、もうすこしメカニズム寄りの発表になりそう。
3円分の電力で100円分相当の石油が、とか、ずいぶんとオモシロいことが書かれてたし。
Re: (スコア:0)
> としか読めない記事にされちゃうのはよくよく分かってるはずで、
わかってるんだったら取材を受けたらマスゴミに騙された! って憤るバカが毎年毎年現れるわけないじゃん。マスゴミのソース捏造っぷり世間の認知度はあなたが思っているよりずっと低いよ。
Re: (スコア:0)
私も専門じゃないし、本文読んでないしからあれだけど、見聞きする感じでは、実験としては雑っぽいというか、それいるの?的な要素あったり、先行研究とか調べたんだろうか?って感じだけど、専門じゃないらしいし、駄論文っぽい気もするけど、現象としては起きなくはないみたいだよ。ただ、この実験で有意なデータが本当に取れてるのかどうかはわかんないけど。
ポイントはTiO2かなと。光触媒活性あって紫外線当てるとラジカル作ってる可能性が十分あるんで。
大体は水や酸素からO-やOH-とかが出来て酸化側の話が多いけど、還元側も起きる可能性は十分あるんで。
とりあえずググっただけでもこんなのあったし。
Re:こいつをみてくれ、こいつをどう思う? (スコア:1)
なぜ専門でない人が論文も読まずに他人を専門でないといって叩けるのだろう
Re: (スコア:0)
経歴とかTogetterまとめによると、専門は微生物関係らしいけど、論文は微生物の微の字もないとか。
で、叩いたんじゃなく擁護なんだけど。
専門外なら先行研究とか詳しくなくてあたりまえじゃん?っていう。
まあ、もうちょっと従来に比べて効率何倍とかそういう定量的なのをメインに打ち出せればよかったと思うけど。
海軍水ガソリン事件かよ! (スコア:1)
Re:海軍水ガソリン事件かよ! (スコア:2)
水ガソリンですよね。山本五十六も巻き込まれたんでしたっけ...
松根油も大概だが...
Re: (スコア:0)
# 勤務先が関連企業なので絶対AC。
Re:海軍水ガソリン事件かよ! (スコア:2)
一緒にしてないですよ。径1mの大釜二つで二日で5リットルの「軽油」が生産できたそうですね(松根の乾溜 [harima.co.jp])。大概と書いたのは、事情は違うけれども、あまりにも効率が悪くて、馬鹿馬鹿しい点では五十歩百歩だと思ったからです。
付け加えると、当事者が真面目に取り組んだのも、ほぼ変わらんでしょう。水ガソリンの詐欺師だって、オボカタタイプ(おそらく本気)だったのかなと。
余談だけど、農作物(サトウキビか廃糖蜜)から発酵でアルコール(正確にはブタノール)を生産したのは(→小松真一)、そういった悪い印象は全くない。
Re: (スコア:0)
馬鹿馬鹿しいという点では同意します。ただ、松根油はテレピン油の一種であって、軽油ではありません。引用元は動員された田舎のおじさんのようですし、分かっていなかったんでしょう。松脂の採取跡を松根油関連と勘違いする「歴史の語り部」もよくいます。
水ガソリンの詐欺師については、軍幹部の前での「実演」にあたって詐欺師が持ち込んだボトルに番号を振って見破ったくらいですから、騙す気しかなかったと思われます。少なくともその場ではすり替える意図があった、つまりできないことが分かっていたわけですから。五十歩百歩というのは「定性的には差がなく定量的な差には意味がない」ってことですが、「(馬鹿馬鹿しいほど低収率で)油ができた」と「完全な詐欺」とは定性的に違うとは思いませんか?
いずれにせよ、戦争になると賢いはずの人が正気でなくなるのだけは、確かなようです。
検証した人がいたのでリンク (スコア:1)
『炭酸ガスと水で石油合成』 3円で100円のエネルギー?:論文を読もう(補足と検討)
http://ryo-kida.blog.jp/archives/45590472.html [ryo-kida.blog.jp]
これが正しいとすると、この発表は石油を作れる方法という意味でなく、
「効率的(ただしエネルギー収支はマイナス)にCO2を固定する方法」
ということになる。
それはそれでアリなんじゃないかな。
Re:検証した人がいたのでリンク (スコア:1)
まあ、紫外線をあてて二酸化炭素を固定する反応なら光合成なわけだし、紫外線を日光からとってこれるなら(エネルギー収支はマイナスだとしても)効率次第では新エネルギーとしても可能性アリなんでないでしょうか。
太陽電池と違って、できた油を保管しておけるわけだし。
Re: (スコア:0)
そういうことですね。
収支でプラスになる反応が自然に起きると言うと永久機関ぽくて胡散臭いけど、
紫外線あててそのエネルギーで石油を合成するということなら、納得できる。
その上、CO2排出削減に利用することも可能(その後燃やすならプラマイゼロだけど)。
いいことすぎて、やっぱり胡散臭さは抜けないけど。
地球の営み (スコア:1)
植物「知ってた」
もしこれが嘘なら (スコア:0)
誰が得するのだろうか?
# 石油関係株が下がることでも狙っていた?
# 無理がありすぎるw
Re: (スコア:0)
世の中にはトンデモを真実だと思い込んで発表する人はごまんといます。
何年か前にも水面から深海にパイプ通してエネルギーを作れると発表した
工学部の教授が話題になりました。 典型的な永久機関でしたが。
Re: (スコア:0)
そういうのは間違いであって嘘とは言わない。
Re: (スコア:0)
「水だけで自動車が走る」とか言って、権利を売り逃げした会社みたいなのを「騙した」って言うのだよね。
石油はそんなに特別じゃない (スコア:0)
今回の手法が正しいかどうかは分からないけど、石油を合成するのはそんなに難しい事じゃない。
そんなに難しい物ならそもそも地球上に存在しない。
高温高圧が必要でコストが高かったり、常温常圧で効率が良くても工業的にスケールしない手法だったりするのが問題。
今は採算ラインがすでに存在しているものを取ってきただけの石油に勝たなきゃいけないので、かなり難しい。
それに石油枯渇後に採算ラインが高騰すると、その他のエネルギー源とも勝負しなきゃいけなくなる。
ただ、石油の場合は化学利用の方とコストを分け合えるので、その分有利かもしれない。
研究の真贋は判定できないが (スコア:0)
ふと思ったことが一つ。
上の記事では 前略~今中忠行教授らの研究グループ~後略、と教授ではなく教授"ら"になっていますよね?
今中忠行教授の研究グループと言う表現ではなく。
グループに他に教授と同じくらいの立場の人がいるのであれば、"ら"がついていても自然だと思えますが、そうではないのであれば、記事執筆者の胡散臭いという感情が"ら"を付けさせ、まるで犯罪者の様な表現になってしまった様にも見えます。
Re: (スコア:0)
> 今中忠行教授らの研究グループ
これ、「ら」ではなく、「の」が余分なんじゃないでしょうか。
> 今中忠行教授ら研究グループ
ほら普通の表現になった
教授の私物じゃないですからね研究グループ。
Re: (スコア:0)
普通に、「教授ら」は使うと思います