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2016年11月のサイエンス人気記事トップ10
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犯罪

機械学習を用い、犯罪者を顔写真から高い確率で識別できたとの研究結果 49

ストーリー by headless
識別 部門より
犯罪者の顔と非犯罪者の顔に統計学的な違いはないとされているが、中国・上海交通大学の研究者2名が画像認識と機械学習を用いて犯罪者と非犯罪者を高い確率で識別することに成功したそうだ(論文アブストラクトMIT Technology Reviewの記事Neowinの記事The Next Webの記事)。

研究では18~55歳で顔に傷やほくろなどがなく、ヒゲを伸ばしていない中国人男性1,856人の身分証明書写真を使用している。このうち非犯罪者は1,126人、犯罪者は730人。犯罪者のうち235人は暴力を伴う犯罪、536人は窃盗や詐欺、汚職など暴力を伴わない犯罪にかかわっている。犯罪者の写真も身分証明書の写真であり、警察で撮影された写真は使用していない。

これらの写真は顔と首の部分だけを残して背景を削除し、顔の大きさや肌の明るさなどが均一になるよう調整。グレースケールの画像としてロジスティック回帰とk近傍法(KNN)、サポートベクターマシン(SVN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)で処理を実行している。最も高い正確さで犯罪者と非犯罪者を識別できたのはCNNの89.51%だが、他の3つも数ポイント差となっている。顔の特徴として、犯罪者は非犯罪者と比べて鼻の先と唇の両端を結ぶ角度が平均19.6%小さく、上唇の曲率が平均23.4%大きかったという。また、左右の目頭の間隔は犯罪者が5.6%狭かったとのこと。

なお、身分証明書写真を使用していることから、論文では表情に違いがないことを強調している。ただし、生成された平均的な犯罪者の顔と非犯罪者の顔を比べると、非犯罪者は笑顔まではいかないものの若干明るい表情をしているようにも見える。また、非犯罪者が本当に犯罪に関わっていないのかといった点は確認できない。
12977087 story
テクノロジー

EMドライブに関するNASAのレポートが流出、本当に動作するという結論 86

ストーリー by hylom
菌は関係ありません 部門より
あるAnonymous Coward曰く、

ニュートンの第3の法律を無視する謎技術とされるEMドライブに関するNASA Eagleworks制作とみられるレポートが流出した。これによると、EMドライブは本当に動作するものだという(SciencEalert過去記事Slashdot)。

NASAのEagleworksチームは、ジョンソン宇宙センターで振り子スラストスタンドを使用してEMドライブの力を測定した。その結果、EMドライブは動作し、真空中でキロワットあたり1.2ミリニュートンの力を発生させることができたとしている。

これは決して小さな推力ではない。非常に強力なホールスラスタはキロワット当たり60ミリニュートンの推力を発生させることができるが、推進剤を消費する上に、推進剤を搭載するためのペイロードを必要とし、推進剤の重量分の推力を相殺してしまう。燃料搭載の不要な推進方式としては太陽帆があるが、発生する力はキロワット当たり6.67マイクロニュートンとEMドライブと比べて非常に小さい。

このレポートは査読が進んでいたと報じられていたことから近々科学誌に公開されるとみられていたが、今のところ音沙汰がない状態だという。

12972620 story
中国

中国、新型大型ロケット「長征5号」の初打ち上げに成功 82

ストーリー by headless
新型 部門より
AC0x01 曰く、

中国は3日夜、海南島の文昌発射場で大型ロケット「長征5号」の打ち上げ実験を初めて実施し、予定軌道に乗せることに成功した(産経ニュースの記事NHKニュースの記事YOMIURI ONLINEの記事時事ドットコムの記事)。

長征5号はアリアン5やデルタIV、ファルコン9、H-IIBといった機体と同クラスの大型ロケット。中国が開発中の次世代ロケットの中では最大の打ち上げ能力を持ち、低軌道で最大25t、静止トランスファー軌道で最大14tのペイロードを積載可能だ。第1段やブースターは既に打ち上げ済みの長征7号などと共通化されており、信頼性の向上やコスト削減に努めている。

