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2019年9月のサイエンス人気記事トップ10
14012348 story
ビジネス

原子力発電の温暖化対策効果は弱いとの調査レポート 187

ストーリー by hylom
原子力のコスト上昇の理由はなんだろう 部門より

taraiok曰く、

原子力発電所はコストや建設にかかる時間などの点から地球温暖化対策としての効果が弱い、とのレポートが公開された(ロイターSlashdot)。

World Nuclear Industry Status Report(年次世界原子力産業状況報告書、WNISR)の2019年版によると、原発の新規建設数は減少傾向にあるそうだ。これは、再生可能エネルギー技術の進歩が影響しているという。報告書の筆頭著者であるマイケル・シュナイダー氏によると、原子力発電は低炭素の競合技術と比べて、「より良く、より安く、より速く建設する」という技術的または運用上のニーズを満たしていないという。

原子力発電所の建設に時間が掛かるほど、既存の化石燃料発電所による二酸化炭素排出期間は長くなる。「気候を保護するためには、私たちは最小限の費用で、最短の時間で最も多くの炭素を削減しなければなりません」とシュナイダー氏は語っている。

また、太陽光発電の発電コスト(均等化発電原価:Levelized Cost of Electricity、LCOE)はメガワット時(MWh)あたり36ドルから44ドルほど、陸上風力発電はMWhあたり29ドルから56ドルだ。一方で原子力エネルギーは112ドルから189ドルの間と見積もられている。こうした結果、中国でも2018年の再生可能エネルギーへの投資は910億ドルであったのに対し、原子力には65億ドルしか投資していないとしている。

WNISRによると、ここ10年で太陽光発電のコストは大幅に減少した一方、原子力発電の発電コストは上昇しているという。

なお、マイケル・シュナイダー氏は以前より原子力発電について否定的な見解を示している。

14000296 story
お金

伊藤穰一、MITメディアラボ所長を辞職 74

ストーリー by hylom
そういう状況なのか 部門より

先日、MITメディアラボが児童売春で逮捕・拘留されていた米富豪から資金援助を受けていたことが発覚したが、この問題を受けてMITメディアラボの伊藤穰一所長が辞職することを表明した(NHK)。

CNET Japanによると、辞職が決定的になったのは次のことが理由だという。

具体的には、MIT全体で「寄付提供者には不適格」とされていたEpstein氏から、そのことを承知で(大学当局には内緒で)長年資金を受け取っていた、あるいはEpstein氏と伊藤氏がほぼ二人三脚でメディアラボの資金集めをしていたこと、と言えよう。

また、隠蔽工作なども行われていたようだ。

14006220 story
テクノロジー

宇宙エレベーターの代替案として月と地球をワイヤーのようなもので結ぶ「スペースライン」が提唱される 110

ストーリー by hylom
月に何しに行くのかという疑問も 部門より

Anonymous Coward曰く、

地球から宇宙に向けて巨大な建造物を作り、それを用いて宇宙と地球を繋ぐ「宇宙(軌道)エレベーター」のアイデアは古くからあるが、材料などの理由から現在の科学では実現不可能とされる。そこで、これに変わる新たなアイデアである「スペースライン」というものが考案されているそうだ(TechCrunchScienceAlert)。

スペースラインは、建造物ではなくワイヤーのようなものを利用する技術。ケンブリッジ大学およびコロンビア大学の宇宙科学者2人が提唱している。今回提唱されているのは、地球の地表から42,164kmの位置に静止衛星を設置し、そこへ向けて月面からワイヤーを伸ばすというもの。地球から月へはまずこの静止衛星まで何らかの手段で行き、そこからはワイヤーを使って進む。

ラグランジュ点を跨いでワイヤーを伸ばすことで、安定してワイヤーを設置することができるという。このスペースラインはタワーというよりスカイフック寄りのコンセプトになっており、既存の材料を使って実現可能で、コストは数十億ドル程度だという。

14001171 story
数学

Sum of three cubes問題、42に対して解かれる 79

ストーリー by hylom
デカい 部門より

qfwfq曰く、

整数kに対してx^3+y^3+z^3=kとなる整数x、y、zを求める(あるいは存在しないことを証明する)という問題を「Sum of three cubes」問題と言う。

100以下のkに対してほとんどは1954年に提起されてまもなく解決していたが、33と42についてだけは未解決だった。33について解かれたのも今年になってのことだが、先日とうとう42についても次のような解が発見された(ブリストル大学の発表)。

-80538738812075974^3 + 80435758145817515^3 + 12602123297335631^3 = 42

探索には分散コンピューティングソフトウェア「BOINC」が使われたが、プロジェクトを主導したBristol大のプレスリリースではBOINCをSF小説「銀河ヒッチハイク・ガイド」の「Deep Thought」になぞらえている。

