SpaceX、ファルコン9ロケットの全段を再使用型にする計画を発表、逆噴射で垂直着陸 58
ストーリー by headless
往復 部門より
往復 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
米Space Exploration Technologies社(SpaceX)のイーロン・マスクCEO兼CTOは、National Press Clubで講演し、同社のファルコン9ロケットの全段を再利用可能にする計画を発表した( SpaceX社の更新情報、 sorae.jpの記事、 SpaceNews.comの記事、 本家/.)。
ペイロードから切り離した初段および2段目のロケットを制御して大気圏に再突入させ、逆噴射により打ち上げ場所に垂直着陸させるというもの。ファルコン9は低コスト化を意識して開発されたロケットで、2010年6月に初飛行を達成。ドラゴン宇宙船を積んでのISSへの補給任務を始めとするミッションに向けて用いられており、将来的には再使用を目指すとしながらも、現状は通常のロケットと同様使い捨てで運用されていた。再使用が実現すれば、打ち上げコストは100分の1になるという。
同社サイトにイメージ動画が掲載されているが、細長いロケットが次々と垂直着陸していく姿には非常に突飛な印象を受ける。しかし、未来の打ち上げ手段といわれるSSTOやスペースプレーン、軌道エレベータなどと違って、現代の技術では不可能というほどでもないのも事実と思われる。宇宙開発の曙となるのだろうか。
でっかいヤジロベー (スコア:0)
長い胴体が垂直着陸するって・・・実現したら是非現場で見てみたいなぁ。
着陸地点の風速とかの制限は結構ありそうだけど、多少ゆれながらも着陸できるなら素晴らしい。
ただ、実現云々はともかく逆噴射用の燃料とかで重量が増えて機構も複雑になるわけだし、採算性はどうなんだろうなぁ。
使い捨てと比べてペイロードは減るわけだし、パラシュート使って海に落とすよりはマシとはいえ機体のダメージの考慮も必要。1/100ってのは飛ばしすぎじゃないかなあ。
Re:でっかいヤジロベー (スコア:1)
そこまで細長くないけど、youtubeにありますね。
↓の3分40秒あたりから。
http://www.youtube.com/watch?v=kOXAEBRR0dI [youtube.com]
FPSゲーム「DOOM」「Quake」などの開発者であるジョン・カーマック氏がロケット作ってるのが面白い。
Re: (スコア:0)
第2のスペースシャトルになりそうですね
Re:でっかいヤジロベー (スコア:2)
だな。あんなぎりぎりの機械を何度も使うと毎回ばらして調べなきゃならん。
つまり使い捨てより高く付くわけで1/100なんてありえない。
あるいは比推力の悪化を許容して余裕を持った設計にするあたりか。
もちろん全体的に高いし燃料も大量に要るわけだが。
Re:でっかいヤジロベー (スコア:1)
一段目は、高度が出てなくて再突入不要だし、重量にも余裕を持てるので、帰還は不可能じゃないかもなと思いながら映像見てたのですが、
二段目が派手に大気圏再突入しているシーンを見て、思わず笑ってしまいましたw
三段目の着陸シーンでは、あの小さな着陸船で、よくあんなに盛大に炎が吐ける燃料の余裕があるもんだなと。。。。
Re: (スコア:0)
一段目はともかくとして、他はせめてパラシュート位は併用しないと無理なんじゃぁ・・・と思ったんですが、大気圏突入後にパラシュート使った後、パラシュートを破棄したとか何でしょうかね?
というか1段目もケツ中央のロケットエンジン1基だけで倒立制御できるのか正直疑問です。
転回に使ったスラスタでも使うんだろうか…にしてもシビアな気が
# 普通のロケットの1段目は複数基あるのが普通だし…
Re:でっかいヤジロベー (スコア:1)
本当に倒立制御できるんかい、というのは、まったく同感なんですが、パラシュートに関しては、
ロケットエンジンの逆噴射を本気で使うつもりなら、まあ基本、不要なのかなと。
再突入の超高速から、パラシュートが使えるようなかなりの低速までの減速は、そもそも、再突入体の空気抵抗によるものですし、
そこまで減速してもパラシュートの減速可能な速度幅って、意外と狭めなので、高速度用のドラッグシュート・低速度用メインパラシュートなど、複数用意しないといけないし、
紐が絡んで展開しないリスクとかも含めると、結構面倒なので、もし、本気で逆噴射が使えるとすれば、むしろ乗せたくない代物ですよね。
Re:でっかいヤジロベー (スコア:1)
SpaceXはもともと一段目の将来の再使用の計画を持っていたはずだが、今ここでこれほどまでに非現実的なプランをぶち上げたのは政府予算獲得か何かのためのパフォーマンスではないか?
