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2018年10月13日のサイエンス記事一覧(全1件)
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サイエンス

釣りのキャッチ&リリースが魚の採餌能力を低下させるという研究結果 76

ストーリー by headless
傷口 部門より
魚の生息数に大きな影響を与えず釣りを楽しむ方法として広く行われているキャッチ&リリースだが、釣り針によって開けられる穴が魚の採餌能力を低下させるという研究結果が発表された(UCR Newsの記事SlashGearの記事論文アブストラクト)。

水を餌とともに吸い込んで食べる魚の場合、口の周りに穴が開くと、ストローの側面に穴が開いたように吸い込む力が減少する可能性がある。研究チームはウミタナゴ科のシャイナーパーチ(Cymatogaster aggregata)20匹を用い、餌を食べる様子を500フレーム/秒のハイスピードカメラで撮影して調査を行っている。このうち10匹は釣り針を使って釣り上げたもので、あとの20匹は網で採った対照群だ。

その結果、口の開きや口の開きが最大になるまでの時間、あごの突き出し、餌との距離といった点で大きな違いはみられなかったものの、釣り針で傷ついた魚では餌を吸い込む最大速度が対照群と比べて大幅に低くなったという。これは口腔壁に穴が開いたことで口を開いていくときの圧力差が減少し、口に水が入っていく速度が減少したとみられ、数値流体力学モデルでも確認されたとのこと。

ただし、今回の研究では傷が治癒するまでの採餌能力低下がわかっただけで、長期にわたる影響については解明されていない。また、釣り針の穴だけでは採餌能力の低下を完全に説明できず、キャッチ&リリースによる他の影響も考えられるという。そのため、キャッチ&リリースは針を外せばそれで終わり、といった単純なものではなく、詳細な研究を必要とする複雑なプロセスがかかわっているとのことだ。
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin

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