南極の氷河崩壊による海面上昇速度は予想よりも早い 39
ストーリー by hylom
温暖化 部門より
温暖化 部門より
あるAnonymous Coward曰く、
南極のパイン・アイランド氷河は、南極大陸の氷河の中で最も早く溶けるとみられている。地球の温暖化が進み、テキサス州の面積以上の大きさの氷河が溶けていけば、海面上昇は免れない。この氷河がどのくらいの速度で崩壊していくかを知ることは、重要な科学的課題の一つと言える。氷河の崖は一定以上の高さになると崩れやすい。この海洋氷崖の不安定性が南極の氷の崩壊を加速させる要因になるという予測が出ている(Nature)。
この海洋氷崖の不安定性を最新のコンピューター・シミュレーションに取り入れた結果、次の世紀の海面上昇は予想以上に早いという結果になったようだ。これまでの研究では、今世紀の終わりまでの海面上昇率は3フィート(1メーター弱)ほどと見られていたが、海洋氷崖の不安定性を取り入れたデータでは6フィート(約1.8メートル)になるという結果になったという。また最悪のシナリオになった場合、11フィート(約3.3メートル)ほどの海面上昇を伴う氷が溶け出す可能性があるとしている。
6フィートの海面上昇があった場合、アメリカではニューオリンズ、ヒューストン、ニューヨーク、マイアミに頻繁な洪水が発生し、太平洋島嶼国はマーシャル諸島のように、大部分の領土を失うだろう。11フィートの場合は、人の住んでいる場所のほとんどは海に沈むとしている(salon、CNN、Slashdot)。