
無重力下の長期滞在には頚静脈血栓発症リスクがあるとの研究成果 22
ストーリー by headless
逆流 部門より
逆流 部門より
宇宙ミッションで無重力下に長期間滞在すると頚静脈血栓を発症する可能性を示す研究結果が発表された(論文、 New Scientistの記事)。
地球上で人は体を起こした状態で1日のおよそ3分の2を過ごし、残りの時間は横たわって睡眠をとる。体を横たえると頭から足先に向けた重力による静水圧がかからなくなるため、血液や組織液の再配分が毎日発生する。一方、無重力下では常に頭に向けた血液や組織液の再配分が続く状態となり、顔面腫脹や脚の容積減少、心臓の一回拍出量増加、血漿の減少などがみられる。4か月~5.5か月の宇宙滞在で内頚静脈の容積増加もみられることから、脳静脈の流出量にも影響する可能性がある。
研究は国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在(中央値210日)した各国の宇宙飛行士11名を被験者とし、心エコー装置による測定を出発前と帰還後に各1回、ISS滞在中に2回行っている。ISS滞在中は下半身陰圧負荷(LBNP)装置による25mmHgの陰圧をかけた状態での変化も測定された。その結果、11名中7名に内頚静脈における血流停滞や逆流がみられ、うち1名は1回目の測定後に頚静脈血栓が確認されたことから被験者から外し、帰還まで抗凝固薬による治療を行ったとのこと。
無重力下における内頚静脈の血流停滞や血栓の生成は民間人の宇宙旅行や火星探査など長期の宇宙探査ミッションで人の健康に重大な影響を与える重大な発見であり、宇宙飛行中の血行動態について幅広い評価が必要となる。研究ではLBNPの使用による血流の改善がある程度見られたが、最適な使用時間や頻度は不明であり、LBNPには失神などのリスクもある。そのため、地球上と同じ状態に血管生理を復元する対策について、LBNPを含めて調査する必要があるとのことだ。
地球上で人は体を起こした状態で1日のおよそ3分の2を過ごし、残りの時間は横たわって睡眠をとる。体を横たえると頭から足先に向けた重力による静水圧がかからなくなるため、血液や組織液の再配分が毎日発生する。一方、無重力下では常に頭に向けた血液や組織液の再配分が続く状態となり、顔面腫脹や脚の容積減少、心臓の一回拍出量増加、血漿の減少などがみられる。4か月~5.5か月の宇宙滞在で内頚静脈の容積増加もみられることから、脳静脈の流出量にも影響する可能性がある。
研究は国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在(中央値210日)した各国の宇宙飛行士11名を被験者とし、心エコー装置による測定を出発前と帰還後に各1回、ISS滞在中に2回行っている。ISS滞在中は下半身陰圧負荷(LBNP)装置による25mmHgの陰圧をかけた状態での変化も測定された。その結果、11名中7名に内頚静脈における血流停滞や逆流がみられ、うち1名は1回目の測定後に頚静脈血栓が確認されたことから被験者から外し、帰還まで抗凝固薬による治療を行ったとのこと。
無重力下における内頚静脈の血流停滞や血栓の生成は民間人の宇宙旅行や火星探査など長期の宇宙探査ミッションで人の健康に重大な影響を与える重大な発見であり、宇宙飛行中の血行動態について幅広い評価が必要となる。研究ではLBNPの使用による血流の改善がある程度見られたが、最適な使用時間や頻度は不明であり、LBNPには失神などのリスクもある。そのため、地球上と同じ状態に血管生理を復元する対策について、LBNPを含めて調査する必要があるとのことだ。
言い方ぁ! (スコア:1)
陰圧と負圧
地球上で人は体を起こした状態で1日のおよそ3分の2を過ごし、残りの時間は横たわって睡眠をとる。 (スコア:1)
Re: (スコア:0)
そういうのもういいから
Re: (スコア:0)
そういうのもいいから
Re: (スコア:0)
そういうのがいい
回転型の人口重力環境はダメ? (スコア:0)
※SFのスペースコロニーでは常識のアレ
Re:回転型の人工重力環境はダメ? (スコア:1)
コストがかかるから厳しいってことじゃね。
回転させるコストに回転に耐えれるよう強度を上げるコスト。
回転中でもアンテナや太陽電池なんかは特定の方向に向け続けなきゃならんし、
回転軸が故障すると大惨事。
