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JAXA

JAXA、SORA-Qが撮影したSLIMの着陸写真を公開。メインエンジン1基が停止していた 56

ストーリー by nagazou
ギリなんとか 部門より
AC0x01 曰く、

月面着陸に成功したものの太陽電池が電力を発生しないトラブルに見舞われている小型月着陸実証機SLIMだが、JAXAは25日、100m精度のピンポイント着陸の技術実証が達成できたとみられることと、小型ロボットSORA-Qが着陸後のSLIMの撮影に成功していたことを発表した(着陸結果の発表, 撮影成功の発表)。

まず着陸についてだが、データの分析を行った結果、SLIMは当初の目標着地地点から東側に55m程度の位置で月面に到達していることが確認されたという。SLIMは高度50m付近までは3~4m程度という極めて高い精度で着地地点に降下したが、障害物回避マヌーバの直前に2基のメインエンジンの1基が推力を喪失。ソフトウェアは自律的に異常を判断し、もう1基のエンジンで出来るだけ位置を調整しながら降下を行っていたとのこと。エンジンの機能喪失原因は、エンジン外の何らかの外的要因と考えられるが調査中としている。

次に写真についてだが、こちらはSLIMに搭載されていた2機の超小型機のうち、タカラトミーなどと共同開発したLEV-2「SORA-Q」が写真撮影に成功しており、その中に着陸したSLIMが映し出されていたという。写真のSLIMはスラスターを上に、頭から地面に着地するような姿勢になっており、想定されていた二段階着陸ではなく不時着のような印象ではあるが、月面に降り立っていることが確認できる。予想外のエンジントラブルがあった中では、うまく着地できたと言えそうである。

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  • 爆散しなかったんだから (スコア:5, おもしろおかしい)

    by hinatan (24342) on 2024年01月26日 15時31分 (#4599601) 日記

    成功だねぇ。写真もあるとは。
    100年後に、ひっくり返った状態で現地に銅像立って観光地になってますわ

    • by Anonymous Coward on 2024年01月26日 17時02分 (#4599655)

      どういう状態になっているのかが分かるって、打ち上げた人達は嬉しいだろう
      まさに百聞は一見にしかず
      突っ伏したというかごめん寝状態だが、行方不明と比べると雲泥の差

      親コメント
    • そばには、きょろきょろしている SORA-Qもお願いします。
      この写真1枚で、どれだけ成果がわかりやすくなったことか....

      次が楽しみ。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        そこはちょろちょろって言うべきできは。

    • by Anonymous Coward

      テレメトリから予想されていた通り逆さに突き刺さってた

  • > ソフトウェアは自律的に異常を判断し、もう1基のエンジンで出来るだけ位置を調整

    これを知っての最初に思い浮かんだのが、パトレイバー(漫画版)の、クラブマン・ハイレッグに対する評価
    「脚一本失っても立って歩いてやがる。 篠原重工のオートバランスは逸品だよ。」
    っていう後藤隊長の台詞。

    ひっくり返ったのは残念ですが、そもそもエンジン2個中1個ロストでも
    ちゃんと自動で姿勢制御できてるのすげーなーと思います。

    残り1基だけだと推進力が重心を通らないから機体が回転してしまいそうなものです。

    • ちゃんと考えられてます。角度とか。>推進力が重心を通らない

      いやネタじゃなくてマジで。
      2つのメインスラスタは平行ではなく、それぞれ少し外向きについていて、おそらく1つだけでも重心を通るようになってる。
      ジンバルがない場合に冗長性を得るには良く使われる手で、例えばはやぶさのイオンエンジンがそのようになっている。
      打ち上げ機でも、複数エンジンのクラスタの場合(固体補助ロケットとか)、ノズルが外向きのものがある。
      古くはデルタII [wikipedia.org]とか、最近だと長征5号シリーズ [youtu.be]などがわかりやすい。

      打ち上げ機の場合は推力が重心を通っていたとしても、エンジン1個死んだら軌道に乗らない可能性もあるが、有人打ち上げに使う場合などは脱出までの時間を稼げることになる。

      今回のSLIMの場合、残り50メーターのホバリング状態まで到達後に片方壊れたので、残りの推力はだけでもゆっくり降りることができた。
      ただしもしもっと前の段階で壊れたなら、片方だけでは推力不足で減速できず墜落してただろう。
      いったん50m地点でホバリング=速度ゼロにできてたからギリギリ成功したと言える。まさに60点…。薄氷の勝利とはまさにこのこと。
      片方だけではギリギリSMILを支えるぐらいしかできなかったそうなので、横に流れるのを止められなかったのだろうね。重心を考慮して推力軸を通したとしても、燃料消費などで重心は変動するので。

