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国際宇宙ステーション

長期間の宇宙滞在、腸内細菌のバランスが変化する一方で多様性は変化しない 11

ストーリー by headless
腸内 部門より
1年近くにわたり国際宇宙ステーション(ISS)に滞在したNASAのスコット・ケリー宇宙飛行士の生物学的変化について、一卵性双生児のマーク・ケリー宇宙飛行士を比較対象とした研究で、腸内細菌に関する研究を担当するノースウェスタン大学が予備的な研究結果を発表している(ノースウェスタン大学のニュース記事NASAの記事The Vergeの記事)。

スコット宇宙飛行士は宇宙滞在中、主要な2つの腸内細菌グループであるフィルミクテス門とバクテロイデス門の細菌のバランスが変化したという。しかし、地球に帰還すると出発前のバランスに戻ったそうだ。また、宇宙滞在中も腸内細菌の多様性に変化が見られなかったことは驚くべき発見だとしている。

一方、同期間中を通して地球にいたマーク宇宙飛行士の場合、腸内細菌グループのバランスに大きな変化はみられなかったとのこと。なお、一卵性双生児といっても環境や食事が異なるため、すべての時点で2人の腸内細菌の分布は異なっている。

ケリー兄弟を対象にした長期の宇宙滞在における生物学的変化の研究は、NASAの資金提供により10チームがそれぞれ異なる分野を担当して進められている。各チームの研究成果は先日、NASA Human Research Program Investigators' Workshopで初めて共有された。

現時点で得られたデータの意味は判明していないが、研究を通じて火星への有人ミッションのような長期間の宇宙滞在で、宇宙飛行士の健康維持につながる知見を得ることが期待されている。
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JAXA

こうのとり6号機、宇宙ゴミ除去実験のためのワイヤー打ち出し失敗 16

ストーリー by hylom
リベンジなるか 部門より
あるAnonymous Coward曰く、

国際宇宙ステーション(ISS)への補給任務を終え、先日28日にISSから分離した補給機「こうのとり6号機(HTV6)」による宇宙ごみ除去実証実験が、ワイヤーの打ち出し失敗のため中断されたという(sorae.jpNHK)。

今回の宇宙ゴミ除去実証実験「KITE」は、長さ700メートルの「テザー」と呼ばれる導電性ワイヤーを展開して電流を流すことでローレンツ力を発生させ、スペースデブリのスピードを落として大気圏に落下させるというもの。しかし、今回ワイヤーを打ち出すことができなかったため、実験そのものが行えない状況となっているそうだ。

JAXAはこうのとり6号機が大気圏へ突入する直前となる2月4日までに再度ワイヤーの打ち出しを試みるとしている。

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地球

ビル・ゲイツ、気候変動を否定してはならないと警告 96

ストーリー by hylom
オルタナティブ・ファクトのパワーワード感 部門より
あるAnonymous Coward曰く、

金曜日にコロンビア大学で行われたイベントで、ビル・ゲイツは実業家のウォーレン・バフェットらとともに学生との質疑応答セッションに参加した。その中で、ゲイツ氏は気候変動を否定するべきではないと警告、クリーンエネルギーの革新を推進するよう促した。気候変動は非常に複雑であるため、幅広い理解を得るのは難しい。しかし、地球は信頼性の高い安価でクリーンなエネルギーを見つけ出す必要があると話した。

彼と投資家のグループは12月、世界の温室効果ガス排出量を削減するブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズに10億ドル以上を投資すると発表している。このコメントはトランプ政権の環境政策排除を意識したものだと思われる。参加している投資家には反トランプ組も含まれる。

なおSlashdotのコメント欄は「地球温暖化の存在は『オルタナティブ・ファクト』だ」というネタで盛り上がっている(USA TODAYSlashdot)。

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サイエンス

人類の遠い祖先だった可能性のある「肛門の無い袋状の生物」 33

ストーリー by hylom
そりゃ進化論を否定したくもなるよね 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

中国でその化石が発見された「サッコリタス(Saccorhytus)」という生物が、人類の祖先である可能性があるという研究結果が発表された(Nature誌掲載論文BBCAFPSlashdot)。