今回の打ち上げには宇宙関係者の注目を引く部分が多く見られたようで、Twitter上では長征5号に用いられたが日本に無い技術として「酸素リッチ二段燃焼サイクルエンジン」「衛星経由の打ち上げ追跡」「アッパーステージ」「上段クラスタリング」「大容量の地上の推進剤供給系」そして何より「宇宙開発に対するビジョン」といった報告がなされている。

12994158 story
アメリカ合衆国

地球温暖化に懐疑的なトランプ氏の大統領就任によってNASAの気候変動関連研究が止まるおそれ 53

ストーリー by hylom
大きな痛手 部門より
taraiok曰く、

ドナルド・トランプ次期米大統領は以前から「地球温暖化はでっち上げ」と主張しており、大統領の就任後には気候変動関連について大幅な予算削減があると見られている。トランプ氏の上級顧問であるBob Walker氏の発言によれば、氏はNASAの地球科学部門における気候変動関連部門の研究予算をすべて削減する方針のようだ(guardianSlashdot)。

これによってNASAがこれまで行ってきた温度、氷、雲や他の気象現象に関する観測や研究が停止することになる。Bob Walker氏によれば「進行中のNASAプログラムをすぐに止めることは難しい。また私は気候研究が必要であると信じる。しかし、気候変動研究は政治色が強くなってきており、研究者の仕事を徐々に蝕んでいる。トランプ氏は科学分野は政治化されるべきではないと考えている」としている。また、トランプ氏は深宇宙探査には予算を回していく方針だという。

これに対し米国立環境研究センターのKevin Trenberth氏は、気候変動研究は衛星観測のない暗黒時代に逆戻りすることになるだろうとしている。

12974908 story
教育

中学校の理科の実験で酸性洗剤と塩素系漂白剤を混ぜ嗅がせる、吸入した1人が入院する事態に 52

ストーリー by hylom
硫化水素は有害情報になったのに 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

愛知県名古屋市の中学校で、理科の授業中にトイレ用酸性洗剤と塩素系漂白剤を混ぜて塩素を発生させ、さらにそれを希望する生徒に嗅がせていたことが分かった。うち1人が病院に救急車で搬送される事態になったという(毎日新聞)。

塩素系漂白剤は酸性の薬剤と混ぜて使用すると有毒な塩素ガスが発生することはよく知られている。塩素ガスは吸引すると呼吸器に損傷を与え、死亡事故も発生している。危険性を周知するのは良いが、嗅がせるのはやり過ぎだろう。

12994228 story
NASA

NASA、宇宙服を着たままで排泄物をうまく処理できるアイデアを募集中 61

ストーリー by hylom
古くて新しい問題 部門より

NASAが「着用したままで排泄ができる宇宙服」の開発に繋がるアイデアを募集する「Space Poop Challenge」なる企画を行っている(AFP)。

現在、宇宙飛行士は排泄問題を解決するためにおむつを着用して宇宙服を着ているそうだ。しかし、現在のおむつは1日を超えての着用に問題があるため、排泄物処理のための新たな手法が求められている。

求められている条件は宇宙服に内蔵できること、最長144時間(6日間)排泄物を収集できること、使用時に手を使う必要がないこと。また、微小重力下の宇宙空間で利用可能である必要はあるが、地球上での利用については考えなくても良いという。

締め切りは12月20日で、優秀なアイデアには最大3万ドルの賞金が授与されるとのこと。

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宇宙

宇宙誕生当初の光の速度が今より早かったことを検証するための予測が発表される 64

ストーリー by hylom
うーむ分からん 部門より

光の速度は常に一定とされているが、遠い昔はこの光の速度は今よりももっと早かったのではないかという説が出ているという(マイナビニュース論文)。

真空中の光の速度は毎秒約299,792,458メートルとされているが、宇宙誕生時から今までもし光の速度が一定だったとすると、宇宙の地平線問題など矛盾が生じる問題があるという。そのため、以前より光の速度は変化しているのではないかという複数の説も提唱されていた。これについてImperial College Londonの研究者らが、この理論の正しさを検証するための予測を発表したという(Imperial College Londonの発表)。

