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宇宙

土星の衛星ミマスが分厚い氷の殻の下に内部海を隠しているという研究成果 17

ストーリー by nagazou
水分たっぷり 部門より
headless 曰く、

土星の第 1 衛星ミマスで厚さ 21 ~ 31 km の氷の殻の下に液体の水が大量に存在することを示す研究成果を米サウスウエスト・リサーチ・インスティテュート (SwRI) の研究チームが発表した (プレスリリースThe Verge の記事Mashable の記事論文アブストラクト)。

巨大なクレーターのある外観から「デス・スター」とも呼ばれるミマスだが、地表から水を噴出するエウロパやエンケラドゥスのような内部海の存在を示す活動がなく、クレーターに覆われていることから氷の塊だと考えられていた。しかし、NASA の土星探査機 Cassini がミッション末期にミマスの秤動を観測し、内部海が存在する可能性も指摘されている。

潮汐の作用は天体の自転・公転のエネルギーを熱に変える。ミマスの秤動から推定される内部構造と一致させるには、潮汐熱が地下で水を液体の状態に保ちつつ、地表で厚い氷の殻を保てるだけの大きさである必要がある。研究チームは潮汐熱モデルを用い、分厚い氷の殻の下に液体の水が存在することを適切に説明できる数値法を開発したとのこと。

内部海では主星からの距離が一定の範囲内でなくても水を液体の状態に保つことが可能であり、ハビタブルゾーンを大幅に広げることになる。そのため、内部海を持つ天体 (IWOW) の発見は過去 25 年の惑星科学の分野で最も重要なものの一つだ。実際にミマスが内部海を持つとすれば、外から見ても内部海の存在がわからない IWOW の新しい種類ということになる。

チームでは地表の熱の流れが氷の殻の厚みによる影響を強く受けることも発見している。NASA の木星探査機 Juno はエウロパへのフライバイでマイクロ波放射計を用いた熱の流れの測定を予定しており、そのデータは氷の殻の厚みによる熱の流れへの影響を理解するのに役立つだろう。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2022年01月25日 15時31分 (#4190350)

    なんのために隠しているんだ

  • by Anonymous Coward on 2022年01月25日 15時40分 (#4190357)

    氷じゃなくてやっぱり岩石だろう。

    • by Anonymous Coward

      タイトル、何を当たり前のことを、と思ったが、なるほど、圧力0でも液相を保てる物質があるのか。

    • by Anonymous Coward

      重力皆無の彗星でも岩石混じりの氷みたいだし、それに比べりゃ自重力で球体になれる天体なら大量の氷があってもおかしくないかと。

    • by Anonymous Coward

      氷の昇華は圧力(蒸気圧)だけでなく温度にも左右される。
      真空でも、天体が冷たければ昇華は起きにくくなる。
      かつ、昇華で生まれた水蒸気により、更に昇華は抑制されるはず。

      • by Anonymous Coward

        圧力と温度を軸に取って液体気体固体を示したグラフ上で、
        固体と気体が直接隣接する箇所を移動する相転移が昇華。
        ある圧力で昇華を起こすには温度変化しないと昇華しないんだから温度に左右されるもくそもない。

        • by Anonymous Coward

          >ある圧力で昇華を起こすには温度変化しないと昇華しないんだから

          これは間違いだな。
          平衡状態にある相全体の変化としてならその通りだけど、非平衡状態で徐々に昇華していく状況に対してはそれは成り立たない。
          (温度変化が無くても蒸発があるのと同じ)

          • by Anonymous Coward

            相転移を起こすには潜熱を必要とするから、温度変化はないとしても何らかのエネルギーのやり取りが必要。
            太陽や土星からの輻射熱や潮汐力などのエネルギー源があるとはいえ、ミマス表面の氷をあらかた昇華させられるほどの非平衡状態とは考えにくいな。

  • by Anonymous Coward on 2022年01月25日 15時42分 (#4190359)

    南極最大の氷底湖「ボストーク湖」にロシア研究チームが到達?
    https://science.srad.jp/story/12/02/07/2227200/ [science.srad.jp]
    > 南極の氷床の表面から 3768 メートル下にある淡水湖であるボストーク湖

    • by Anonymous Coward

      マグマ溜まりかなにかの空洞に海水でも流れ込んだのかな?

      ちなみに、地上の水(河川や湖、海水、氷、雪、大気中など)をまとめると、地球全体積の0.0001%らしいが
      地球内部の水は地球全体積の15%らしいね
      まさしく水の惑星
      莫大な量がある

      • by nim (10479) on 2022年01月27日 11時05分 (#4191090)

        > 地球内部の水は地球全体積の15%らしいね

        それって水和物になってるのも含んでるんじゃ。
        あんまり水っぽくはない。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        >マグマ溜まりかなにかの空洞に海水でも流れ込んだのかな?

        淡水湖ってことだからそれはないんじゃないっすかね。
        単純に地熱で氷床の一部が融けてそれが氷床と地面の境に溜まってるって
        考えればいいのでは?

      • by Anonymous Coward

        元コメのリンク先からリンクされてるwikipediaの図 [wikimedia.org]を見ればわかるように、氷の表面からは3768m下だけど地面よりは上なのでマグマだまりではぜんぜんないね。
        くぼんだ地面と4km近い厚さの氷床の間に大量の液体の水がたまってるみたい。

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