サッコリタスは1ミリメートル以下という大きさの卵形生物で、大きな口をもち、また肛門に相当する器官はなかったという。この生物は後口動物(新口動物)に分類されるとのこと。後口動物はその後進化して脊椎動物になり、人類に繋がったと見られているため、このサッコリタスは人類の遠い祖先である可能性がある。

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ネットワーク

細菌は電気信号でコミュニケーションを行っている 32

ストーリー by hylom
最近の細菌情勢 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

台所のぬめりに集まった細菌は「電気信号」でコミュニケーションしている』そうだ。この方法では、異なる種の細菌ともコミュニケーションをとることができるとう。

この延長線上に、多細胞生物の神経や脳があるのかも、とタレコミ子は思うのでした。

研究では、「ぬめり」などに存在するバクテリアのコロニーである「バイオフィルム」において、内部に含まれる複数種の細菌が共存しながらコロニーを拡張していることに注目。異種間でコミュニケーションが行われているのではないか、もしコミュニケーションができるのであればそれは電気信号を使っているのでは無いか、という発想からスタートしたという。

調査の結果、細菌は細胞膜からカリウムイオンを放出することで情報を伝達しており、これはニューロンによる信号伝達に近いことが分かったという。

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医療

ラットの体内でマウスのすい臓を作製しマウスに移植することに成功 7

ストーリー by hylom
人間に応用できるのはいつの日か 部門より

1月26日、東京大学および科学技術振興機構、日本医療研究開発機構がすい臓を欠損しているラットの体内でマウスの多能性幹細胞由来のすい臓を作製することに成功したと発表した(朝日新聞SlashdotNature誌掲載論文)。

さらに、このすい臓から分離したすい頭を糖尿病モデルマウスに移植したところ、移植直後の5日間を除いて1年以上免疫抑制剤無しで正常な血糖値を維持できたという。

将来はヒトの臓器を動物でつくらせる研究につなげたいとしている。なお、Slashdotのコメントでハイスラム教徒やユダヤ人が豚から臓器移植を受けた場合、どう反応するかという疑問が提示されていて幾分興味深い。

昨今では移植対象とは異なる種を使って移植用の臓器を作製する試みがいくつか研究されているが(過去記事:遺伝子操作したブタの肺を「代替臓器」として人間に移植する試み、10年以内に実用化か豚の細胞を人体へ移植する実験、ニュージーランドでゴーサイン)、別の種の動物に作らせた臓器を移植し、治療効果が確認されたのは初めてだという。

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バイオテック

長期の宇宙滞在における生物学的変化、一卵性双生児の宇宙飛行士で確認される 6

ストーリー by hylom
比較実験 部門より
headless 曰く、

NASAでは長期の宇宙滞在における宇宙飛行士の生物学的変化について、一卵性双生児であるNASAのスコット・ケリー宇宙飛行士とマーク・ケリー宇宙飛行士からサンブルを採取して研究を行っている。その研究結果の一部が、NASA Human Research Program Investigators' Workshopで発表された(NatureSlashGearThe Verge)。

ISSでレタスを栽培し、枯れそうになっていたヒャクニチソウ花を咲かせたスコット宇宙飛行士は、2015年から2016年にかけて宇宙に340日間滞在し、過去の宇宙滞在を含めると合計520日となる。マーク宇宙飛行士は既に退役しているが、2001年から2011年の間に4回のスペースシャトルミッションで合計54日間宇宙に滞在した。2人は同じ遺伝子を持ち、同様の生活体験をしているが、スコット宇宙飛行士は1年近く継続的にISSに滞在していた。その結果、遺伝子から腸内細菌まで幅広い変化が見られたようだ。

スコット宇宙飛行士のテロメアの長さは科学者の予想に反し、宇宙滞在中にマーク宇宙飛行士よりも長くなったそうだ。しかし、地球帰還後は比較的速く元の長さに戻ったという。原因については科学者が研究を進めており、別途実施されている他の宇宙飛行士10名のテロメアに関する研究も2018年までに完了する。これらの研究により、より詳しく宇宙飛行がテロメアに及ぼす影響がわかってくる可能性もある。

