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2023年7月のサイエンス人気記事トップ10
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教育

英語を母国語としない人達の苦労が定量化される 55

ストーリー by nagazou
壁 部門より
英語が母語でない研究者が直面している不利益を指摘するツイートが話題だ。日本を含む8か国で行われた調査によると、非ネイティブ話者は英語ネイティブ話者に比べて、論文読解・執筆・出版、発表準備や国際学会参加において非常に多くの時間と労力を費やしていることが定量化されたという(Tatsuya Amano氏のツイート研究論文Togetter)。

この調査では、環境科学(特に生態学、進化生物学、保全生物学など)の研究者908名を対象にして、英語が母語でない研究者が英語の論文を読解・執筆・出版・会議参加にする際、英語ネイティブ話者と比較してどれほどの不利益を被っているかを調査した。調査対象者にはバングラデシュ人、ボリビア人、イギリス人、日本人、ネパール人、ナイジェリア人、スペイン人、ウクライナ人が含まれている。

調査結果によれば、英語が母語でない研究者は英語の論文を読解するのに多くの時間を要すること判明した。特に、中程度の英語能力を持つ国籍の非ネイティブ話者は、英語ネイティブ話者と比べて約46.6%の時間を多く費やす必要があり、英語能力が低い国籍の研究者は同様に約46.6%の時間を多く費やしているという。同様に英語が母語でない研究者は論文執筆にも多くの時間を要している。特に初期段階のキャリアで、中程度の英語能力を持つ国籍の非ネイティブ話者は英語ネイティブ話者と比べて約50.6%の時間を多く費やし、英語能力が低い国籍の研究者も同様に約50.6%の時間を多く費やしているとのこと。

以上の結果から、英語が母語でない研究者が科学活動を行う際には、英語ネイティブ話者に比べて重大な不利益が存在するとしている。学界全体において英語が母語でない研究者へのサポートが必要であるとしている。
16703007 story
サイエンス

農薬除去効果を謳うホタテパウダー、有機栽培のトマトでも同じ実験結果に 63

ストーリー by nagazou
疑問視 部門より
SNS上で「ホタテパウダーが農作物の残留農薬を除去できる」という情報が出回っていたという。鳥取県の水稲農家の40代男性がこの件に疑問を持ち、日本農業新聞の「農家の特報班」にメッセージが届いたそうだ。これをきっかけに同紙の記者が実験でその効果を検証したとされる(日本農業新聞)。

話題となっているホタテパウダーは、ホタテの貝殻を焼成・粉砕した粉で、水に溶かすと強アルカリ性の水溶液になる。SNS上ではこれにより残留農薬を除去できるとの主張が出回っているようだ。Twitterに上がっている動画では、漬け置き洗いした後の水が濁ったり、油膜のようなものが浮いたりする様子が撮影されているという。

記者はホタテパウダーを使ってトマトを洗う実験を実施。しかし、実験の結果、慣行栽培と有機栽培のトマトにおいても、ホタテパウダーを使った水溶液の変化に大きな差は見られず、残留農薬を除去したとする証拠は得られなかったそうだ。ホタテパウダーによる色の変化や油膜の生成は農薬由来とは考えにくく、立ち会いと助言をおこなった専門家も農薬を落とす効果に関しては疑問視しているという。

また、慣行栽培で農薬の基準値を超えることは稀であり、専門家は効果を検証する必要性を行政機関に提言している。なお、ホタテパウダーの販売会社はこの件の取材に対して応じていないとしている。
16688854 story
数学

ドワンゴ創業者、宇宙際タイヒミュラー理論の誤りに100万ドルの賞金を提示 68

ストーリー by nagazou
証明 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

朝日新聞の記事によると、ドワンゴ創業者の川上量生氏が、京都大数理解析研究所の望月新一教授の「宇宙際タイヒミュラー理論」の誤りの証明に100万ドルの賞金をかけると発表したそうだ。

同理論は「ABC予想」の証明に使われたが、理論の難解さから現在も論争が続いている。今回の賞金は査読付き専門誌への掲載が条件で、審査は非公開だそうだ。

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JAXA

イプシロンSロケット第2段モーター、地上燃焼試験で爆発 53

ストーリー by nagazou
検証のための試験だから 部門より
7月14日9時1分頃、秋田県能代市で行われた小型ロケット「イプシロンS」の第2段エンジンの燃焼試験中に爆発が発生した。「イプシロンS」は従来の「イプシロン」の改良型として開発が進められてきたもの。今回試験されていたの第2段エンジンは、推進力を従来の1.3倍に増加するため、燃料を約15トンから約18トンに増やし、容器の全長を30センチ大きくした新型だった(読売新聞NewsDigestNHKライブ中継時の動画)。

