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バイオテック

人間の採取が選択圧となり、目立ちにくい色に変わった植物 68

ストーリー by headless
迷彩 部門より
中国・横断山脈に自生するユリ科バイモ属のFritillaria delavayi(梭砂貝母)は人間の採取が選択圧となり、目立ちにくい色に変わっていったと考えられるそうだ(論文エクセター大学のニュース記事The Guardianの記事)。

バイモ属の植物は、鱗茎にアルカロイドを含むことから生薬として利用されるものも多い。日本薬局方ではアミガサユリ(Fritillaria verticillata)の鱗茎が「バイモ(貝母)」として収載されている。F. delavayiの鱗茎から作られる生薬「炉貝」は近年価格が上昇しており、採取圧が強まっているという。

中国科学院昆明植物研究所と英エクセター大学の研究チームが8地域で調査したところ、F. delavayiの葉の色は地域によって灰色~茶色~緑色と幅があり、採取が広く行われて採取圧が高い地域では背景となる現地の岩石の色に溶け込むような色になっていたそうだ。目立つ緑色の葉は採取圧の低い地域で見られ、土壌に大きな岩石が多いなど採取が困難な地域でも見られたとのこと。

草食動物に対する防御戦略として、数多くの植物が背景に溶け込むカモフラージュを行っていることは最近10年の間に確認されているが、調査を行った8地域に生息する草食動物は非常に少なく、アルカロイドを豊富に含むF. delavayiを草食動物が食べる可能性も低い。ただし、採取圧が選択圧となって色の変化を生んだことを確認するためには、草食動物の影響を確実に排除する必要がある。採取圧の低い環境による実験も長期的に価値のあるデータが得られる可能性があるとのことだ。
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  • ヘイケガニ
    …と聞いていたが、どうやら俗説らしい(朝鮮、中国、台湾にも分布しているし、化石も出ている)

    • by Anonymous Coward

      そうそう、今風に言えばフェイクだったのですが、いまだに信じている人がおられるので罪な話ですね
      明治時代から昭和まで連綿と培われた息の長い嘘になってしまいましたが、実際には人間が閲しえない深海にも広く分布しているので、
      彼らにとっては人間なんかどうでもよかったようです。

    • by Anonymous Coward

      つまり俺ら陰キャも採取されてたということか。

  • by hakikuma (47737) on 2020年11月23日 14時05分 (#3929172)

    「目立つ」とか「目立ちにくい」とか言うのは微妙な表現ですね。
    それって人間の色覚におけるという前提でしょう?

    霊長類の色覚は3色型を特徴としています。
    草食動物の例が出ていますが、そういう色覚を持たない生物だったら「目立つ」とか「目立ちにくい」とか感じるとは限らないですよ。

    • by Anonymous Coward on 2020年11月23日 14時11分 (#3929174)

      ツッコミのためのツッコミだな
      「人間の採取が選択圧」つってんだから人間の色覚が前提になってて何も問題はない

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      人間の脳波を調べると原色ではなく鮮やかさが強く出ているらしいですよ。
      ピンクが一番強く反応でるようで。
      https://www.tohoku.ac.jp/japan... [tohoku.ac.jp]
      他の生物も似たような感じでは無いですかね

      • by hakikuma (47737) on 2020年12月30日 20時11分 (#3951362)

        似たような感じでは無いだろうと思うからそう言っているんです。
        3色型は霊長類が鮮やかな木の実を見つけやすくするための進化と聞いたことがあります。ここで挙がっているような地上の草を餌にする草食動物ならそういう進化はしないでしょう。

        親コメント
    • by Anonymous Coward

      哺乳類では人間の色覚は多いほうだが、昆虫や鳥類は紫外線域で人間に見えない模様が見える。もしそういう模様があるなら、「人間による」採取が選択圧であるという状況証拠になるだろう

  • by Anonymous Coward on 2020年11月23日 14時20分 (#3929178)

    対称群を作るために研究者が栽培に成功してしまい、栽培法が確立して採取圧がなくなってしまいましたとさ……ってなったりして。

    • by Anonymous Coward

      日本ではマツタケ以外のキノコが自然から商業目的で採取されることはほぼ無くなったな

      • by Anonymous Coward

        野生キノコの販売で食中毒ってネタはしょっちゅうあるから、そんなことないと思う。

        例えば、青森では放射線量で野生キノコの出荷制限があるから(「ナラタケ、ムキタケ、クリタケ及びハタケシメジ以外の野生きのこ類 」)、逆説的にナラタケとかは野生のキノコを出荷してるってことで。
        https://www.pref.aomori.lg.jp/sangyo/agri/naratakekaijo.html [aomori.lg.jp]

        • by Anonymous Coward

          ナラタケは栽培出来てないからでは…?
          マツタケは森が富栄養化でやばいとか笑えん…

  • by Anonymous Coward on 2020年11月23日 13時46分 (#3929159)

    人間に感染すると爆発的に流行するウィルスを身に着けたのであった

    • by Anonymous Coward

      むしろ除去が困難な毒を身につけた方が有利。
      毒キノコなんてもろにそれじゃね。
      https://science.srad.jp/story/17/06/23/0658215/ [science.srad.jp]

