平均密度が地球の倍近くの、きわめて重い太陽系外惑星が見つかる 11
ストーリー by nagazou
ヘビー 部門より
ヘビー 部門より
ローマ・トル・ヴェルガータ大学の研究チームが、NASAの宇宙望遠鏡「TESS」の観測データを用いて、非常に高密度な惑星「TOI-1853b」を発見した。TOI-1853bは、平均密度が1立方cmあたり9.7±0.8gと異常に高密度であることが判明している(sorae)。
TTOI-1853bは、「うしかい座」の方向約540光年先のK型主系列星「TOI-1853」を1.24日ごとに1周するほど小さな軌道を公転。表面温度は1200℃の高温に達すると推定されている。さらに、TOI-1853bの質量は地球の73.2±2.7倍であることが判明。これは海王星の約4.3倍であり、これまでに発見された巨大氷惑星のほぼ2倍にあたるとされている。
あるAnonymous Coward 曰く、
TTOI-1853bは、「うしかい座」の方向約540光年先のK型主系列星「TOI-1853」を1.24日ごとに1周するほど小さな軌道を公転。表面温度は1200℃の高温に達すると推定されている。さらに、TOI-1853bの質量は地球の73.2±2.7倍であることが判明。これは海王星の約4.3倍であり、これまでに発見された巨大氷惑星のほぼ2倍にあたるとされている。
あるAnonymous Coward 曰く、
分類的にはホット・ネプチューンと呼ばれる惑星らしいので、木星型惑星のコアだけが残った姿とかだろうか?
いいぞもっとやれ(※珍しい例が観測しやすい近傍に増えてほしい) (スコア:3)
Exoplanet データベースの登録は今や 10,000 件前後に及ぶらしいのだけど、それによれば、
当該惑星の密度 9.7±0.8 g/cm3 は、スーパーアース HD 213885 b (2019 発見) や銀河中心近くで見つかった OGLE-2019-BLG-0468L c (2022) とほぼ同じで、
上から 60 位あたりに位置するのだとか。
なお太陽系の惑星では地球の平均密度が最も高く 5.52 g/cm3 、次いで水星が 5.43 g/cm3。
ちなみに同 DB のトップ 3 は、
(2017) EPIC 22881391 b: 223 M⊕, 0.87±0.09 R⊕, 342 地球密度(1,884 g/cm3), 想定表面重力 296 g
(2021) HD 110113 b: 1446±197 M⊕, 2.01±0.12 R⊕, 179±25 地球密度, 想定表面重力 359±64 g
(2021) TOI-1749 b: 57.0 M⊕, 1.36 +0.21〜−0.19 R⊕, 22.6 地球密度, 想定表面重力 30.8 g
さすがに EPIC 22881391 b は疑問ありとされている(もう訂正されてるかも)。
こいつらはみんな「巨大ガス惑星」に分類されるらしく、上から 10 位以内のスーパーアースとしては
(2014) Kepler-131 c: 8±6 M⊕, 0.84±0.07 R⊕, 14±10 地球密度(77±55 g/cm3), 想定表面重力 12±9 g // ただし Earth Similarity Index は 0.259 と低め。
がある。
トランジット法で見つかる惑星は多いので、公転半径が小さいものは意外と多いみたい。
例えば上述トップ 3 はいずれも、軌道長半径が 0.005 〜 0.3 au 、公転周期が 4 〜 61 時間の間に入っている。
Re: (スコア:0)
惑星程度の重力で金や白金の密度を超えることってあるんだろうか?
ガス惑星ならなおさら。
Re:いいぞもっとやれ(※珍しい例が観測しやすい近傍に増えてほしい) (スコア:2)
うん。ロマンを感じると同時にそう思うんだけど。
ただその辺は盛ってるわけでも適当なデータを持ってきたわけでもなくて、一応ちゃんと観測した結果で誤差付きの数字。
つまり、問題はモデルと観測精度(※DB では原論文の誤差に関する煩雑な考察・表記をオミットすることがある)で、
あり得るロマンだけど鵜呑みにすることもできない、みたいな感じだと思う。
機器の精度もそうだけど、既に「発見」された惑星を繰り返し何度も観測する割り当てが無いのが大きいんじゃないだろうか。
観測の利得が大きそうな地球近傍の天体や特異天体の方に、研究テーマも割り当ても集まるし・・・
例えば上のナンバーワン、EPIC 22881391 b については、登録直後にこんなやりとりが。
Something must be wrong with this exoplanet... [spaceengine.org] (2017, Space Engine Forum)
要約
‐ この密度ナニ!?これじゃ白色矮星だよ。それとも typo?
‐ その質量データ(「木星の約 0.7 倍」)の所は、動径方向の速度を元にした上限値を載せてる。原論文では現実的な上限は 3 M⊕ だろうってさ。
‐ カーバルたちの星(カービン) [wikipedia.org]でも見つけたんじゃね?
のちの界王星である (スコア:0)
これで修業を行えば短期間強くなれます。
Re:のちの界王星である (スコア:2)
表面重力加速度が6Gくらい [google.co.jp]なので、界王星(たしか10Gという設定)ほどじゃなさそう。でもメスクリンの赤道付近(たしか5Gという設定)よりはキツイ。
論文の方をみると「惑星深部は 5,000GPaの超高圧状態で、多くの化合物が金属化すると予想されている」らしいので磁場も強いのかな。
Re: (スコア:0)
もしかして:バスターマシン3号
疑問ばかり (スコア:0)
光学望遠鏡でも1ピクセル?あるかないかくらいの光点にしか過ぎない惑星を
どういう手法でサイズ・質量・密度がわかるんでしょうか?
星系の太陽をのゆらぎ?で星系内の惑星質量は計算できるかもしれませんが
個別にわかるとかどうやるんですかね
場合によっては大気の組成などもわかるとか・・・
Re:疑問ばかり (スコア:3)
記事内のリンク先(sorae)だけでも日本語で大まかな説明が読めます。
とはいっても、TESSの観測データだけからこんなに綺麗に結果が出せないので、他の観測データと突き合わせたり分析方法を工夫してこれくらいの誤差の範囲でこういう値になった…という詳細は元ネタ論文の Methods [nature.com]のところに書いてありますが、まあ研究者でなければそこまでは読まなくていいかと。
(私も細かい手法までは読んでも解らない)
Re:疑問ばかり (スコア:1)
細かく気にするよりまとめると以下のような感じ
・惑星の公転周期:恒星の明るさの変化周期として直接観測された数字なので信頼できる
・惑星の大きさ: 構成の明るさの変化量から推計
・惑星の質量: 恒星の光のドップラー変位から推計(非常にわずかなので誤差はあると思われる)
どれもこれもわずかな違いを正確に調べる必要があるため、観測精度が向上した21世紀になってから見つかったものがほとんどです。
それも今のところ「主星にかなり近くて十分に大きな質量を持つ惑星」(=ホットジュピター)しか見つけられない。
うじゃうじゃ
Re: (スコア:0)
視線速度の計測等により、ホットジュピター以外も見つかっているようですよ。
Re: (スコア:0)
おお、まじですか
JWSTとか観測機材もレベルアップ中だから今後も見つけられるものが増えていくんでしょうね。