また、スコット宇宙飛行士のDNAメチル化は宇宙滞在中に減少し、同期間のマーク宇宙飛行士は増加している。こちらもスコット宇宙飛行士の地球帰還後、2人とも元のレベルに戻った。現時点では、これが何を意味するのかは明らかになっていない。一方、遺伝子発現シグネチャーは環境の変化に伴って変動するが、スコット宇宙飛行士は宇宙環境で大きなストレスを受けたためか、通常よりも変動が大きかったとのことだ。

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サイエンス

マウスの「狩り」を司る脳の領域を操作する実験 20

ストーリー by hylom
人間にも使えるのだろうか…… 部門より

マウス脳内で、「狩り」を行う本能を制御する領域が特定された。さらにこの領域に対して操作を行うことで、マウスに対し外部から狩りを行うように操作することができたという(NewScientistCell誌掲載論文)。

今回特定されたのは、獲物を追いかけるための指示を出す領域と、噛み付くための首やあごの筋肉をコントロールする領域。実験では、今回特定された脳内の領域をレーザー光によって活性化させたという。その結果、通常はケージ内を歩き回っているマウスが、その通り道にあるものすべてに対して攻撃的になり、ボトルキャップなどの餌ではないものに対しても攻撃を行うようになったという。さらに、獲物に襲いかかった後はそれに噛み付き続けるようになったそうだ。

また、獲物を追いかける領域のみを無効にした場合、獲物を狙う行動は遅くなったが噛み付く行為は行ったという。逆に噛み付く領域のみを無効にした場合、獲物に飛びかかることはしたものの、噛み付くことはしなくなったそうだ。

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教育

米Amazon.com、科学に親しめる玩具を毎月配達する新サービス「STEM Club」を開始 33

ストーリー by hylom
子供の科学的な 部門より
qem_morioka 曰く、

米Amazon.comが、毎月さまざまな知育玩具を配達する「STEM Club」というサービスを開始した(PC Watch)。料金は月額19.9ドル(約2,300円)。

3~4歳向け、5~7歳向け、8~13歳向けという3つのコースが用意されているとのこと。技術立国とかモノづくり日本とか言ってる割に次世代の理系離れに拍車がかかってる間に、アメリカではこんなサービスが。

ぜひ日本で開始する際には誠文堂新光社と学研を混ぜてもらいたいもんだ。

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サイエンス

「金属水素」、ハーバード大学がついに作製成功 68

ストーリー by hylom
エネルギー革命を起こせるか 部門より
acountname 曰く、

ハーバード大学の研究者らが、金属水素の作製に成功したと発表した(Science誌掲載論文ハーバード大学の発表Phys.orgGIGAZINE)。

水素は周期表の上ではアルカリ金属が含まれる第1族に属しており、高圧をかけると金属化するだろうという予想は昔からされていたものの、これまで誰も作製に成功していなかった。今回ハーバード大学のD. Cabot教授らのチームは495GPaという超高圧をダイヤモンドアンビルセル(高圧力を印加する装置)間に掛けることで気体分子状水素を圧縮し、原子状の金属化水素を生成した。アンビルセルの作り方もかなり工夫されており、高圧の水素がダイヤに浸み込んで脆弱にならないようにアルミを挟むなど手間を掛けている。

超高温・高圧で作ったダイヤモンドが常温でもその性質を保つように、金属水素もまた、常温で安定である可能性が高い。また常温超伝導体である可能性も示唆されている。金属水素を燃料として扱うなら、たとえばこれまでのロケットの燃焼時間が450秒だったものを一気に1700秒に引き上げられ、惑星間探査が格段に楽になる可能性がある。

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宇宙

ボーイング、軽量化された真っ青な新型宇宙服を公開 19

ストーリー by hylom
現実が追いついてきた 部門より
AC0x01 曰く、

米ボーイングは25日、同社が開発を進める有人宇宙船「CST-100 スターライナー」と合わせて開発された新型宇宙服「Boeing Blue」を公開した(sorae.jpCNNGIGAZINESlashdot)。

Boeing Blueで一番目を引くのは、まずはその名の通りの真っ青なスリムなデザインであろう。しかし機能的にも、重量が約13.6kgあった従来の宇宙服と比べて約9kgと大幅な軽量化が図られており、外部冷却装置も不要となっている。ヘルメットも小型化されているため、従来の宇宙服と比べて全体的に細身な印象を受ける。また手袋をはめたままでもタッチパネルを操作できるようになるなど、最近のコンピュータ事情に合わせた改良も行われている。

