理研が表面ブロックパターン形成による色彩表現技術を開発 88
ストーリー by headless
色々 部門より
色々 部門より
coward-chan 曰く、
理化学研究所は26日、アルミ薄膜による座布団形状のナノ構造を持つメタマテリアルで、可視光全体をカバーする「色」の作成に成功したことを発表した(プレスリリース、 60秒でわかるプレスリリース、 朝日新聞デジタルの記事)。
塗装や材料物性による色彩ではなく、薄膜上に形成するブロックパターンの大きさや間隔の違いで吸収する波長を変化させて自由に色彩表現できる技術で、従来できなかった高彩度や黒も表現可能らしい。
元記事では塗装よりも軽量だというメリットに触れているが、タレこみ人としてはプレスリリースで触れられている映像関連への応用や曲面への適用のほか、母材の制限なども気になるところ。
黒は反射を抑えるのかな? (スコア:2)
アルミの上なので、もし可能になって安価になったらアルミ缶の印刷に使えるようになる、かな?
# リサイクル効率が良くなるかなぁ? インク/塗装の負担てどれくらいだろう
M-FalconSky (暑いか寒い)
Re:黒は反射を抑えるのかな? (スコア:1)
アルミだけで構成できるって書いてあるので、アルミ缶の印刷に応用したらリサイクルは簡単になりますね。
#でも、インクのコストと比べるとインクの方が良いのかな?どうなんだろ…。
Re:黒は反射を抑えるのかな? (スコア:2, 参考になる)
絶縁層をコーティングして、それに半導体製造に用いられるような技術を用いて微細構造を作った上、
真空蒸着装置にいれてアルミの薄膜をのせるという面倒な工程をとる。
だから色を発するのはアルミの部分だけだが、物にするときアルミだけで構成できるものでもない。
それに清涼飲料水のアルミ缶では、塗装の重さが軽いとか、日に褪せないという特徴もいらんだろう。
実用化するなら、塗装の代わりにこの方法で作られたフィルムを物に貼り付けるという形になるんじゃないだろうか。
塗装するものの表面に直接電子ビームリソグラフィーで微細構造を刻んで、真空蒸着器に入れてなんて非現実的すぎる。
最初に型を作る工程は高コストだけど、型ができたら量産するときはCD作るみたいな工程で出来そうだから、
初期費用はかかるが量産コストはそこそこ安くはなるかも。それでも、塗装よりは高コストだし、
凹凸部を形作る母材や表面保護が必要だから塗装より軽くという風にはならんのでは?
せいぜい日にあたっても色あせしないというメリットしかないように思う。
それも保護膜に使う素材によっては黄ばんできたりとかするかも。
看板や道路標識、建造物など、いつも日にさらされていて、しかも長年使い続けるようなものに使うのがいいのか。
しかしそういったものはそんなに量産されるものじゃないからなぁ。
Re:黒は反射を抑えるのかな? (スコア:1)
基本アルミ缶のリサイクルは融解するだけだったかな。
インクとかの不純物はその過程で燃えてしまって、
残りかすをカラミ(アルミだとドロスっていうんだっけか)として除去するので、
ドロスの発生量が減れば効率は良くなるんだろうけど、
ドロスの組成の大部分はアルミナ・窒化アルミ・金属アルミらしいので
寄与する部分は小さいかもね。
#内側のコーティングとか、飲み残しとかの異物もあるしね
Re: (スコア:0)
ナノ構造なので、上にコーティングが必要だろう。プレスリリースにもある通り表示器やセンサの
カラーフィルタには適しているんじゃないかな。半導体の層に直接形成してフィルムを省くんだろう。
Re: (スコア:0)
アルミなんで表面の酸化膜さえうまいこと生成できればコーティングは不要でしょう。
屋外で使うならあってもいいが利権が提示している用途なら管理が行き届いているでしょうし表面の保護は不要かも。
Re: (スコア:0)
光学機器の内壁塗装なら、すでに「お手軽に塗布できる史上もっとも黒い物質の液体塗料タイプ [karapaia.com]」ができてるからなぁ。
今回の方式は、「黒」といっても、特定波長を吸収する四角タイルを、大きさを変えて並べるという方式だから、
原理的にさほど高吸収率というわけにはいかないのではないか?空間的、波長的に「漏れ」ができてしまうように思うが。
Re:黒は反射を抑えるのかな? (スコア:1)
理研がプレスリリースで
アルミニウムの表面は空気中ですぐに酸化され、厚さ数nmの酸化アルミニウムの被膜ができるため、 [riken.jp]
アルミニウムはそれ以上腐食されません。すなわち、このメタマテリアルは比較的安定で、
化学的もしくは物理的に破壊されない限りメタマテリアルが呈する色は失われません。
って言ってるんだから、別におかしくもないんじゃないの?