      親コメント
    • Μ-Ⅴだったか、その前の固体ロケットだったか。
      推力不足で脱出速度が得られないと判断して、(自律で)パワーダイブして速度を稼ごうとした奴がいた。
      全く別系統のコンピュータが、「下向きになったから失敗」と判断して自爆シーケンスに入った。

      日本のロケットはこのくらい優秀(?)。

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      エンジン2個中1個ロストで即墜落だと故障率2倍になってるだけなのでそれくらいは考えられてる角度とか
  • by Anonymous Coward on 2024年01月26日 15時29分 (#4599600)

    エンジンの機能喪失原因は、エンジン外の何らかの外的要因と考えられるが調査中としている

    そうなの?
    燃料の混合比に異常が出てて、破損したノズルの方が酸素リッチになってたと読んだんだけど。それが原因ではない?
    それにSLIMのエンジンって以前にノズル破損した「あかつき」と同じ仕組みだよね?
    外的要因よりエンジン自体に問題がありそうに思ったんだけど。

    まあ時が経てば説明があるだろうから、素人が憶測で下手なこと言うのは良くないよね。
    それに、それはそれとして、メインの技術実証はうまくいっててよかった。
    推進力不足でも安全に着地できて、想定以上の成果とも言えるんじゃない?結果的に絶妙なタイミングでノズル壊れたなってちょっと思ったw

    • by Anonymous Coward on 2024年01月26日 15時47分 (#4599611)

      https://www.jaxa.jp/projects/files/youtube/ml_slim_lev1_lev2/jaxa_doc0... [www.jaxa.jp]

      混合比に差は出ているが出力を失った-X側の方が負荷が低かったとあるね。
      軌道変更時や動力降下フェーズではもっと高出力で噴射していたことも鑑みて外的要因では?という判断。

      親コメント
    • 直線でも38万キロ飛んできてあと50mで壊れるかぁ

      外的言うてもなぁ
      隕石やデブリの類? 氷とかついてないよな
      もう傷んでて月面重力で壊れたとか?

      何か外れて落ちてきてもノズルに当たる角度になったりするんだろうか

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        月の低重力のせいで、エンジン噴射を受けて地上から跳ね返ってきた小石とかがぶつかったんじゃないか、って説は見かけたわ。
        こいつは他の月探査機と比べると着陸用のエンジンが機体の離れた場所に1基ずつあると言うことで、片方のエンジンの噴射で飛んだものがもう片っぽにあたっちゃのではと。
        地上のヘリとかでも噴射でものが飛んでくるのはあるらしく、同じ場所に2基冗長化されてる分には噴射で守られてるから大丈夫だけど、分けちゃった結果そうなったんじゃないか?と分析されてた。

        ただ、今回1基だけでもバランスを取って降りられたのは、エンジンの位置の関係もある…みたいな話も見たので、良く作用したのか悪く作用したのかはよう分からんな。

      • by Anonymous Coward

        SLIMのメインエンジンに使ってる500Nスラスターって
        金星軌道に突入する時にスラスターもげた金星探査機の「あかつき」と同じセラミック製スラスターだとか。
        軽くするために再生冷却の要らないセラミックにしてるんだろうけど
        そのためにエンジンが華奢になってたりしないかなと思う。

    • by Anonymous Coward

      外的要因って意味分からんよなぁ。「おれはしらん、エンジン作ったやつがわるい」って風にも聞こえた。
      パルス燃焼のせいでスロートからちぎれたんじゃなかったら、じゃあなんなんだと…

      • by Anonymous Coward

        隕石が落ちてきて当たった。
        月のうさぎが跳ねているときにぶつかった。

        とかが外的要因ではないだろうか。

        • by Anonymous Coward

          あるいはイトカワ星人

          ここにも・・・

      • by Anonymous Coward
        っていうか、「メインエンジン自体ではない何らかの外的要因」ってことなので、「エンジン作ったやつは悪くない。それ意外の何かを作った誰かがわるい」なんじゃない?
      • by Anonymous Coward

        バグ仕込んだやつだって、
        「俺は悪くない、想定外のデータを流したやつが悪い」とか言うじゃん。

    • by Anonymous Coward

      >>燃料の混合比に異常が出てて、破損したノズルの方が酸素リッチになってたと読んだんだけど。それが原因ではない?

