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アメリカ合衆国

米国・ヒューストン、洪水に浮かぶヒアリの筏 67

ストーリー by headless
交代 部門より
ハリケーン Harveyによる洪水で大きな被害の出た米国・テキサス州のヒューストンで、筏状になって水面に浮かぶヒアリのコロニーがあちこちで目撃されたそうだ(The Vergeの記事WIREDの記事)。

ヒアリは巣が浸水すると、お互いに脚を引っ掛けて筏になり、女王アリや卵、幼虫、サナギを守るのだという。上下入れ替わって水中に沈む部分の担当を交代するといった行動もとるそうだ。水が引くか、流されて水のない場所にたどり着くと、そこに新たなアリ塚を築く。南米・アマゾン原産のヒアリは定期的に発生する洪水を生き延びるため、このような習性を身につけたと考えられているようだ。

人がヒアリの筏にぶつかると陸地と認識され、ヒアリが体に登ってきてしまう。ヒアリに刺されても大事に至る可能性は低いが、刺されないに越したことはない。ヒアリの筏は鉄さび色で目立つので、浸水している場所を人が歩いて移動する場合などには近寄らないよう、専門家などが注意を呼び掛けている。

なお、ハリケーン Katrinaもヒアリの生息する地域で洪水を引き起こしているが、この時には特に話題にはならなかったようだ。KatrinaはHarveyと比べて浸水が非常に速く進んだため、筏を組む前に流されてしまったらしい。
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テクノロジー

1960年代初めに開発された物語自動生成システム 14

ストーリー by hylom
発展の原点 部門より
headless曰く、

現代ではコンピューターに物語を生成させるさまざまな試みが行われているが、1960年代初めに言語学者Joseph E. Grimes氏が開発したコンピューターによる物語自動生成システムについて、本人からの聞き取りも含めた幅広い調査結果の論文を米カリフォルニア大学サンタクルーズ校のJames Ryan氏が発表している(論文The Register)。

現在、最古の物語自動生成システムとして広く知られているのは1971年に報告された言語学者Sheldon Klein氏によるミステリー小説自動生成システムだが、Grimes氏は1960年または1961年の夏にメキシコ国立自治大学のIBM 650を使用して物語自動生成システムの開発を始めていたそうだ。システムは機械語で書かれていたが、のちに使用したIBM 1401(メキシコ国立自治大学のものと米オクラホマ大学のものを使用)ではFORTRANでプログラミングしたようだ。

Grimes氏は研究を発表しておらず、資料はほとんど残っていないが、研究を知ったIBMメキシコが1963年に取材し、IBMの「Business Machines」誌に掲載されていたそうだ。Grimes氏のシステムはVladimir Proppが「民話の形態学」で分類した物語の要素(31種の機能と7種の登場人物)を用い、モンテカルロ法により選択した要素を組み合わせて自然言語(英語またはスペイン語)による文を生成する。研究の目的は物語の生成そのものではなく、生成した物語を言語研究のためのツールにすることだったという。

現在唯一残されている出力結果は、同誌に掲載されていたもので、

A LION HAS BEEN IN TROUBLE FOR A LONG TIME. A DOG STEALS SOMETHING THAT BELONGS TO THE LION. THE HERO、LION、KILLS THE VILLAIN、DOG、WITHOUT A FIGHT. THE HERO、LION、THUS IS ABLE TO GET HIS POSSESSION BACK.

(ライオンは長らく問題を抱えていた。犬がライオンの持ち物を盗むのだ。英雄のライオンは戦わずして悪漢の犬を殺す。かくして英雄のライオンは彼の持ち物を取り返すことができた。)

といったものだ。「a lion」→「the lion」→「the hero、lion」というような参照表現や、「thus」で結論を導く点などが当時としては最新の自然言語生成であったとみられる。しかし、退屈な物語しか生成できず、Grimes氏は他の分野で成功していたことから、プロジェクトは終了することになる。

論文では1961年にCBSテレビの番組で紹介されたMITの「SAGA II」が最も古い物語自動生成システムの可能性が高いとしつつ、SAGA IIは西部劇の1場面(のト書き)を生成するものであり、完結した物語を自動生成するシステムとしてはGrimes氏のシステムが最古だと述べている。また、Proppの構造を使用した最古のシステムでもあるとのことだ。