      ウイルスはそういう武器として使うには不確実すぎる。

      • by Anonymous Coward

        実際問題、中国では野生動物を食べるのが禁止されたわけで

      • by Anonymous Coward

        食用キノコと毒キノコの外観が似てたりするのは、
        食用の方が毒キノコに寄せてきてる可能性もあるのか。

  • by Anonymous Coward on 2020年11月23日 13時49分 (#3929162)

    論文読みに行っていないけど、タイトル読んだだけで感じられた「目立っちゃう色だと採られちゃうので、成長過程で生存戦略として着物を変えるように纏う色を変えた」、というルイセンコ的なロジック。
    なわけではなくて、「生まれ持った色によって生存確率が変わり次世代・次々世代で種の占有率が変わった」、という本来の進化論的なダーウィン的なロジックでいいのかしら。

    あと、論文の結論の妥当性には関係しないと思うが、
    日本の山菜狩りだと「全部取るのは獣」(この言い回しも出典不明でいつ覚えたか記憶にないが)で、山菜の株に1つか2つ来年のために芽(キノコなら胞子)を残すのが礼儀、ってのがあるけど、中国の漢方薬採取だとどうしてんだろ。

    #それでも見つけやすいほうが採取されるので、次世代の種は偏る、といういみで論文の主張は変わらんと思う

    • by Anonymous Coward on 2020年11月23日 15時12分 (#3929205)

      上野の国立科学博物館に展示がありましたね(今でもあるのだろうか)

      1850年。
      白樺の木に白と黒の2匹の蛾(同じ種類で白いものと黒いものがいる)が止まっている。
      黒い蛾の方が目立つので良く鳥に食べられてしまい、白い方が生き残りやすい。

      1900年。
      産業革命でばい煙がもくもく排出されるようになると、白樺の木が黒くなってしまった。
      この状況だと逆に白い蛾の方が目立っていしまい、黒い方が生き残りやすくなった。

      というのを本のページをめくって見せてくれるのです(のちにディスプレイで上映するようになった)
      年はうろ覚えなので間違ってたらすみません。

      # ぐぐってみたらこの産業革命でヨーロッパが黒っぽくなって黒っぽい種(個体)が増えた
      # という現象は「工業暗化」という名称があるんですな

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      • by Anonymous Coward

        この事例は人間による環境の変化が原因ではあるけど、直接の捕食者はまだ鳥だね

    • 日本の山菜狩りだと「全部取るのは獣」(この言い回しも出典不明でいつ覚えたか記憶にないが)で、山菜の株に1つか2つ来年のために芽(キノコなら胞子)を残すのが礼儀

      よく考えると、これはおかしいよね。
      本当に獣が「全部取る」なら、その山菜なり茸なりは既に絶滅してるはず。
      それまでいなかった獣が移入してきた結果、「全部取る」ってことはあると思うけど、その移入の原因の多くは、人間の営みだったりするわけだし。

      中国の漢方薬採取だとどうしてんだろ。

      向こうでは中医学と呼んででて、漢方とは言わないみたいだね。
      日本で言う漢方は、かなり昔に大陸から渡ってきたものが日本国内で独自に発達したもので、中医学とはかなり違うものになっている。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        >日本の山菜狩りだと「全部取るのは獣」(この言い回しも出典不明でいつ覚えたか記憶にないが)で、山菜の株に1つか2つ来年のために芽(キノコなら胞子)を残すのが礼儀

        >本当に獣が「全部取る」なら、その山菜なり茸なりは既に絶滅してるはず。
        あくまで、そこで見つかった一塊(群落?)についての話だもの。そこの
        奴だけ採り尽くしたくらいじゃ、絶滅なんてするわけない。バッタが大繁殖した
        時なんかは、まさに根こそぎ食い尽くすけど、それでも種の絶滅まではなかなか
        行かない。

        キノコや山菜採りの話は、8割とって2割残しておけば、しばらくすれば勝手に
        増えて永遠に採ることができる。そこに定住するつもりで長期的な効率を考えると、
        2割残す方が合理的という話。バッタみたいにそこにある物を食い尽くして
        しまったら、次々に食い物を求めて土地を捨てて移動し続けなければならないけど、
        そうするとなにかと大変。定住しないと農業も満足にできないし。

        • あくまで、そこで見つかった一塊(群落?)についての話だもの。そこの奴だけ採り尽くしたくらいじゃ、絶滅なんてするわけない

          その獣が、その「一塊」の周辺だけにしか生息しないわけじゃ無かろうに。
          要するに、食われる方も獣の食い意地以上の繁殖力を持っていて、獣は食いつくすことはできない、という話だろ?
          安定的な生態系ってやつだ。「一塊」みたいな局所的な話では無いんだよ。