14011611 story
交通

空の旅が地球に与える負荷はどの程度か 146

ストーリー by hylom
状況次第 部門より

Anonymous Coward曰く、

自動車と航空機では、環境に与える影響は異なる。過去の発表によれば、二酸化炭素の排出量だけ見れば、乗客1人あたり1マイルごとの二酸化炭素排出量は他の交通手段と同程度だという。

空の旅の炭素効率は距離に大きく依存する。端的に言えば、短距離便は効率が悪く、大陸横断便は非常に効率的だといえる。ただ、地上の輸送手段はEV化が進むことで二酸化炭素排出量は低減する方向にあるが、ジェットエンジンを搭載した航空機が電気自動車(EV)のような技術的なブレークスルーを迎えることは難しいだろう。航空機の短距離便に関しては、鉄道や自動車などで代替が可能だ。仮に皆が満員の状態でEVに乗って移動するようになれば、航空機の短距離便は減らせるかもしれない。

しかし、1車両あたりの乗客数が減ると、乗客1人あたりの炭素数も増加する。米国における現在の短距離便は乗客の搭乗率が高く、燃料負荷が軽いことからEVよりも効率的な輸送手段となっている。

また、列車については、北米ではヨーロッパと異なり化石燃料を燃やす列車がまだ主流だ。

最悪の選択肢は、ガロンあたり15マイル程度の燃費の大型車、つづいて非経済的なビジネスジェットとガロンあたり25マイル程度の燃費の中型車だ。対して最良な選択肢としては、ソーラー電気自動車、満員状態の米国スクールバス、そしてユーロスター鉄道だとしている(Bulletin of the Atomic ScientistsSlashdot)。

14003314 story
地球

東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策として検討されている人工降雪、実際に実験が行われる 97

ストーリー by headless
実験 部門より
東京オリンピック・パラリンピックで暑さ対策の一つとして検討されている降雪機による人工降雪について組織委員会は13日、海の森水上競技場 (江東区青海)で実際に実験を行ったそうだ(TOKYO Webの記事デイリースポーツ onlineの記事FNN.jp プライムオンラインの記事時事ドットコムの記事)。

これについて Bill Hates曰く、

カヌーやボート競技が行われる海の森水上競技場の観客席に降雪機で人工雪を5分間降らせるテストを行ったところ気温は下がらず、溶けた雪で衣服や席が濡れてしまったという。

なお気象庁のデータによれば実験が行われた13日午前、江戸川臨海(編注: 会場から11kmほどの距離にある最も近い気象観測所)の気温は最高でも23.0℃。競技日程ではボートが7月24日〜31日まで、カヌーは7月26日〜31日と8月3日~8日に予定されており、今年の7月および8月のデータで同期間の最高気温29.2〜33.8度と比べると6〜10度低かったようである。

また、Anonymous Coward曰く、

メディアによって表現に揺れがあるが、概ね、気温や暑さ指数には変化がなかったという部分では一致している。熱中症者を減らす効果はなさそうだ。

ちなみに使用した氷は300kgとのことで、少なすぎる気がしないでもない。

14001131 story
教育

大学の理系論文数は2004年から伸びていないという分析結果 63

ストーリー by hylom
金は血液 部門より

文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の論文数に関するデータや総務省の科学技術研究調査を基に比較を行ったところ、日本の大学の理系論文数は2000年頃から伸びが減少し、2004年をピークにその後は頭打ちの状態になっていることが分かったという(共同通信東京新聞)。

理系論文数は2004年までは増加傾向だったが、2004年に国立大学を法人化した後2010年ごろまでは減少が続き、その後やや盛り返したものの2012年以降はまた減少傾向にある。

記事では「研究活性化策として導入した競争原理の拡大が奏功しなかった形」とも記されている。

14009703 story
地球

台風による倒木が停電復旧の妨げに 49

ストーリー by hylom
メンテしないと何か起こった時に問題が広まる 部門より

台風15号の影響によって千葉県で大規模な停電が発生した。この停電では復旧に時間がかかったことがすでに報じられているが、その理由の1つに、大量の倒木が復旧作業の障害となったことが挙げられている。こうした大量の倒木が発生した原因として、幹の内部が空洞化する「溝腐病」にかかった杉が多く存在していたことがあるようだ(NHK)。

pongchang曰く、

兎に角、伐れ。

犬の命、猫の命、思い入れが深すぎて、殺処分でイキリアガル種族が居るように、木を伐ると声を大にする人びとが居る。石垣や古墳は根が構造を破壊するのだが、保全すべきは木で、城郭や古墳(石室)の保全が蔑ろにされる事例もある(仙台市の史跡調査結果)。