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ニュース

高エネルギー加速器研究機構(KEK)、9月3日に一般公開 13

ストーリー by hylom
夏休みは終わってしまいましたがいかがでしょう 部門より
KAMUI 曰く、

この9月3日に高エネルギー加速器研究機構(KEK)の「つくばキャンパス」が一般公開される(KEK一般公開 2017)。

施設公開では観測機器の見学に加えて加速器の中を歩けたりするほか、研究施設での体験型展示や体験コーナー、一般向けの講演会やサイエンスカフェも実施される。公開時間は9時から16時30分までで、TXつくば駅との間に無料の送迎バスが運行されている(自家用車での来場も可能)。

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宇宙

「ダイヤモンドの雨」を地球上で再現 57

ストーリー by hylom
天王星や海王星に行けるようになったらダイヤの価格が暴落するのかも 部門より

氷や水を主体とする巨大な惑星である天王星型惑星では、超高温・超高圧によってダイアモンドが生成され、「ダイアモンドの雨」のようなものが降る現象が発生するという。この現象を実験室で再現することに成功したそうだ(Nature Astronomy掲載論文GIGAZINESLAC National Accelerator Laboratoryの発表)。

この研究では、X線自由電子レーザーを用いて非常に強い力を擬似的に生成し、これを利用して炭素からダイアモンドを生成することに成功したという。ただし、生成されたダイアモンドは1ナノメートル未満という超微小サイズとのこと。この手法で宝石に使えるようなダイアモンドを生成するのは難しいようだ。

なお、天王星や海王星で実際に降っているダイヤモンドは一粒が何百万カラットにもなる大きなものと考えられているそうだ。

13391629 story
Java

カフェインを摂取すると甘味を感じにくくなるという研究結果 40

ストーリー by headless
ダバダー 部門より
カフェインの入ったコーヒーを飲むと甘味を弱く感じるようになるという研究成果を米国・コーネル大学の研究者が発表した(Cornell Chronicleの記事Consumeristの記事論文アブストラクト)。

マウスを使用した研究で、甘味に敏感な味覚細胞にはアデノシン受容体があり、内在性アデノシンにより活性化されて味蕾で甘味の信号を強化する働きがあると報告されている。一方、コーヒーなどに含まれるカフェインはアデノシンの働きを抑制する働きがあることから、ヒトの甘味を感じる強さがカフェイン摂取により変化するかどうかを調べたのだという。

実験では甘味を付けたカフェインレスのインスタントコーヒーを使用。被験者はランダムに割り当てられた200mgのカフェインを加えたコーヒーと、キニーネでカフェインと同様の苦みになるよう調整したコーヒーを飲み、続いてショ糖の水溶液を飲んで甘味の強さを評価する。さらに割り当てるコーヒーを入れ替えた実験を別の日に実施している。その結果、カフェイン入りのコーヒーを飲んだ場合はコーヒーとショ糖水溶液の甘味をいずれも弱く感じるという結果になったとのこと。

さらに、被験者はカフェインの有無による違いがわからず、コーヒーを飲んだ後は同様に覚醒レベルが高まったと回答したそうだ。ただし、カフェインなしのコーヒーを飲んだ被験者の反応速度に顕著な向上はみられなかったようだ。これについて研究者は、コーヒーを飲むという行為によるプラセボ効果または条件反射ではないかと述べている。
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宇宙

SpaceXのロケット打ち上げ回数、今年はロシアを上回る? 14

ストーリー by headless
回数 部門より
SpaceXは日本時間25日、Falcon 9ロケットによる台湾国家宇宙センターの地球観測衛星「FORMOSAT-5」の打ち上げミッションを米国・カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地で実施した(SpaceXのツイート[1][2]Ars Technicaの記事The Vergeの記事動画)。

打ち上げが行われたのは日本時間25日3時51分。約11分後にFORMOSAT-5は地球低軌道(LEO)へ投入され、打ち上げは成功した。Falcon 9ロケット第1段は太平洋上のドローン船「Just Read the Instructions」上に着陸し、回収も成功している。

2017年に入ってから、SpaceXによるロケット打ち上げは今回で12回目。すべての打ち上げが成功しており、過去の年間最多打ち上げ回数を既に50%上回っているという。今年の軌道投入を目的とした打ち上げの成功回数ではロシア(11回)を上回る。実際のところ、ロシアの打ち上げ回数がSpaceXを上回ったのは6月23日のSoyuz 2-1vロケット打ち上げ時のみ(8回目)。SpaceXは約1時間後に打ち上げを行い、再び同数となった。その後も何度かロシアが追い付いているが、SpaceXが先行している状態だ(Space Launch Report — 2017 Orbital Launch Log )。