          もし獣は食いつくされる程度の繁殖力しかないのなら、絶滅する。
          絶滅まで行かなくても、「一塊」を超えた分布が変わってしまうだろう。

          バッタが大繁殖した

          バッタは獣ですら無いけどな(笑)。

          キノコや山菜採りの話は、8割とって2割残しておけば、しばらくすれば勝手に増えて永遠に採ることができる。

          それは結局、安定的な生態系の営みと同じことなんだよ。
          ただ、人間は強欲で賢いから、本当に取りつくしてしまう可能性がある。
          なので、わざわざ「礼儀」を教えてやらんとダメなわけだ。
          その辺り、安定的な生態系の中の獣とは違うところ。

          なのでむしろ、「全部取るのは獣」ではなく、むしろ人間。
          言い換えれば、大きな環境変化を与える可能性がより高いのは、獣では無く人間。

          もちろん、環境の変化やなんかで、生態系の安定が崩されて、食いつくされちゃうことはあるけどね。

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          • >なのでむしろ、「全部取るのは獣」ではなく、むしろ人間。
            そう、その通りで、言い伝えは諫めであって文字通りの意味ではないのですよ。
            人間なのだからちゃんと言い伝えを守って残しなさい、全部取るなんて「獣」なみの所業ですよという。
            実際のところ、獣は個体が満足する分だけ食べるだけだけど、言い伝えを守らない強欲な人間は自分個体が食べる分を超えて取りつくしてしまうということですね。

            親コメント
            • そう、その通りで、言い伝えは諫めであって文字通りの意味ではないのですよ。

              私がそれを解ってない、と思っているのはキミだけだよ。

              倫理を知らない獣は倫理に沿わない行動をとるけど、人間は倫理を知っているんだから、という例に使うなら正しい。
              たとえば、強者が弱者からエサを奪い取るなんてのがそうだね。

              しかしこの場合は、よく考えると [srad.jp]、人間の方がヒドいんじゃないか?
              比喩として正しく無いんじゃないか?
              獣は倫理なんか知りはしないけど、食いつくさない様な調和の中で生きている。
              もし食いつくしてしまうと言う事が起こるなら、それは環境の変化とか人間とかが原因だったりするね。
              そう言う指摘なんだが、話の流れ解ってる?

              親コメント
      • by Anonymous Coward

        >本当に獣が「全部取る」なら、その山菜なり茸なりは既に絶滅してるはず。
        ここでいう獣は本当の獣ではなく、考え無しに行動する人間を指しているのですよ。

        • ここでいう獣は本当の獣ではなく、考え無しに行動する人間を指しているのですよ。

          おっと、ここにも勘違いしてる奴がいたか。
          #3929423 [srad.jp]を読みましょう。

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          • by Anonymous Coward
            後のせサクサク恥ずかしいね
            素直にごめんなさいしよう大人なら
            • by Anonymous Coward

              自分だけが頭が良くて、他人は頭が悪い、と言うアホな思い込みがあると、キミのような誤読を犯してしまう。

          • by Anonymous Coward

            いくらなんでも、その言い訳は無理があります。
            「なのでむしろ、「全部取るのは獣」ではなく、むしろ人間。」
            なんて書いてるくらいですから。

            もし本当に知っていたのなら#3929252で言及しているはずですが、
            実際にはhig氏に指摘されるまでそんな話はしてないわけで。

        • by Anonymous Coward

          >本当に獣が「全部取る」なら、その山菜なり茸なりは既に絶滅してるはず。
          ここでいう獣は本当の獣ではなく、考え無しに行動する人間を指しているのですよ。

          そりゃそうよ。日本説話てきな「獣」って仏教的な階層での「人間より下」だ。在来の日本神話的には「獣」って「神」ですらあるのに。

  • by Anonymous Coward on 2020年11月23日 14時16分 (#3929177)

    人間にとって美味しいと感じる魚が乱獲により数を減らし、
    不味いと感じる魚が数を増やすのでは?

    数百年後には、より不味い魚が増えて、美味い魚が淘汰されそう

    • 人間にとって美味しいと感じる魚が乱獲により数を減らし、

      鮪なんかがそうだって言われてるね。
      鯨は、食わずに捨ててた連中もいたので、ちょっとちがう。

      不味いと感じる魚が数を増やすのでは?

      これは因果関係を証明しにくいかもね。
      人間の活動とは別に、魚種交代と言う現象が起こることが知られてて、そういうものと区別するのは難しそう。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      漁業の経済学をちゃんと調べると面白いと聞いた事がある。
      捕まえるのにかかる費用と美味さが比例するわけでもないし、無茶苦茶美味い割に安くで獲れる魚を高値で売るとみんな殺到して値下がって、と、何が価格を決めてるのかややこしい。

      • by Anonymous Coward

        神の手「料理しやすい魚いいよね(トントン)」

        実際、産業動物(狩猟や漁業での対象はそう言わない気がするが)はたいへんだ.

    • by Anonymous Coward

      生まれつき牙がない象の割合が急増しているらしいぞう。

      でも魚の場合は個体の特徴を認識して採取を判断したりしないから味の変化で生存率上げるのは難しそう。

  • by Anonymous Coward on 2020年11月23日 21時14分 (#3929399)

    食肉植物の擬態が高度化した話ですね(違
    # 「人間による採取」なら紛れない

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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家

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