スターライナーの初打ち上げは2018年12月以降に予定されており、その際はこの新型宇宙服を身にまとった宇宙飛行士を目にすることができるだろう。

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政治

米トランプ政権、政府系組織に対しマスコミを含む外部への情報提供を一時停止するよう命じる 93

ストーリー by hylom
米国の中国化 部門より

米トランプ大統領が米政府系組織に属する研究者らに対し、箝口令とも言える指示を出したことが報じられている(Scientific AmericanBuzzFeed)。

米環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)や米農務省(U.S. Department of Agriculture、USDA)などが職員に対しメールで伝えたもので、これには組織での研究に関する情報提供や議論を組織外に対して行ってはいけないといった内容が含まれていたという。さらに、税金によって行われた研究の成果などに関するプレスリリース/ニュースリリースの発行や外部への説明などについては今後新たな通知が来るまで停止させる、という話もある。停止させる対象には写真や各種データ、ニュース、ソーシャルメディアへの投稿なども含まれているとのこと。

ただ、Scientific Americanによると、論文の投稿や、組織が認めたメディアへのインタビューに関しては許可されているようだ。

さらにトランプ政権は環境保護庁に対しては気候変化に関する情報を掲載しているWebページを削除するよう指示を出したことが伝えられている(Reuters)。こちらはReutersが環境保護庁の職員からの情報として伝えている。ただ、その翌日に気候変化情報ページの削除については延期されたとの報道も出ている(Science)。

そのほか、米バッドランズ国立公園の公式Twitterアカウントが投稿した地球温暖化に関するツイートが、その後削除されるという事件も発生した(BBC)。この事件後、政府系組織の「非公式」Twitterアカウントが次々と登場しているという。

なお、トランプ大統領は軍事や国家安全、公衆安全関連以外の政府関連機関の労働者雇用を凍結させる大統領令への署名も行う予定だそうだ。これにより、政府機関での科学関連研究は大きく制限される可能性がある。

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日本

国産ロケットを敬遠する国内企業や防衛庁 38

ストーリー by hylom
ロケット打ち上げもサービス 部門より

sorae.jpの『防衛通信衛星で見える「宇宙開発の不都合な真実」』という記事によると、防衛省や国内企業は日本製の衛星打ち上げ用ロケットや衛星バスについて、あまり選択したくないと考えているようだ。

理由の一つはその価格で、国内打上げロケットは約20~30%、国内衛星バスは約15%程度割高だという。さらに、打ち上げスケジュールの柔軟性やバックアップ体制についても不足しているという話も出ている。

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テクノロジー

超高速カメラを使って光の衝撃波を撮影することに成功 36

ストーリー by hylom
光のソニックブーム 部門より

米セントルイス・ワシントン大学の研究者らが、「光の衝撃波(マッハコーン」)を観測することに成功した(GIGAZINEEngadget JapanesePhys.org)。

衝撃波は、非常に速いスピードで移動する物体の周りに発生する圧力波であり、ソニックブームの発生原因であることで知られている。光でも同様の現象が発生することは予測されていたが、これを物理現象として実際に記録できたことは初めてだという。

実際に光速を超えて物体を移動させることは困難であるため、実験ではレーザー光を使って擬似的に光の衝撃波が発生したような状況を再現、それを毎秒1000億フレームの撮影が可能な超高速度カメラで撮影したとのこと。

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宇宙

宇宙人が二足歩行で2本の手を持つ理由 118

ストーリー by hylom
合理的な生物の姿とは 部門より

SF映画に登場する宇宙人が人間に近い「頭1つ、手足2本ずつ」という形状なのは「予算と想像力」が理由だというが、実際に宇宙人が存在したとしたら、それは人間に近いような形状である可能性が高いという(ギズモード・ジャパン

記事では「地球上の生命は地球外からやってきたDNAに由来する、そのため宇宙人も同じような形状を持っているはず」という説や、「人間は現在の形状であるからこそ高度な知的生命体に進化できたため、地球外知的生命体も類似した部分を持っているはず」という説、「知的生命体は少なくとも左右対称の形であるため、その制約下では必然的に手足2本ずつの形状になる」といった説が紹介されている。

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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー

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