Re:でっかいヤジロベー (スコア:1)
スペースシャトルのような固体燃料ロケットならともかく、液体燃料のエンジンを洋上回収した後のメンテナンスを考えると、1段目(と、Falcon9Heavyのブースタ)のエンジンの回収方法としてはありえなくもないのかもしれませんが・・・。2段目は構造重量比からも厳しそうな。ついでだから一発狼煙を上げておくくらいのつもりの発表なんでしょうか。
ちょっとオフトピ気味ですが、個人的にはDragon宇宙船が、HTVやもともとDragonが使う予定のCBM側ではなく、アンドロジナス機構(シャトル/ソユーズ/ATVのドッキング機構)にドッキングしているのが気になりました。
以前からCBMはISSに1本しかないカナダーム2頼りの機構であることが気になっていて、アーム壊れたら人員輸送は結局ソユーズ頼りになるんかいなと思ってましたが、自動ドッキングも含めてDragonの将来構想に含まれているということなんでしょうか。
Re: (スコア:0)
ふと思ったんだが、再突入時に180度方向転換・逆噴射して減速するときのタンク内の燃料の挙動はどうなるんだろう?
タンク上部にもロケット・エンジンへの燃料供給配管をつけるんだろうか?
>以前からCBMはISSに1本しかないカナダーム2頼りの機構であることが気になっていて、アーム壊れたら人員輸送は結局ソユーズ頼りになるんかいなと思ってましたが、自動ドッキングも含めてDragonの将来構想に含まれているということなんでしょうか。
どうなんでしょうね
そこまで先のことを考えているのか、ISS自体先が見えているので対応はあまり考えていないのか、ISS後の宇宙ステーションを想定しての自動ドッキング技術の開発を考慮してるのか
Re: (スコア:0)
実験レベルではこんなのがある
http://multimedia.cx/samples/mov/editlist/0625rvt6-42.mov [multimedia.cx]
Re: (スコア:0)
1/100ってことは最低でも100回(燃料や人間も含めてw)再利用できないといかんと思うわけだが。
RD-171でも10回程度、SSMEは何回使ったかわからないけど、全部の機体で135回でしかないわけで、100回の再利用が可能なエンジンというのがとんでもない代物であることがわかるかと思う。
打ち上げ場所に垂直着陸 (スコア:0)
ロケットの打ち上げってのは与える速度が半端ないので初段も2段目も
「打ち上げ場所」に戻ってくるなんてことはせず経路上の陸上基地に降ろす方式なんではと。
上記関連で通常は洋上に設定される打ち上げ経路をどうするつもりなのか、とか
1段目も2段目も使い捨てずに降ろす事でどの位余分の燃料消費が見込まれて、
ペイロードでどのくらい損するのかとか色々と妄想するのが楽しそうな案件ですなあ
Re:打ち上げ場所に垂直着陸 (スコア:1)
2段目は、地球をn周してから着陸するのでは。
1段目は・・・・・・・・・・・・・・
大気圏外に出ずに地球を1周とかどう考えても無理ぽ
あれですよ。
発射地点が複数ヶ所あればとりあえず「嘘ではない」。(元のじゃない)発射地点に着陸なんですよ、きっと。
サンダーバード3号方式か (スコア:0)
あまり現実的じゃないと思ったものだけど、まさか本気で計画するとは。
まあ、あちらは1段式なのでさらにハードルが高すぎだけど。
Re:サンダーバード3号方式か (スコア:1)
ウルトラホークなら2号ですね。
幼少期にサンダーバードとウルトラセブンを見たおかげで、
私はこの記事を読むまでロケットが垂直降下してくることが
「突飛な事」だとは全く思っていませんでした。
Re:サンダーバード3号方式か (スコア:2)
映画版に出てきた有人火星ロケット0X号の方がすごかった希ガス。
ロケット本体に翼となるリモコン機1号と2号が合体。
水平に離陸して切り離し後本体が火星まで行って、
探検車(司令船?)が火星に着陸。
探査後はそのまま飛び去ってまたロケットと合体。
地球に帰還後はロケットが大気圏突入し、リモコン機と合体。
水平着陸する。
。。。予定だったが2号との合体に失敗。2号は爆発炎上。
残された0X号を救助するために国際救助隊発進。
子供心に思ったのは「なでリモコン機に予備がないんだ」だったかな。
Re: (スコア:0)
予備があると映画の尺が余るから
Re:サンダーバード3号方式か (スコア:1)
この方式なら、発射場近くに下ろしやすくなるかも。
ここまでマグマ大使はなしか (スコア:1)
人型に変形までするとなると、さらにハードルがt
(半)復元 (スコア:0)
着陸時には
彈頭(?)以外はもとの場所に戻ってきて
更に元の形に戻っていたら面白い。
面白いというか可愛い。
# 「早く頭をくっつけてー///」的な
Re:(半)復元 (スコア:1)
># 「早く頭をくっつけてー///」的な
ちゃらっちゃー、ちゃりらりー,ちゃらっちゃー、ちゃりらりー、てってってってって
なんだかムークレスタの音が脳内に響いた
着陸制御はコンピュータやジャイロの発達でクリア可能なんだろうけど
今までのロケットが使い捨てなのは帰りの燃料分の重量が与える総重量が馬鹿にできないからだと思っていたのだがエンジン効率も上がってきて回収可能なレベルになったってことなんだろうか?
