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バイオテック

2020年ノーベル化学賞はゲノム編集ツールを開発した2氏が受賞 19

ストーリー by nagazou
あの似顔絵って独特 部門より
headless 曰く、

2020年のノーベル化学賞はドイツ・マックスプランク感染生物学研究所のエマニュエル・シャルパンティエ氏(フランス出身)と米カリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・A・ダウドナ氏共同受賞した。授賞理由はゲノム編集手法の開発(プレスリリース一般向け情報詳細情報)。

シャルパンティエ氏は化膿レンサ球菌の研究をしていた際、これまで知られていなかった「tracrRNA」という分子を発見する。シャルパンティエ氏の論文はtracrRNAが細菌の自然免疫システム「CRISPR/Cas」の一部であり、DNAを切断することでウイルスを無力化するCas9タンパク質の機能を決定付けることを示した。この論文を発表した2011年、シャルパンティエ氏は講演に訪れたプエルトリコでダウドナ氏と偶然出会い、互いの研究内容を話し合った末に共同研究の開始を決める。共同研究では細菌がDNAを切断する「ハサミ」を試験管内で再現することに成功し、分子の構成要素を単純化して容易な使用を可能にした。

自然の状態で遺伝子のハサミはウイルスのDNAを認識して切断するが、2氏は再プログラムにより任意の位置でDNA分子を切断することが可能になることも証明。これによりCRISPR/Cas9がゲノム編集ツールとして利用できるようになり、基礎研究や病害虫に強い作物の開発、がんや遺伝病の治療法の研究など幅広い分野で爆発的に利用が進んでいる。2氏が開発した遺伝子のハサミはライフサイエンスの分野に新しい時代を開き、さまざまな形で人類に大きな利益をもたらしたとのことだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2020年10月08日 12時25分 (#3902889)

    物理学賞 [science.srad.jp]は

    ペンローズ氏は1965年にブラックホールが実際に形成可能であることを証明し、ブラックホールが中心に既知の自然の法則すべてを停止させる特異点を隠していることを示した。

    50年以上前の功績に与えられたのに、

    シャルパンティエ氏の論文はtracrRNAが細菌の自然免疫システム「CRISPR/Cas」の一部であり、DNAを切断することでウイルスを無力化するCas9タンパク質の機能を決定付けることを示した。この論文を発表した2011年

    とわずか9年前。なんでこんなに差があるの?

    • by hjmhjm (39921) on 2020年10月09日 16時29分 (#3903820)

      別に公平なこと、速やかなことを目的にしてないからやろ。
      過去には外れレベルの授与もあったし、そんな不思議がるような、いわば崇高なものではないのでは。

      まあ、どうしても知りたいのなら、50年待つがよい。
      選考過程は50年後に公表されるらしいので。

      親コメント
    • by clay (41656) on 2020年10月08日 12時58分 (#3902910) 日記

      説を提唱するだけなら極論すると誰でもできますが、科学コミュニティーに認められるには検証/実証が必要です。
      そのための時間が他分野よりもかかるのではないでしょうか?
      特に、科学の根幹を覆すような極めて重要な発見や学説は、その重要性故に容易には認めてもらえないので。
      そう言う意味では、ノーベル賞は在命者しか受賞できないので、選考基準に問題があるとも言えますね。

      実体物を扱い、製品化を含む実証が比較的早い化学分野とはだいぶ感覚が異なると思います。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        > ノーベル賞は在命者しか受賞できないので、選考基準に問題

        長命であること、という選考基準をクリアする必要がある。

        Wikipedia [wikipedia.org]によると
        1972年まではノミネート時点で生存していればよくて
            1931年文学賞 エリク・アクセル・カールフェルト
            1961年平和賞 ダグ・ハマーショルド
        はノミネートから授賞発表までに死亡したが授与された。

        1973年からは授賞発表まで生存の必要があると改訂され、

    • by ukenerai (36532) on 2020年10月08日 14時10分 (#3902967) 日記

      山中教授「せやな」

      # iPS細胞の論文発表が2006年、ノーベル生理学・医学賞受賞が2012年

      --
      -- う~ん、バッドノウハウ?
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      発表後すぐに製品化されて数年で世界中に普及した製品の根幹を成す発見なんかなら物理学賞でも速攻で受賞するんじゃない?

      • by Anonymous Coward

        青色LEDは、比較的早かったよね

    • by Anonymous Coward

      論理物理学は検証に時間かかるからしかたない。実験できないものも多いし。

    • by Anonymous Coward

      重力波の初の観測は2015年9月で、それに対し2017年度のノーベル物理学賞
      はい、論破。
      # 論破じゃねーよ

      • by Anonymous Coward

        つ WボゾンとZボゾン (1983年1月発見、1984年度ノーベル物理学賞)

    • by Anonymous Coward

      準結晶 [wikipedia.org]: 1984年発見、2011年 化学賞
      フラーレン [wikipedia.org]: 1985年発見、1996年 化学賞
      銅酸化物超伝導体 [wikipedia.org]: 1986年発見、1987年 物理学賞

      発見の時期がそう変わら

  • by Anonymous Coward on 2020年10月08日 16時41分 (#3903111)

    化学屋からすると、これは化学じゃないよーな。。。
    分子生物学とかだから、医学生物学賞じゃね?

    毎度、いわれることだと思うけど。

    • by Anonymous Coward on 2020年10月08日 18時32分 (#3903204)

      21世紀入ってからのノーベル化学賞は、これって生理学・医学賞の分野じゃねーのってのが多いですね

      2002年:生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発
      2003年:細胞膜に存在するチャネルに関する発見
      2004年:ユビキチンを介したタンパク質分解の発見
      2006年:真核生物における転写の研究
      2008年:緑色蛍光タンパク質 (GFP) の発見と開発
      2009年:リボソームの構造と機能の研究
      2012年:Gタンパク質共役受容体の研究
      2015年:DNA修復の仕組みの研究
      2017年:溶液中で生体分子を高分解能構造測定するためのクライオ電子顕微鏡の開発
      2018年:酵素の指向性進化法の開発/ペプチドおよび抗体のファージディスプレイ法の開発

      wikipediaのノーベル化学賞のページにある、2000年~2019年の受賞理由を参照して
      医学でないけど生理学だよねこれって思ったのを抜き出してみたがやっぱり多いな…

      2006年とかだと、生理学・医学賞の受賞理由が「RNA干渉-二重鎖RNAによる遺伝子サイレンシング-の発見」だったりするので、
      化学賞とあわせてゲノム関連で2つ持っていってるじゃねーか
      物理とくらべて両分野にまたがるものが多いのはわかるが、それにしたってこれはないわと思う

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        私は就職するときに文転しちゃった落ちこぼれですけど、2001年の野依良治先生の「不斉反応」のような、これぞ化学ってのを期待しちゃいますよね。
        それだけchemistryの領域が広がったとも言えるけど。

        # 「スイーツとスパイスのケミストリー」とか言われると(笑)をつけざるを得ないが

      • by Anonymous Coward

        生化学は「生命現象を化学の視点から探求する」学問なので、化学賞で全く問題ない。

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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs

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