      エンジン本体・ノズルを作った人の観点からの外的要因であって、制御系・バルブ系統は俺とは別の奴の担当なんだよという意見を表明していたのでは?

    • by Anonymous Coward

      あかつきはバルブの故障で設計意図よりも酸化剤が多く流れたことで燃焼温度が上がってノズルが壊れたんですよね。

      破損した側の燃料が酸素リッチになってたとすると、あかつきと同じ状況ということで説明が付きそうには思えます。

  • by Anonymous Coward on 2024年01月26日 15時38分 (#4599606)

    JAXAとしては原因究明のため回収したい気分だろうな

    • by Anonymous Coward

      ピンポイント着陸は今回実現したし、大型物資の大気圏突入のノウハウは
      NASAにもらうとかすれば技術的には今でもできそうですね。
      開発今から始めたらどんだけ早くても実現10年後とかになりそうですけど。

      その間にSpaceXが月からの輸送サービス始めそう。

      • by Anonymous Coward

        推測される範囲を直してもう1回飛ばして成功させる方が何桁ぐらい安くなるんだろう

    • by Anonymous Coward

      原因が分からない事には回収のために送った機も同じことになるデッドロックが発生しました

    • by Anonymous Coward

      さすがに回収は現実的ではないので、無人で十分な原因調査ができる探査機を開発して送りましょう。

    • by Anonymous Coward

      そりゃまぁもしも回収できるのなら貴重な情報源だろうけど、基本的に飛んでった宇宙機が回収できないのは大前提で、データだけから原因究明するのが当然という世界なわけで。

      むしろ、今回は落下したノズルが航法用画像に写っていた上に、SORA-Qの画像で着陸状況の答え合わせまでできているという、破格の好条件なんじゃないかしら?

      • by Anonymous Coward

        次のテーマが決まったじゃないですか!

        月からのサンプルリターンですよ。
        しかも、一度月面に降りた宇宙機 SORA-Q を回収してくるっていうミッション。
        狙ったところに何度でも降りられるという証明、ついでに石とか砂とかも~

        SLIM を希望する姿勢にするロボットも乗せちゃうとか~、同じところにどんどんおろして moon base を作っちゃうとか~

  • by Anonymous Coward on 2024年01月26日 16時28分 (#4599630)

    月面ブーストでこれまでの100倍ぐらい売れるかも。

  • by Anonymous Coward on 2024年01月26日 17時11分 (#4599659)

    アポロの写真と一緒だ
    安心した。

  • by Anonymous Coward on 2024年01月26日 22時57分 (#4599813)

    すげ〜、と思ったことのひとつ。

    着陸後に公表されたPDFの中に、「推定されている着陸姿勢」として、CG画像があるんですよね。
    https://www.jaxa.jp/projects/files/youtube/ml_slim_lev1_lev2/jaxa_doc0... [www.jaxa.jp]

    そして、今回公表されたSORA-Qから撮影されたSLIMの姿が、そのCG映像にそっくり。
    着陸した姿勢の傾きとかはセンサーのデータを元に推定されるだろうけど、映像の向きまでもほぼ同じ。
    「SORA-Qはこの方向に放出されているはずだから、撮影したとすればこの角度から撮影するであろう」という事まで想定して作成したCGなのでしょうか。それとも、作成したCGと同じ方向から、たまたまSORA-Qが撮影してくれた、という事なのでしょうか。
    または、SORA-QはSLIMの周りをぐるりと回りながら撮影したとか?

    いずれにしても、すごいと思う。

    • by Anonymous Coward on 2024年01月26日 23時58分 (#4599835)

      SORA-Qの写真を元にCGを作った可能性も。
      PDF資料の公開日とSORA-Qが撮影した画像の公開日が同じになっています。
      なお、SORA-Qは適当にうろついて最も探査機っぽいものが写っている写真を送信したみたい。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      明らかに犬神家の一族みたいな格好で着陸してるのに誰も拾ってくれないSLIMタンカワイソス。
      サイエンスZEROでは拾ってくれるか!?

    • by Anonymous Coward

      前に何度か撮影してるでしょ
      月周回衛星「かぐや」って知らないの?

      • by Anonymous Coward

        2009年に月に落として運用終了した宇宙機が2024年に月面に降りたSLIMをどうやって撮影するんですかね。

        親コメはSLIMの姿勢の再現精度の話で月面状況の話ではないし、
        周回軌道からの景色と表面からの景色は結構違うと思うよ……

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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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