仙台城跡は豊かな自然環境と共存しているという特色がありますが、一方、樹木の根が石垣や土塁の変形の原因となる場合があります。また、城跡からの眺望や周囲からみた景観に樹木が影響を与えている面もあります。そのため、樹木等の維持管理について検討する必要があります。

大火や空襲が無かった分、街路樹は長生きしている。しかし、街路樹の根張りは浅い(「街路樹の根系と植栽基盤の現況」)。街路樹は、盛んに植えられた高度成長時代から半世紀が過ぎ、全国的に更新の時期を迎えている(共同通信)。毎年計画をたてて、3本おきとか6本おきに順繰り若い子に植え替えるべきなのに、「植栽予算」「道徳的心理的樹木への愛着」から更新が怠られている。台風と倒木(平成16年度の考察)は兎も角、それから15年以上経って木も伸び放題なので、樹高だけでも脆弱になっている。

薪や炭、畑に鋤き込む草というもので、「禿山」だった明治大正に較べて、今は樹高が高く、更新されない木が多すぎる。戦前は細々とした森林鉄道が国土を覆い伐り出していた(千葉県にも、かつて森林鉄道があった)のが「緑を伐るのは駄目という道徳観」が邪魔するようになってきたとしたらシッペ返しは当然だろう。

14004194 story
アメリカ合衆国

米疾病予防センターが電子タバコ使用に関連する可能性のある肺疾患の症例カウント方法を変更、症例は70件減少 67

ストーリー by headless
更新 部門より

米疾病予防センター(CDC)は12日、リキッド加熱式電子タバコ使用に関連する可能性のある肺疾患の症例カウント方法の変更を発表した(ニュースリリース)。

9月6日時点の症例数は450件だったが、カウント方法変更により9月11日時点では380件まで減少している。新たなカウント方法は、電子タバコ使用による肺疾患と確認済み (confirmed) 、またはほぼ確実 (probable) とみられる場合のみ症例数に含め、可能性があるとして州レベルで調査している段階の症例 (possible) は含めないというもの。一方、電子タバコ使用が原因の肺疾患による死亡者数は1名増えて6名となった。

カウントされる症例は90日以内に電子タバコ製品を使用 (vaping) または何らかの物質を加熱して吸入 (dabbing) した人の胸部X線写真やCTで肺浸潤が確認され、医療記録を精査して他の原因が排除された場合であって、検査で感染症ではないことが確認された場合は「確認済み」、いくつかの検査を行って感染症の可能性が排除された場合が「ほぼ確実」となる。このCDCによる新定義は8月末に各州と共有しているとのこと。

なお、肺疾患の発生とは別件だが、トランプ政権では急増する未成年者による電子タバコ使用への対策として、タバコ以外のフレーバー付き電子タバコを市場から排除する意向を示している。米食品医薬品局 (FDA) はこれを受け、今後数週間のうちにコンプライアンスポリシーを仕上げる予定だという。CDCでもこれを支持する声明を発表している。調査によると米高校生の4分の1が過去30日以内に電子タバコを使用したことがあり、フルーツやメンソール、ミントなどのフレーバーが人気とのことだ。

14007587 story
ビジネス

ビル・ゲイツ曰く、世界を変えるなら二酸化炭素削減技術よりも温暖化適応技術に投資すべきだ 72

ストーリー by hylom
現実的な見通し 部門より

Anonymous Coward曰く、

気候活動家の多くが、化石燃料の使用を辞めさせるためのロビー活動を投資家に対して行っている。しかし、ビル・ゲイツは彼らとは異なる考え方を示している。曰く、世界を変えたい人は、炭素排出を遅らせる技術に投資するよりも、人々が温暖化に適応する技術に投資したほうがよい。

The Financial Timesによるインタビューで、ビル・ゲイツはCO2排出量削減の努力は無駄だったと述べた。氏は、おそらくトータルで見れば削減量の効果ははほぼゼロではないかとし、その根拠として鉄鋼やガソリン製造業者に対する投資撤退(ダイベストメント)が実際に発生して資本不足に陥ったという話は聞いたことがないとしている。

その上でビル・ゲイツは、進化を促進したい投資家は彼が支援している代替タンパク質の製造企業であるBeyond MeatやImpossible Foodsといった革新的なビジネスに資金を提供べきだと主張している(The Financial TimesSlashdot)。

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犯人は巨人ファンでA型で眼鏡をかけている -- あるハッカー

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