発表された予測は、初期宇宙の光速度が現在よりも速かった場合、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)のスペクトル指数が厳密に「0.96478」という値をとるというもの。

CMBはビッグバンによって宇宙が誕生してから約40万年後に生まれたものであり、もしその当時の光の速度が現在と異なっていれば、その影響がCMBから観測できるはずという予測のようだ。

昨今ではCMBの観測が進んでおり、高精度にその観測が可能になりつつある。そのため、この予測が検証できる日は遠くはないようだ。

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宇宙

SpaceX、高速インターネット網構築のため4425機の人工衛星の打ち上げ許可を申請 55

ストーリー by hylom
宇宙から来たパケット 部門より
あるAnonymous Coward曰く、

米民間宇宙開発企業SpaceXが合計4425機の通信衛星を利用したインターネットアクセスネットワークの構築を目指しているという。同社は15日、これを実現するために米連邦通信委員会(FCC)に衛星の打ち上げ許可申請を行ったそうだ(GeekWireGIGAZINEbusinessnewslineSlashdot)。

同社はまず800機の衛星を使った商用のブロードバンド通信サービスを開始する予定で、地球上で北緯15度から60度および南緯15度から60度のエリアをカバーするという。その後段階的に衛星の数を増やし、地球全土をカバーするネットワークの構築を目指すそうだ。

それぞれの衛星は重量が約386kg、サイズが4×1.8×1.2mで、太陽電池を備え稼動寿命は5~7年間とされる。回線速度は17~23Gbpsで、レイテンシは25~35ミリ秒。低い軌道上で衛星を運用することでレイテンシを下げるという。使用する周波数帯は10GHzから30GHzの間だそうだ。

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サイエンス

熱エンジンについて、「効率を上げると出力が下がる」ことが証明される 74

ストーリー by hylom
分かるような分からないような 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

慶應義塾大学理工学部の齊藤圭司准教授らが熱エンジンについて、「効率を上げると出力が下がる」ことを証明したそうだ(慶應大学の発表PHYSICAL REVIEW LETTERS掲載論文)。

熱エンジンは、熱を動力などの別のエネルギーに変換するシステム。受け取った熱のうちどれだけを変換できるかは「効率」、単位時間当たりにどれだけのエネルギーを出力できるかは「仕事率」と呼ばれるが、今回の研究成果では効率を高めようとすると仕事率が低下することを示す関係式を導出できたという。これにより、効率を高めるほど単位時間当たりに得られる最大出力は低下するということが示されたという。

熱力学においてはいくつかの法則が発見されているが、今回の成果はそれに加わる新たな法則となる可能性があるという。

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サイエンス

戦闘タイプと性交タイプの2タイプに成長できるゴキブリ 40

ストーリー by hylom
ポケモンっぽい 部門より

ゴキブリの一種であるヒッシングコックローチ(マダガスカルゴキブリ)は、戦闘に特化したタイプと性交に特化したタイプの2種類が存在しており、どちらかを選んで成長するという(ナショナルジオグラフィック)。

戦闘に特化したタイプは角が大きくなり、攻撃性も高いという。一方性交に特化したタイプは角が小さいものの、代わりに精巣が大きくなっているそうだ。

研究者によると、「武器となる部分を欠いたオスが、より多くの精子を作ろうと、精巣を大きくすることに力を使っている可能性が高い」という。ただ、何が要因となってこのような変化が生まれるかはまだ分かっていないようだ。

ちなみにマダガスカルゴキブリは体長5~7センチメートルと大柄で、ペットとして飼われることもあるという。

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吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人

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