実現したら打ち上げより、回収を生で見たいが、怖いんだろうなあ
Re: (スコア:0)
物理法則や物理定数は変えれないので,
(しかもエンジンの効率なんてここ数十年たいしてあがってない)
思想的にはスペースシャトルから翼をとっただけのような気がする。
あんまりいい設計とは思わないような気もする。
構想自体は好きだけど。
Re: (スコア:0)
風とかあるだろうに、あんな長いもんの姿勢を一定に制御する技術がスゲーな
Re: (スコア:0)
×彈頭
○弾頭
せっかくなら (スコア:0)
しかし、ここまでピンポイントに軟着陸できるなら、
2段目は1段目が着陸した上に着陸させれば、もっとかっこいいと思う。
Re: (スコア:0)
どうせかっこよくするなら、是非空中で合体を・・・
Re: (スコア:0)
「コアファイターは脱出カプセルみたいな物だから、分離は早いけど合体は遅いんです。」
とかいうセリフを思い出した。
たしかに分離するだけならともかく、空中でドッキングはキツイよなあ。
RVT (スコア:0)
ISASでもRVT(http://www.isas.ac.jp/j/enterp/tech/flight/03.shtml)とかやってるけど、ここ5,6年大きな動きはないね。
相模原キャンパスの公開でも毎年全く変わらない展示をやってるし。
Grasshopper RLVは年70回打ち上げ (スコア:0)
2011-09-28 SpaceX、サブオービタル実験機開発計画明らかに:Grasshopper RLV [spaceref.co.jp]
この発表の直前にあったニュースですが、SpaceXも同じようなコンセプトの機体を作っているようです。
(というかFalcon9一段目を流用なのでこれが今回の再使用型のベースになるんだろうけど。)
興味深いのは「計画では年間最大70機の打ち上げを予定しており」というところで、何というか似たようなことやっててもパワーが違うなぁというのを感じます。
開発期間は3年程度らしいので、ISASはちんたらしてたら一気に置いてかれるぞー!
そもそも (スコア:0)
宇宙ステーションがあれば、物資輸送用にマスドライバーの類を開発(ステーションへの回収用推進装置付き)、人員輸送用にスペースシップ2の類を開発(放擲ポッド?、輸送ポッドと後で接続?)の二本立てでいいようなきがする。
Re: (スコア:0)
論外です
技術的裏づけのあるものと無いもの (スコア:0)
地球上でマスドライバーの類が簡単に実用できるなら苦労しないかと。
本文にあるSSTOや軌道エレベータと同じで、現代の技術では不可能な未来技術ですよ。
そういう意味で、今回のFalcon 9再使用型には期待しています。
逆噴射による垂直着陸は、1990年代の DC-X [wikipedia.org]で技術的に実証されていますし、同じく再使用を狙って失敗したベンチャースター [wikipedia.org]とは違って難しいSSTOを目指したりしていません。
スペースプレーンみたいに、新しい特殊なエンジンを開発しなければ、ということもありません。
原理的にはあくまでスペースシャトルなどと同じ類のも
Re: (スコア:0)
軌道上までマスドライバーだけに頼ってで放り上げるんじゃなくて、
ロケット噴射と併用して燃料節約の手段として使うのもむずかしいの?
帰還時もロケット噴射よりも、羽を生やして無線操縦のグライダーにして着陸させるんではダメなんだろうか。
減速にパラシュートさえも使わないのか。
Re:技術的裏づけのあるものと無いもの (スコア:2)
>軌道上までマスドライバーだけに頼ってで放り上げるんじゃなくて、
>ロケット噴射と併用して燃料節約の手段として使うのもむずかしいの?