実験場では9時00分から、開発中の小型固体燃料ロケット「イプシロンS」の第2段エンジンの地上燃焼試験が行われていた。試験開始直後に炎と煙が噴射されたものの、約1分後に爆発音が鳴り、施設の一部が破壊されたとしている。消防隊が駆けつけて消火し、約2時間後に火は鎮火した。けが人はいなかった。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)によれば、データからは点火から20秒後に圧力が予測より高くなり、57秒後に圧力が開放されたことが判明しているという。JAXAは現在、原因究明を急いでいる。この事故により、来年度に予定されている初号機の打ち上げスケジュールの遅れも懸念されている。

あるAnonymous Coward 曰く、

https://newsdigest.jp/news/71ad10cf-2a40-4029-81ef-cb868b92409f

まだ速報の段階でニュース記事などはほぼ上がっていない感じですが、ライブ動画の右下の時間が21m08sになる辺りで爆発しています。
https://www.youtube.com/watch?v=VHngCQLJDAY

↓は今回の地上燃焼試験の事前の解説記事です。
https://spacemedia.jp/technology-and-engineering/9533

16682316 story
NASA

NASAもソ連も鉛筆ではなく『宇宙で使えるボールペン』が必要だった 27

ストーリー by nagazou
必要だったのか 部門より
ネット上でよく知られる有名コピペ文に、「宇宙でボールペンが使えないことに気づいたNASAは、長い年月と巨額の費用を投じて宇宙でも使えるボールペンを開発した。一方ソ連は鉛筆を使った」という内容がある。実はこのコピペ、真実とは異なるのだそうだ(星出宇宙飛行士ウィークリーレポート Vol.10ScienceAlertナゾロジー)。

宇宙での微小重力下ではボールペンがうまく機能しないという問題に関しては、NASAもソ連も鉛筆を使うという解決策をとるのではなく、両者ともに宇宙ボールペンの開発を試みていたのだそうだ。鉛筆を使わない理由としては、鉛筆は使用すると黒鉛や木くずが船内に浮遊してしまい、機械の故障や火災の原因となる可能性があったためだという。

その後、アメリカのペン製造業者であるポール・C・フィッシャーが独自に「フィッシャー・スペースペン(Fisher Space Pen )」を開発した。このペンは、内部に封入された窒素ガスの圧力によって微小重力下でもインクが安定して移動する仕組みだったという。また特殊な粘着性の強いインクを使用することで、乾燥することがなく100年以上の保管やマイナス34℃からプラス121℃の温度環境にも対応可能といった耐久性も持っていたようだ。

現代では、宇宙飛行士はシャーペンやタブレット端末を使用することもあるという。冒頭で指摘された黒鉛のカスの問題に関しては、現在の船内には高性能の濾過システムが搭載され、粒子や破片を効率的に除去可能になったこともシャーペンが使われるようになった理由だそうだ。ほかにも、タブレット端末を使用してスケジュールや作業手順を確認することも行われているとしている。
16691269 story
ニュース

日清、プラントベースうなぎ「謎うなぎ」発売 59

ストーリー by nagazou
謎うなぎ入りラーメンは出るのか 部門より
日清食品は10日、動物由来原料を一切使用せずに「うなぎの蒲焼」の食感や見た目、風味を再現した「プラントベースうなぎ 謎うなぎ」を7月18日から1000セット発売すると発表した。価格は1620円(送料別途750円)で、日清食品グループ オンラインストアで購入できる(日清食品Impress Watch)。

プラントベースうなぎは、大豆たんぱくや植物油脂などを使い、3層に分けた生地で作られており、リアルな食感、リアルな見た目を追求したうなぎ様食品。白身層はふわっとしながら繊維感のある食感で、中間層は脂身のとろっとした、うなぎの蒲焼の質感を再現したとしている。また皮層は竹炭粉末を使って特有の黒さを再現したそうだ。

LARTH 曰く、

安全安心のコストは高いな。

16681215 story
地球

EUのプロジェクトで開発されたソーラーハイブリッド車のプロトタイプ、テスト走行中に爆発して2人が死亡 34

ストーリー by nagazou
事件性って 部門より
headless 曰く、

EU のプロジェクトで開発されたソーラーハイブリッド車のプロトタイプがテスト中に爆発し、乗車していたイタリア国立研究評議会 (CNR) の研究員と研修生が死亡したそうだ (CNR の記事 [1][2][3]The Next Web の記事Reuters の記事Napoli Today の記事 [1][2])。