米国ではUnited Launch Allianceも5回の打ち上げに成功しており、Orbital ATKが26日にMinotaur IVロケットの打ち上げに成功したため、米国の打ち上げ成功回数は合計18回。このほか、中国と欧州が6回、日本とインドが4回の打ち上げに成功している。
13389169 story
テクノロジー

NICT、レーザーカオス由来の乱数を使って教科学習プロセスを高速化できることを実証 30

ストーリー by hylom
AIブームに乗っかってみました的案件か 部門より

情報通信研究機構(NICT)が、半導体レーザー由来の光カオスを強化学習アルゴリズムに使用するための乱数源として使用できることを実証したと発表したPC Watch)。

強化学習のアルゴリズムでは乱数を使用するものがあるが、高品質な疑似乱数を高速に生成することは難しいことが知られている。乱数を高速に生成する手法として、半導体レーザーに外部から光を注入するとランダムな振る舞いを示す状態(カオス)となることを利用するものがあるが(過去記事)、今回の研究ではこの手法を使って乱数を生成することで、コンピュータなどの疑似乱数生成器を使用する場合と比べて大幅に高速に教科学習プロセスを実行できることを確認できたとしている。

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サイエンス

芸能人らが宣伝する「ビタミンCの吸入摂取」、効果や安全性に関する十分なデータは無い 49

ストーリー by hylom
問題が発生してからでは遅い 部門より

最近、モデルや俳優などがInstagramなどのSNSで「ビタミンCを吸入で摂取できる」という電子たばこのような製品をアピールすることが多いそうなのだが、こういった「ビタミンCの吸入での摂取」について、人体への効果・影響や安全性に関するデータはないという(BuzzFeed)。

BuzzFeed Newsが国立健康・栄養研究所に取材したところ、「吸入によって摂取できるビタミンCの量はわずかと思われるため、気分的に良いと思えるかもしれませんが、実質的にはほとんど意味はない」という回答が得られたという。また、この製品や行為自体が安全かどうかというデータもないとのこと。こういった製品を販売する会社も「ビタミンCを摂取できる」とは主張しておらず、「インフルエンサー」が勝手にそう主張しているとしている。

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サイエンス

水と二酸化炭素、微生物、電力から食品を合成する研究 60

ストーリー by hylom
歩留まりは改善できるのか 部門より

水と二酸化炭素、微生物を反応させて人間が必要とする栄養を備える粉末を合成するという研究が進められているそうだ(WIREDLappeenranta University of Technologyの発表)。

この粉末は、合成に電力を使うことから「電気から作る食品」と呼ばれている。成分は50%以上がタンパク質、25%が炭水化物、残りは脂肪と核酸とのこと。

ただ、1gの生産に2週間以上が必要となる課題があるという。そのため、実用化への道のりはまだ長いようだ。

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宇宙

航空自衛隊に「宇宙部隊」を創設へ 44

ストーリー by hylom
世界各国に続け 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

海外では「宇宙軍」を設立する国が増えているが、ついに日本の自衛隊も宇宙進出を行うようだ。読売新聞によると、防衛省が航空自衛隊に「宇宙部隊」を創設する方針だという。

残念ながら宇宙に自衛官を送り込むといった計画ではなく、まずは宇宙の監視活動、とくにスペースデブリや対衛星兵器などの監視を行うという。活動開始は2023年度を目標としているようで、2018年にまず人材育成のための予算取得を目指すようだ。

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NASA

地球に最も近いハビタブルゾーンの系外惑星「プロキシマb」には大気がない可能性 43

ストーリー by headless
大気 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

旧聞となるが、昨年発見され、地球に最も近いハビタブルゾーンに位置する系外惑星として話題になった「プロキシマb」には大気が存在しない可能性が高いことがNASAの最近の研究で明らかになった(NASAのニュース記事論文アブストラクトマイナビニュースの記事)。

主星の「プロキシマ・ケンタウリ」は太陽と比べて温度の低い赤色矮星だが、極めて近い位置を周回するプロキシマbは液体の水が存在可能な温度だと考えられている。一方、プロキシマbが受ける極紫外線は地球が太陽から受ける量の数百万倍におよび、大気が消失する速度は最大で地球の1万倍に達する。そのため、地球の大気と同量の大気が最短で1億年、最長でも20億年で失われることになるという。プロキシマbは40億年前に誕生したと考えられており、既にすべての大気が失われている可能性が高い。