Re:黒は反射を抑えるのかな? (スコア:1)
理研が応用例として何かと接触したりしない閉空間で用いる例しか挙げてないのはなぜだと思う?
構造色 (スコア:2)
以前、構造色に興味が湧いたときに検索してみたら、いろいろと技術開発が活発に進んでいる事を知りました。
「構造色 プリンター」 などで検索すると色々出てきます。
そういえば、ここの記事にもコメントにも構造色って呼び方は出てきていませんね。
何故でしょうね。
Re:構造色 (スコア:5, 参考になる)
構造色 [wikipedia.org]というのは、微細構造によって起きる光の反射の干渉という光学現象で色を作るものを指す。
今回のものは、反射の干渉ではなくアルミで作った微細な構造が、
アンテナが電波を吸収するように特定波長の可視光を吸収するという電磁気学的な現象を利用して
色を作っているもので、構造色とは原理が違う。
たしかに微細構造も仕組みに一役買っているが、導電体の材料で作らなければならないという
電磁気学的な原理を利用していることから来る制限もある。
プレスリリースを読めばわかるように、ポリマーで微細構造を作っただけでは「色」は出来ず、
その上にアルミ層を蒸着して初めて発色する。
安全保障技術研究推進制度 (スコア:1)
光学迷彩への応用があるから防衛省から研究資金出てるのか。
デュアルユース問題にはあまり詳しくないが、こういう研究内容では科研費を取りにくいとかあるのではないだろうか。科研費の規定にはデュアルユースの制限はなかったはずだけど、申請用紙に軍事応用の可能性については明記する欄があった。審査員も一研究者なので、軍事研究に反対する審査員は点数を下げることもありそう。
Re:安全保障技術研究推進制度 (スコア:1)
軍事予算を使って平和的な研究をするのはいいですね。
いかに軍事には使えないものを尤もらしく申請できるか知恵が入りそう。
Re:安全保障技術研究推進制度 (スコア:1)
そ、その…そのカレーの作り方は非常に知りたいwww
# 冷蔵庫に入れとくか冷凍すればいいんだけどなあ _(:3 」∠)_
Re:安全保障技術研究推進制度 (スコア:1)
全部食べるのならそれ以上作ればいいのです。
供給が需要を上回ればいいのです。
簡単なことです。われわれはかしこいので。
# そして余ったカレーが冷凍庫を圧迫する結末に
Re:安全保障技術研究推進制度 (スコア:1)
光学迷彩への道が一つできたという感じ。
もちろんこの成果だけで実現までは無理だけど
少なくとも道は通ったんだなー
Re:安全保障技術研究推進制度 (スコア:1)
どうやって実現するのかその方法は様々あるんだろうけど、少なくとも
自由に何かを表現できる今までとは違う別の方法を手に入れた事は大きいよ。
ナノマシンで表面構成を変化させれば見た目が変わるってことだからなー
んなナノマシンなんてSFじゃあるまいしー、なんて思っててもね、
君が生まれた頃、今の半導体のプロセスルールが量産で実現できるって
だれも思わなかったし、液晶がテレビになるなんてHAHAHAHA、寝言は
寝てから言え、あれって電卓に使う技術だろ?ってのが普通だったからね。
あと、光学迷彩ってハリポタにでてくるような隣に居ても判らないみたいな
スゴイものでなくても、監視衛星やグローバルホークとかのカメラを欺けるだけでも
かなり違うんだけどなー
Re:安全保障技術研究推進制度 (スコア:1)
実現するための道が一つしか無いわけじゃない
こういう別の道もできると示したことは大きい
結果が同じだが異なるアプローチでも実現できる道がみつかった
それを否定する理由ってどこにあるんだろう?
なんか新しい事出てきても、なんか理屈つけてこれはダメだっていうことに
どういう意味があるの?