プロトタイプは温室効果ガスの問題と大気汚染の問題を解決すべく、古い内燃機関自動車をソーラーハイブリッド車に転換する LIFE-SAVE (Solar Aided Vehicle Electrification) プロジェクトによるもので、爆発したプロトタイプは VW Polo をベースに作られていたという。ナポリ近郊の高速道路で事故が発生したのは 6 月 23 日。2 人は病院へ運ばれたが、プロトタイプを運転していた研究員は III 度熱傷の合併症で 26 日に死亡。回復が期待された 25 歳の研修生も 29 日に死亡した。爆発の原因は調査中だが、事件性があるとの見方も出ているようだ。

16685336 story
テクノロジー

通常のガラスに比べ10倍割れにくい『ライオンガラス』、「ゴリラガラス」生みの親が発表 47

ストーリー by nagazou
しりとり 部門より
ペンシルベニア州立大学の研究チームが6月30日、スマートフォンなどに一般的に使われているゴリラガラスを上回る新しいガラス材料「LionGlass」を開発したと発表した。今回の研究を率いたマウロ博士は、ゴリラガラスにも関わっているという(ペンシルベニア州立大学リリーステクノエッジ)。

このガラスは、通常のガラスに比べて表面の損傷に対する耐性が10倍も高い高い耐クラック性能を持つとされる。また、LionGlassの製造の際の融解温度が最大で約400℃も低くできることから、約30%少ないエネルギーで製造できるため、CO2排出量も削減できるとのこと。LionGlassの高い耐クラック性能は、建築業界や自動車産業、エレクトロニクス産業など、さまざまな分野で使用されるガラス製品の軽量化や薄型化にも役立つとしている。
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医療

国際がん研究機関、アスパルテームの発がん性評価は 4 段階中 3 番目 59

ストーリー by nagazou
評価 部門より
headless 曰く、

世界保健機関 (WHO) の国際がん研究機関 (IARC) と食糧農業機関 (FAO) /WHO合同食品添加物専門家会議 (JECFA) は 14 日、アスパルテームの健康への影響に関する評価を発表した (ニュースリリース)。

本件は 6 月末に Reuters がスクープしたので目新しさには欠けるが、IARC がアスパルテームを評価するのは今回が初、JECFA は 3 回目となる。IARC ではアスパルテームのヒトにおける発がん性の証拠はわずかしかないとして、がんを引き起こす確実性レベルを 4 段階の 3 番目にあたるグループ 2B に区分。JECFA ではこれまで通り 1 日の許容摂取量を体重 1 kg あたり 40 mg であることを再確認した。たとえば、体重 70 kg の成人がアスパルテームを 200 ~ 300 mg 含むダイエットソフトドリンクだけで許容摂取量を超えるには、9 ~ 14 缶以上飲む必要がある。

グループ 2B には発がんの可能性があるものの、ヒトにおける証拠はわずかであり、実験動物での証拠も不十分な物質が区分される。アスパルテームの場合はヒトにおける発がん性の証拠 (具体的には肝細胞がん) や実験動物における発がん性の証拠、がんを引き起こす可能性のある仕組みに関連した証拠がいずれもわずかしかないとのことだ。

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中国

中国の民間企業が、世界初となるメタンロケットの打ち上げに成功 45

ストーリー by nagazou
成功 部門より
AC0x01 曰く、

中国の民間宇宙企業ランドスペース(Land Space、藍箭航天)は12日、同社が開発する液体酸素・液体メタン燃料のロケット「朱雀二号 (Zhuque-2)」の2回目となる打ち上げを実施し、軌道に到達したことを発表した(AFP通信, CRI Online, 中国経済新聞)。

朱雀二号の初打ち上げは昨年12月に既に行われているが、その際は二段目の故障により軌道には到達しなかった。メタン系のロケットは過去に日本のGXロケットなどが液化天然ガス (LNG) を使用する想定で研究していた他、近年では固体ロケットブースターが不要で煤なども少なく再使用に適しているとしてSpaceXやBlue Originなどが相次いで開発しているが、飛行試験は実施されていたものの、実際に衛星軌道まで到達したロケットとしては、今回が史上初となる。

実際に飛行したロケットが出てきたことで、世界のロケットのメタン化の流れはますます進んでいくのだろうか?JAXAの次々期ロケットの燃料はどうなる?

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ソースを見ろ -- ある4桁UID

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