マスドライバー最大の課題が、発射時の加速度が大きすぎて繊細な積載物が耐えられない(もちろん、加速度を小さくすると飛ばなくなる)ので、あまり筋がよろしくないかと。
代替案といってはなんですが、B-52とかL-1011で成層圏まで上がって速度を加えて発射する、空中発射型のペガサスロケットっちうものはあります。
ただ、母機の維持費の関係で、ミサイル転用系の安物地上発射型ロケットのほうが総コスト安いんじゃね?の流れになってきてるみたいですけど。
>帰還時もロケット噴射よりも、羽を生やして無線操縦のグライダーにして着陸させるんではダメなんだろうか。
>減速にパラシュートさえも使わないのか。
翼とかでかなり重量や嵩を支払って、ようやく得られる空力特性に、今回、何のメリットが?というところなんでしょ。
壊れない程度に回収出来て、一番軽くてカネが掛からん手段が、パラシュートなしの逆噴射ロケットだったんでしょう。
検討段階でパラシュートを検討しない訳がないですから。
Re: (スコア:0)
ペガサスなどの高空からの打ち上げは速度を稼ぐというよりは(7.9km/sに対してマッハ1としてもたったの0.14km/sでは気休めにもならん)、大気の薄いところまで持っていって、空力損を押さえるという意味の方が大きいですね。
Re: (スコア:0)
それだったら気球でロケットを高空まで運ぶのはどうだろう?
Re:技術的裏づけのあるものと無いもの (スコア:2)
それは既に存在していて、ロックーン [wikipedia.org]と呼ばれています。
(ロケット+バルーン→ロックーンです(^^;))
気球なので、あまり大きなロケットは持ち上げられないというのがネックでしょうか。
Re: (スコア:0)
わかった、エベレスト頂上に打ち上げ設備を作ればいいんだ。
Re: (スコア:0)
燃料効率的に意味のあるマスドライバーにしようと思ったら、積み荷を壊さないように加速度は2Gくらいに制限して、空気抵抗を受けないように真空トンネルにして、重力損失を減らすために地表で第一宇宙速度まで外部の力で加速する必要があるわけですね。
どれぐらいの大きさで建設費はどれぐらいになるんだろう。全長数千キロで数十兆ドルは堅いような気はするけど、真剣に宇宙大量輸送が必要なら、さけられない出費なんだろうなあ。
技術的には軌道エレベーターと違って出来ないわけはなさそうだけど。
Re: (スコア:0)
そこまで無理な話ではない。
加速度2Gに制限したとして,
5.1km/sに到達するには,250秒で640km加速すればよい。
5.1km/sとはH2Aロケットの2段目が一回目の燃焼を停止した速度。
つまり第1段を省略でき,さらに2段を小型化できるレベル。
まあリニアで5km/sまで加速できるかどうかはわからんが。
(原理的にはコイルのスイッチング速度で制限されるのでいいのか?)
Re: (スコア:0)
640kmのリニアモーターってだけで既にバカバカしい代物であることが分かると思うが。
東海道新幹線の営業キロよりずっと長いんだぜ?
それを真空抜きのトンネルで囲ってまっすぐ設置とか、正気を疑うレベル。
マスドライバーは速度がよっぽど早くないと (スコア:0)
手元の『 われらの有人宇宙船 [shokabo.co.jp]』だと、リニアモーターカークラスの時速500kmだと全エネルギーの5000分の1にしかならないのであんまり意味無い、とか書かれていますね。
速度を上げれば節約の意味があるのですが、地上付近だと気圧が高く、あまり加速ができないので実用的ではないようです。
シャトルのような羽についても、打ち上げ時のデッドウェイトとなることが指摘されています。
(パラシュートはどちらかというと肯定的に書かれているので、重量の割りに価値があるようです。SpaceXは本当に使わないのかな?)
Re: (スコア:0)
お蔵入りになったソ連製スペースシャトルの将来計画にブースターが翼を展開して戻ってくるという奴がありました
http://www.buran.ru/htm/41-3.htm [buran.ru]
なにをするんですかやめてください (スコア:0)
反転してから噴射するのは何となく「逆噴射」とは違うイメージ
Re:帰朝する機長の貴重な記帳 (スコア:0)
エンジン的には順方向に噴射してるんですもんね。
関係ないですが、動画のBGMはもう少しなんとかならんかったんですかアレは。
Re: (スコア:0)
「反転噴射」と言えばいいのでしょうか。
逆粉舎矢太郎 (スコア:0)
スペースシャトルも機体を再利用することによって低コストで宇宙へうんぬん (スコア:0)
とか言われてたの思い出した。結果はまああの通りなんですがね。
Re: (スコア:0)
スペースシャトルが「再利用」したかったのは主に超高価なアビオニクスの類だったわけですが、
今コンピュータはとんでもなく安くなってしまったわけで、もはやなんにも嬉しくない代物になってしまったわけです。
合掌