Re:安全保障技術研究推進制度 (スコア:1)
あのね、何かを実現するのに、いくつか乗り越えなくてはならない問題があって、
その問題を解決するような方法が見つかったなら、「前進した」といえるわけ。
問題でないところでいくら他の方法が増えたところで、なんの助けにもならない。
必要な道はたった一つしかないの? 別のアプローチをまったく認めないその
頑な姿勢ってなんなんだろうなー いまぶつかってる壁を別の道から
解決されると困る人なの?
大体この技術が光学迷彩の実現にどう役に立つんだ?という質問にまともに答えられないのに、
なんでこれが「実現への別の道になる」と言えるんだ?
今回の、色彩を色素に頼らず表現する手法を具現化できた技術、
これが光学迷彩実現のブレークスルーとは私は言ってないんだけどね。
実現するために辿る道はできるだけ多ければ良い…そのためにもう一つ道ができた
それが当たりかどうかは判らないけど、手持ちのカードは多いほうがいいよね。
でも、それが前進の一つだとは思わないんならこの話はずっと平行線だよー
Re: (スコア:0)
こんな基礎研究で軍事応用の可能性を聞かれたら、ほぼすべて「はい」にならざるを得ないんじゃないか。
Re: (スコア:0)
厨房は光学迷彩大好きだなw
特定の波長の可視光吸収、反射できるという話なら、それをもっと波長の長い電磁波の方にまで応用すれば、
そのままステルス塗装技術になるからだよ。
Re:安全保障技術研究推進制度 (スコア:1)
表面プラズモン共鳴を原理としているので、長い波長にそのまま使えるわけではないですよね。
座布団 (スコア:1)
長方形にしたら方向によって色が変わるかな?
the.ACount
キラキラなのか色自体は普通なのか (スコア:0)
チョウの鱗粉とか
玉虫色とか
ああいうのの原理を調べる話がときどき記事になったりするけど
そういう流れの話だろうか?
紙幣のホログラム的なのに応用したりできるんだろうか?
あ、でもキラキラ光る話というよりか、普通の色を塗料とはまったく別の原理で発生させるという側面の方が大きい話なんだろうか。
そうなると色自体は別に普通だけど、物性的振る舞いの違いからうまれる応用製品とかができるのかな
Re:キラキラなのか色自体は普通なのか (スコア:1)
光の干渉色は光の波長程度サイズの光学的な素材を使うと作れますが、これは金属を使ってアンテナのような回路を作って電磁波の吸収を制御しています。金属が必要なので生物界で似た物を探すのは無理だと思います。
取り敢えずは、
> 普通の色を塗料とはまったく別の原理で発生させるという側面の方が大きい話
だと思います。
将来はディスプレイなどに応用される可能性はあると思います。
Re: (スコア:0)
ディスプレイに使うためには動的に変化させる必要があると思うんだが…。
プレスリリースにも書いてあるようだが、どうやってやるつもりなんだか。
Re: (スコア:0)
液晶の構造知ってる?
Re: (スコア:0)
よくわかりませんが、別スレで「液晶シャッターと組み合わせて」と言ってますが、
それができるなら普通のペンキとかでもできるはずでは。
Re: (スコア:0)
今は普通のペンキでやってるよね?????????????????????????????????????????
Re: (スコア:0)
反射型を?
今の液晶ってほぼバックライト型だと思ったが…。(時計とかのモノクロタイプを除く)
#まー確かに反射型なカラー液晶もあったっちゃあったが…すごくコントラスト低いやつ。STNだっけ?
Re: (スコア:0)
透過型ディスプレイに塗料を使わない宇宙から来たの?
Re: (スコア:0)
透過型ディスプレイに使ってるのは塗料じゃなくて色素ではなかろうかと思ったんですが
そんなことはむしろどうでもよくって。
このアルミ表面の色を変える技術で透過型が作れるんですか?
あとこのアルミで反射型を作るとして(塗料でも同じことだが)ネックになるのは反射材の技術じゃなくて液晶側の技術じゃなかろうかと。TFT以降なぜカラー液晶にバックライトが必須になっているかというと、光の透過率が非常に低いせいでは。そこのブレークスルーがないと反射材側でどんな変化があっても無理なのでは。
Re: (スコア:0)
逆の発想で行けばいいじゃんよ
モノクロ液晶なら今でもバックライトないんだし、モノクロ液晶で使われてるような応答速度や彩度を要求されないものなら、変わらない消費電力でカラー化できるやん?