今回の研究は、これまで多く発見されてきた他の赤色矮星系のハビタブルゾーンに位置する系外惑星にも当てはまるという。ただし、確率は低いものの、活発な火山活動などにより大気が補充される可能性もあるということなので、そうした可能性に期待したい。

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JAXA

みちびき3号機の打ち上げが成功 62

ストーリー by headless
順調 部門より
三菱重工業とJAXAは19日、準天頂衛星システム静止軌道衛星「みちびき3号機」を搭載したH-IIAロケット35号機の打ち上げを種子島宇宙センターで実施した(プレスリリース内閣府特命担当大臣談話YOMIURI ONLINEの記事動画)。

打ち上げが行われたのは19日14時29分00秒。約28分37秒後、みちびき3号機は正常に分離されて打ち上げは成功した。みちびき3号機は所定の軌道に向け、順調に飛行しているとのこと。
13383612 story
サイエンス

琉球大の研究チームが国内では絶滅したとされていた野生のカワウソを発見、38年ぶり? 39

ストーリー by hylom
次はツチノコか 部門より
あるAnonymous Coward曰く、

琉球大学の研究者らが長崎県対馬に設置していた自動撮影装置にカワウソが撮影されていたことが発表された(琉球大学の発表PDF撮影された動画読売新聞)。絶滅したとされているニホンカワウソの可能性があるという。

日本においては明治時代までは全国にカワウソが生息していたそうだが、狩猟や生息地の破壊のため20世紀中ごろから後半には絶滅したとされている。「対馬で生き残っていた」「韓国から泳いで渡ってきた」「人間活動によって海外から持ち込まれた」といった可能性があるという。

これを受けて現在、環境省が対馬においてカワウソの生息状況調査を行っているとのこと。また、もしカワウソを見つけても餌付けしないこと、また糞を見つけても持ち帰らないことなどが「お願い」されている。

なお、最近話題の「けものフレンズ」でもニホンカワウソは登場しているが、同作内でもニホンカワウソは絶滅しひとりぼっちという扱いであった(Togetterまとめ)。

13383416 story
地球

水俣条約が発効、一定以上の水銀を含む製品の規制などが行われる 26

ストーリー by hylom
水銀の価格を金よりも高くするしかない? 部門より

水銀による環境汚染を防ぐことを目指す「水銀に関する水俣条約」が16日発効した(共同通信NHK朝日新聞)。

この条約は世界50カ国以上が締結しており、水銀鉱山の新規開発を禁止するほか、一定量以上の水銀を含む体温計や電池、照明器具などの製造および輸出入を2020年までに原則禁止する。また、廃棄や環境への放出についても規制が行われる。

日本での水銀による環境・人体汚染といえば水俣病が有名であるが、海外では金の採掘に水銀が使われ、それによる環境や人体への影響が問題となっているという。

また、これを受けて水銀ランプの代替品開発や水銀の処理といったビジネスが注目されているようだ(日経新聞)。

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人工知能

AIは人類に代わりに地球の支配者になるのか? 85

ストーリー by hylom
真面目な議論 部門より
あるAnonymous Coward曰く、

ロボット法学者とも呼ばれる法学教授のライアン・カロ氏は、ホワイトハウスでAI政策に関する最初のワークショップを主催した。人工知能に関して政策立案者が考慮すべき課題や専門家の意見を説明したとされる(SSRNnprSlashdot)。

課題の中にはイーロン・マスクやビル・ゲイツが主張するような「AIが暴走して人類に危害を加える問題」についても含まれていたようだ。ただし、シリコンバレーの関係者や人工知能研究者すべてがマスク氏らの考えに賛同しているわけではない。コンピュータ科学者のペドロ・ドミンゴス氏は、「AIの抱える問題点は人工知能が利口になったことで、世界のリーダーを人類から引き継ぐ」と言うことではないと主張している。

別の視点では、カール・フェルナンデス氏は、コンピュータにはテストステロンがないので支配欲は存在しないとしている。また、一部論者のように仮に人類がシミュレーション仮説のようにコンピュータ・シミュレーション上で生きているとした場合、AIが将来すべての人を殺してしまうとパラドックスが生じるというもはや哲学レベルの話もあったようだ。

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開いた括弧は必ず閉じる -- あるプログラマー

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