対策費はいくらかかることか。
Re:回転型の人工重力環境はダメ? (スコア:4, 興味深い)
人間が入れるサイズではありませんでしたが、実は国際宇宙ステーション計画には人工重力実験を行うための大型の遠心分離機が含まれていました。
Centrifuge Accommodations Module [wikipedia.org]、通称セントリフュージといい、日本実験棟「きぼう」のスペースシャトルでの打ち上げの対価として宇宙開発事業団と三菱重工業が開発・製造していました。1990年代前半から設計が始まり、古い工程表を探すと2007年に打ち上げられる予定だったようです。構造としてはきぼうをただの缶に簡素化したようなもので、全体が回転するわけではなく、CBMから遠い底側に直径サイズの大きなプラットフォームが仕込まれる計画でした。
が、バブル崩壊とかソ連崩壊とかコロンビア号事故とかのあおりを受けISSも規模縮小や予算削減が繰り返されて放置モードが続き、最終的に計画中止となって残骸は筑波宇宙センターの駐車場に飾りとして置かれているそうです。
有人宇宙ステーションは微小重力といいながらも運用上の理由で度々加減速や姿勢変更がかかり、加速度がかからないという点を活かした化学実験ができないという話も見聞きしたことがあります。平成年間に三菱が製造する大型遠心分離機、と聞くとちょっと心躍りますが、実験の幅を狭めかねない振動モーターみたいなものは入れたくない、という声はもしかするとあったのかも。
Re:回転型の人工重力環境はダメ? (スコア:2)
いっそもっとアグレッシブに加減速して、前後に重力を発生させれば。
Re: (スコア:0)
恒星間飛行をやるならいずれ必要になる技術だけど、現時点では1G加速するための推進力を得続ける目処すら立っていないのでは
Re:回転型の人工重力環境はダメ? (スコア:2)
「加減速」
「前後」
Re:回転型の人工重力環境はダメ? (スコア:2)
ドラム式洗濯機を奥に深くしたような、ドラム式ベッドで寝るのはどうだろう。
カプセルホテルみたいにドラムの中に入って寝るような感じで。
これなら小型で済みそう。
睡眠中だけでも遠心力をかけていればマシだろうし。
Re: (スコア:0)
頚静脈血栓リスクとの天秤でしょうし、宇宙飛行士はモルモットか!とかとか、それによって死亡した場合の対処費用も影響するでしょうね。
Re: (スコア:0)
若者の短期の宇宙滞在くらいなら、せいぜい血栓を溶かす薬を常用するくらいでなんとかなるんじゃね?
という目論みもあるんでわ。それで駄目なくらいだったら、今までだってバンバン死んでるだろうし。
問題は今後長期にわたる宇宙旅行が実現したときだな。
火星移住とか、木星船団とか。
Re: (スコア:0)
居住性の問題もある。
人工重力なしだと一人当たり必要な空間(容積)という考え方が、人工重力ありだと一人当たり必要な面積という風に変わる。
十分なスペースを確保するには大気の影響を受けてながら高度を維持しなければいけないISSのような低軌道の宇宙ステーションだと厳しいかも。
Re: (スコア:0)
回転させるコストは別にISSに持ち込まなくてもできなくないかい?
地球から光で帆?を受けさせて回転させてやればいいんじゃない(できるのかは知らん)
ベッドルームはリボルバーのシリンダーみたくするか、
柑橘類の房みたいなハンモックスタイルにするかは、好みによる。
Re: (スコア:0)
きぼうのCBEFには人工重力発生装置が付いてました。
当然ですが、人間が乗れるサイズではありませんが・・・
Re:回転型の人工重力環境はダメ? (スコア:2)
セントリフュージの回転の開始とメンテナンスにはキックモーター(Hughes 376通信衛星がスピン安定化に使用したものと似たもの)が使用される。
うーん……
こまけぇこたぁいいんだよ (スコア:0)
ばんばん宇宙進出してばんばん死にまくった先に進化があるんだろ
素人考え。 (スコア:0)
戦闘機の対Gスーツみたいなヤツで対応可能では?と一瞬思ったが、圧力かける向きが逆だった。
だとすると、寝てる間(1日の2/3→1/3に減るが)与圧ヘルメット的なものかぶってその中の気圧を上げるとか?
肺(胸部)は加圧か与圧しとかないと息がしにくいかも。
アクアラングで潜る事考えれば2~3気圧はかけられる気がするが、それでは足らないのか?
血栓予防に (スコア:0)
納豆を毎日食べましょう。