Re: (スコア:0)
塗料に色が付いているのは色素のおかげだよとかどうでも良いツッコミをしてみる
Re:キラキラなのか色自体は普通なのか (スコア:1)
RGB(+?)のCF自体を薄膜表面形成でやっちゃうんすかね。
Re: (スコア:0)
応答速度はともかく
彩度が無いとカラー化の意味が薄いと思いますが。
今時、昔のSTN液晶の品質でドヤられても仕方が無いと思います。
Re: (スコア:0)
滲まないならね
Re: (スコア:0)
> 動的に変化させる
簡単ではないと思います。たとえ出来ても何年か先でしょうね。
マイクロマシン的な技術でサイズを変化させることになるか。
電気的に物性を変化させて、サイズの変化と等価な働きをさせるか。
単に薄くて軽い着色済みの板として、他のマイクロマシンを使ったディスプレイの部品として使うか。
旨い方法を思いついたら特許を取って置くとよいかも。
Re:キラキラなのか色自体は普通なのか (スコア:1)
"アルミニウムのナノ構造 色 カラーフィルタ"でググったら、2番めに出てきた。
http://www.nims.go.jp/news/press/2009/03/200903260/p200903260.pdf [nims.go.jp]
> 表面プラズモンを利用したフルカラーフィルタの開発に成功
> ガラス基板上に成膜した厚さ 150nm のアルミニウム薄膜に、電子線リソグラフィ法と反応性イオン
> エッチング法により光の波長の半分程度の周期的なホールアレイ(周期: 300~420nm、孔径: 150~210nm)
> を形成し、表面をシリコン酸化膜(SiO 2 )でカバーした。
普通に液晶やセンサーのカラーフィルタと置き換えで行けるやん。前からあったんだね。
Re:キラキラなのか色自体は普通なのか (スコア:1)
>普通に液晶やセンサーのカラーフィルタと置き換えで行けるやん。前からあったんだね。
そうそう、印刷してたCF(カラーフィルター)層をこの薄膜に置き換えるだけだよね。
少し前で揉めてる、液晶の応答速度やら構造やら関係なさそう。
もしこの薄膜で反射型カラーLCDを構成するなら、これの層を液晶の下に置くのかな。
Re:キラキラなのか色自体は普通なのか (スコア:1)
圧電素子で形を変えるんじゃない?
the.ACount
ディスプレイに使えますか? (スコア:0)
液晶シャッターとくみあわせて反射型ディスプレイとして使えますか?
Re: (スコア:0)
使えるだろうが、さほどメリットがあるとは思えない。1画素3原色方式であるかぎり、カラー反射型液晶は
「(反射光の2/3を捨てているから)白が暗い=コントラストが悪い」という欠点から逃れられない。
完璧な反射材があったとしても、白色表示時の反射率は33.3%を越えられないわけで、これは新聞紙より「暗い」。
Re:ディスプレイに使えますか? (スコア:1)
新聞紙自体が反射型ディスプレイじゃん。
the.ACount
Re:ディスプレイに使えますか? (スコア:1)
「画素」の定義によるが、新聞のカラー写真は網点なので、「一画素三原色方式」といえなくもないよう。
Re: (スコア:0)
無階調で銀面~白~RGB~RGB暗色の反射面を一発で作れるメリットはある
シャッターの開口さえどうにかなれば低消費電力で色域の広い反射ディスプレイ作れるかもしれない
Re: (スコア:0)
そう言う構造では、望みの色以外の部分はシャッターで覆われて黒くなっているのだから、
ますます暗いディスプレイになるだけだろう。
「黒色を表現する技術」 (スコア:0)
この研究は黒色を表現する技術で、防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に応募。 [asahi.com]
3年間で計9千万円の助成を受けているという。
防装庁、「黒」で何がやりたいんだw
Re:「黒色を表現する技術」 (スコア:1)
研究段階でそこまで吸収率が良いのなら
改良を重ねればいけるかもしれませんし、
あとは、その既にある塗料とやらのコスト差という話に。
# そういやあリンク先のって他国のベンチャー企業の話だよね?
関西ペイントやアサヒペンとかが開発してたというのなら話は分るけど
Re:新しい光電池にならないか? (スコア:2)
そっかー。残念。
というか、少なくとも表面プラズモンとしてエネルギーが蓄積されることはわかったから、それを取り出す方法を研究しましょうってことですね。